オズのアン王女
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第九幕その五
「どうしても」
「そうだよ」
「卵アレルギーですね」
ナターシャの言葉です。
「つまりは」
「そうそう、まさにね」
「それもかなり強い、ですね」
恵梨香も言いました。
「アレルギーなんですね」
「そうだよ、だから卵はね」
ノームにとってはです。
「禁物なんだ」
「そういうことですね」
「本当にね」
カリフ王はまた皆に言いました、彼自身もそのお刺身を食べながら。和風のウーガブーの畑で採れたお野菜で作ったサラダに鯉のアラのお味噌汁もあります。
「だから我々は卵は無理なんだよ」
「お魚の卵はいいのよ」
アンはそれは大丈夫だと言いました。
「そちらはね」
「そうなんですね」
「お魚の卵はいいんですね」
「そちらは食べられるんですね」
「大丈夫なんですね」
「鳥類の爬虫類の卵がね」
そちらがというのです。
「駄目なんだよ」
「ノームの人達は」
「強いアレルギーがあってですね」
「触ることも出来ない」
「そういうことなんですか」
「体質のものでね」
そこはというのです。
「難しいんだ」
「そうしたことは」
「どうしてもですか」
「身体のことで」
「どうにも出来ないですか」
「これがね、まあ仕方ないよ」
身体のことだからというのです。
「我々もね、けれどね」
「けれど?」
「けれどといいますと」
「我々も本当の意味でオズの国の人間になったからね」
ラゲドーの時とは違い今はです、ノーム族も完全にオズの国の人達になったのです。死ぬこともなく歳を取ることもない。
「そうなったんだ」
「卵に触ってもですね」
「死なない、ですね」
「そうなれたんですね」
「そうだよ、けれどね」
本当にというのでした。
「苦手なことはかわらないんだ」
「だからケーキとかのお菓子もね」
アンがここでまた言いました。
「ノームの人達は卵は使わないの」
「ちゃんと代わりのものがあるんだ」
カリフ王はこのこともお話しました。
「そっちを使ってね」
「卵を使わなくてもですね」
「困らないんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ、他のものは食べられるしね」
卵以外の食べものはです。
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