オズのアン王女
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第九幕その四
そしてです、皆で車のところに行きますと。
カリフ王は後部座席から出てきました、そのうえでまずはドロシーに笑顔で挨拶をしました。
「相変わらず元気そうだね」
「カリフ王もね」
「余もこの通りだ」
明るい笑顔での返事でした。
「元気だよ」
「それは何よりね」
「それでだが」
「ええ、今回来た理由は聞いてるわ」
既にと答えたドロシーでした。
「領土のことでね」
「そう、下まで来たからね」
「アン王女はいいって言ってるけれど」
「そういう訳にはいかないよ」
「そこは、なのね」
「そう、礼儀だよ」
まさにそれが理由でなのです。
「こうしたことはしっかりしないと」
「カリフ王らしいわね」
「そう、だからだよ」
またこう言ったカリフ王でした。
「来たんだ」
「アン王女にお話をしに」
「そうだよ」
「それじゃあ」
「今から案内してくれるかな」
「いえ、アン王女の方から来るわ」
「あっ、そうなんだね」
カリフ王も言われて声をあげました。
「それじゃあ」
「他の人達も来るから」
ドロシーはさらに言いました。
「ファイター大尉とチクタクもね」
「二人もいるんだ」
「そうなの」
「それは楽しみだね」
カリフ王は二人の名前も聞いて笑顔で言いました。
「本当に、じゃあね」
「ええ、アン王女が来たら」
「それからだね」
「おもてなしをね」
まさにそれをというのです。
「させてもらうわ」
「それじゃあね」
こうしてでした、アン達も来てです。皆でなのでした。
カリフ王をおもてなしします、宮殿に案内されてそこで皆で宴を開きますが。カリフ王はそのメニューを見ても笑顔になりました。
「これはいいね」
「確かノームの人達は」
「卵は」
「そう、駄目だよ」
絶対にとです、カリフ王は五人の子供達に答えました。
「今もね」
「卵に触ると死ぬんでしたね」
ジョージが尋ねました。
「確か」
「昔はそうだったよ」
「今はそこまでは、ですか」
神宝も王様に尋ねました、皆でご馳走を食べながら。出されているご馳走は鯉のお刺身に揚げたものです。他にも川の幸がどっさりとあります。
「いかないですね」
「うん、けれどね」
「苦手は苦手なんですね」
カルロスはこう理解しました。
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