『ある転生者の奮闘記』
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TURN39
前書き
喰われる時の場面は擬音でごまかしました(笑)
そーなのかー。
北方方面艦隊が設立されて二週間が経った。北方方面艦隊はシベリア星域からのワープゲート付近に駐留していたけど何ら音沙汰は無かった。
「……暇やなぁ……」
俺は摩耶の長官席でだらけていた。だって暇なんす。
ステルス無人偵察機からの報告やと、シベリア星域に駐留しているソビエト艦隊は最初は五個艦隊は確認されていた。
けど、昨日の偵察機からの報告では一個艦隊にまで減少していた。
「やっぱしドクツとソビエトが戦う傾向やないか?」
「ですがドクツもロンメル、マンシュタインの精鋭艦隊がCORE戦でやられていますから侵攻はしないと思いますよ」
長官付であるシャルロットがそう言う。
「偵察機からの定時通信映像です」
オペレーターがそう言いながら通信パネルを切り換える。
「何? ……戦闘している?」
通信映像ではソビエト艦隊が何かと戦っていたけどあれは……虫?
「何でしょうか? 芋虫のような物体ですけど……」
……おいおい嘘やろ? あれはラムダスやんか……。
「長官?」
「……あ、あぁ」
あかんあかん。不自然にしたらヤバいな。
「全艦ワープゲートに向かう」
「長官? ですが宣戦布告をするようなものですよ」
「構わへん。CORE対応艦を見つけてシベリア星域に来たとか誤魔化したらええんや。責任は俺が取る」
そして北方方面艦隊はマリーの空母艦隊を残してシベリア星域へ向かうためにワープゲートへ突入した。
「主砲発射ァッ!! これ以上あの虫を有人惑星に近づけては駄目よッ!!」
私ことリディア・ロコソフスキーはそう指示を出す。
本当に一体あの芋虫は何なの? いきなりチェリノブ星域のブラックホールから現れたらしい。
チェリノブ星域の駐留艦隊が迎撃に向かったけど、交戦中に何故か戦闘を停止してあの芋虫の方へ自分で向かったらしい。
全く訳が分からないよ。
しかもブラックホールから大量に来たためにチェリノブ星域の有人惑星は全滅した。多分生きている人間は誰もいない。
そして今はシベリア星域とモスクワ星域に侵攻中らしいけど耐えきれるかどうかだよね……。
「……最悪の場合はシベリア星域もやられて日本星域に逃げるしかないかもね」
私の呟きにオペレーターは答えなかった。オペレーターも薄々と分かっているみたい。
「ッ!? 後方から接近する艦隊を発見ッ!! 複数ですッ!!」
「え?」
……味方? いや違う、味方だったらあの芋虫の後方から来る。此処はソビエトの東方の端だ。ならまさか……。
「識別確認、日本艦隊ですッ!!」
その報告は私にとって援軍が来てくれたような感じだった。
「……大量におるな……」
「確認出来ただけでも約一万はいます」
そんな報告は聞きたくなかったけどありがとうオペレーター。
「……害虫駆除やな。使用兵器はビーム砲とパルスレーザー砲に限定する」
「何故ですか?」
シャルロットがそう聞いてきた。
「鉄鋼魚雷やと当たりにくいかもしれんからな。此処は確実に撃破出来る光学兵器に任せる」
「全艦砲撃準備完了ッ!!」
オペレーターが叫ぶ。
「全艦撃ちぃ方始めェッ!! あの芋虫とは近づくなッ!!」
そして北方方面艦隊は砲撃を開始した。CORE対策で交換していた短砲身主砲はラムダスでも効果を発揮していた。
「主砲は拡散モードに切り換えろッ!! 芋虫とは一定の距離を保てッ!! ソビエト艦隊にもそう通達しろッ!!」
ラムダスからの洗脳しないためにしないとな。
連続射撃をする主砲は効果絶大やった。しかも拡散モードで射撃しているため、万がいるラムダスはビームやパルスレーザーのエネルギーで焼きつくされて徐々にその数を減らしていた。
「撃ちまくれェッ!! 弾幕はパワーだぜッ!!」
俺はそう叫ぶ。そうして士気を高めるのも俺の仕事やからな。ちなみに乗組員には宇宙服を着せさせている。
「害虫の数が減少していきます。数は三千に切りましたッ!!」
「もうちょいやッ!! 根性見せろやッ!!」
「あ、数匹の害虫が摩耶に向かって接近しますッ!!」
「迎撃やッ!!」
両舷のパルスレーザー砲が射撃を始めてラムダスを撃破するけどまだ一匹残っている。
「害虫の進路予想……この第一艦橋ですッ!!」
「総員第一艦橋から退避やッ!! 陸戦隊は第一艦橋に来いッ!! フル装備でやッ!!」
俺は九ミリレーザー拳銃を出して安全装置を解除する。その間にもオペレーター達が第一艦橋から退避する。
そして一匹のラムダスが艦橋のガラスにへばりつき、ガラスを割った。
「ちぃッ!!」
ガラスが割れた瞬間、酸素が宇宙に流出するが乗組員達は俺も含めて既にドアのところまで退避している。
そして俺はラムダスにレーザー拳銃の引き金を引いた。
「撃て撃て撃てェッ!!」
オペレーター達もレーザー拳銃を構えて射撃をする。レーザーは第一艦橋に侵入したラムダスの身体を貫き、ラムダスは絶叫している。
遂にラムダスは無数のレーザー拳銃の射撃で倒れた。
「近づくなッ!! シャッターを閉じろッ!!」
近づこうとするオペレーター達に俺はそう言ってゆっくりと近づく。割れたガラスはシャッターで閉じられていた。
「………」
ラムダスを見るが動く気配はなかった。
「……よし、陸戦隊を『¥$¢££%##★◆§@**●◎☆★ッ!!』なッ!?」
あ、アホなッ!? まだ生きていた……死んだ振りをしていたんかッ!!
『#%£◆§#%£ッ!!』
「ぐッ!?」
「長官ッ!!」
俺の左手がラムダスの触手に絡まれてラムダスが口を開いた……まさかッ!!
「喰われてたまるかァッ!!」
俺は必死でラムダスにレーザー拳銃を撃ちまくるが、ラムダスはお、俺の左手にかぶりついた。
バキッ!! ゴキッ!!
「ガアァァァァァァァァァーーーッ!!!」
痛いッ!! 痛いッ!! 痛いッ!! 痛いッ!! 痛いッ!!
俺はそう叫ぶしかなかった。
後書き
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