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『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
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TURN40

 
前書き
TURN45くらいに終わる予定です。 

 





「狹霧長官ッ!!」

 そ、その時陸戦隊が到着してレーザー小銃とレーザー機関銃がラムダスに射撃を始めた。

『@*●◎☆★☆◎●ッ!!』

 ラムダスは完全にレーザーに貫かれて今度こそ絶命した。それによってラムダスの口が開いて俺は床に落ちる。

「大丈夫ですか長官ッ!!」

「ユキカゼさんッ!!」

 オペレーターやシャルロットが俺に駆け寄る。シャルロットはタオルで喰われた左手の部分を止血しようとする。

「衛生兵ェッ!!」

 直ぐに衛生兵が第一艦橋に到着して衛生兵が担架に俺を乗せる。

「艦隊指揮を圭子さんに、害虫との距離は一定に保て。厳命やで」

「分かってます、分かってますから喋らないで下さいッ!!」

 シャルロットが涙を流しながら言う。そういや出血してるせいか頭がフラフラしてきたな。

 そして俺はそのまま医務室へと運ばれた。

「……皆さん、摩耶の指揮は私が取ります」

 雪風の搬送を見送ったシャルロットはオペレーター達にそう言った。オペレーター達も無言で頷いた。

「陸戦隊はこの汚物を回収して下さい。日本星域に帰還後に技研に提出します」

 シャルロットはラムダスを汚物を見るような感じで見ている。陸戦隊も頷き、死んだラムダスを処理していく。

「主砲は拡散モードで続けて下さい」

「了解、主砲オールグリーン。何時でも撃てますッ!!」

「主砲、撃ちぃ方始めェッ!!」

 シャルロットが叫ぶと摩耶は再び迫りつつあるラムダスの大群に砲撃を開始した。




――戦艦榛名――

「何だってッ!? 雪風が負傷したッ!?」

『はい、現在は医務室で治療しています』

「治療って……まさかッ!!」

『……ユキカゼさんはあの芋虫に左手を喰われました……』

「………」

 通信映像のシャルロットから発せられた言葉に南雲は唖然としていた。雪風の左手が芋虫に喰われた……?

『摩耶の指揮は私が取りますが、艦隊指揮は圭子さんに任せろと。それとユキカゼさんからの伝言です。害虫との距離は一定に保てと』

「……シャルロット、あんたは何でそんな平気なんだい? 雪風が目の前でやられてたんだろ?」

『平気なわけないじゃないですかッ!!』

 シャルロットは怒鳴る。

『でも……私達は軍人です。私情は挟めません。泣くのはこの戦いが終わってからです』

 シャルロットはそう言って通信を切った。

「……そうだよねぇ。ま、取りあえずはあの害虫を蹴散らすとするかね」

 南雲はそう言って迫りつつあるラムダスを睨み付ける。

「全艦、砲身が焼ききれるまで撃ちまくれェッ!! 害虫との距離は一定に保てッ!!」

 南雲はそう全艦に指示を出した。雪風が負傷した報告を聞いた乗組員達は憤怒して怒り狂いながらラムダスを焼きつくしていく。

 一万にも及んだラムダスが全て駆除されたのはそれから八時間後の事であった。




「狹霧が左手切断の重傷だと?」

「は、南雲長官代理の報告ですと、無人ステルス偵察機がシベリア星域を偵察したところ、この約一万の芋虫がシベリア星域のソビエト艦隊を攻撃していたらしく、狹霧長官が独断専行という形でシベリア星域に急行して参戦、負傷したようです」

「……この芋虫は何だ?」

「それが全く分かりません。現在、シベリア星域は高須、小澤艦隊が侵攻してソビエト艦隊も一旦は此方の指示に従っています」

「……直ぐに御前会議を開くよう帝ちゃんに具申しよう。それと平賀夫妻に狹霧の義手を用意するように伝えてくれ」

「……実は平賀夫妻は今、別居状態のようでして……」

「……はぁ?」

 秋山参謀長の言葉に東郷長官も唖然とした。




「雪風ぇ~~~」

「……目覚めから何でお前の泣き顔を見なあかんねん」

 俺は溜め息を吐いた。今いるのはシベリア星域の惑星ウラジオストクの軍病院や。

 俺が目を覚ましたのはつい二十分も前やな。そんで起きたら茂がおって泣いていた。訳を聞いたら……。

「津波にラムダスの事がバレた」

「……ホワット?」

 茂によれば、俺が密かに送ったラムダスの画像付き写メを津波が茂がいない時にたまたま見たらしい。

 そんで津波がスパナを持ちながら茂を脅して(聞けばスパナでアソコを殴るとか言われたとか……)ラムダスと俺達の前世とかバラしたらしい。

 前世の事を聞いた津波は「私に近づいたのは貧乳目当てだったのかロリコン男」と呟いて、既に津波の名前が書かれた離婚届の紙を渡されたらしい。

 茂はその時点で精神が錯乱して小澤艦隊に載せてもらいシベリア星域に来たらしい。

「津波にまでバレるとはなぁ……」

「……もう俺……ラムダスに喰われてしまいたい……」

 ……泣くのはええけど、シーツを濡らすな。

「まぁ前世の話を聞いて津波も混乱していただけでそんな事をしただけちゃうか?」

「津波の名前が書かれた離婚届を出してかい?」

「………」

 そういや津波に離婚届も持っといたら? と冗談で言った覚えはあるけどまさか本当に持っていたとはな……」

「お前が言ったのかッ!!」

「げ、声に出てたか」

「あんたって人はァァァーーーッ!!!」

 その後、圭子さん達が見舞いに来るまで俺は怒り狂う茂を宥めるのに苦労した。







 
 

 
後書き
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