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怪獣の来訪

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第三章

「この子夜泣きというか泣く度にね」
「おむつか」
「そうなの、それもどっちもね」
 大きい方も小さい方もというのだ。
「してるから」
「昼もか」
「朝もよ」
 つまり何時でもというのだ。
「してるの」
「一日何度もするのか」
「そうよ」
「そんなにか」
「そうじゃなかったら」
 おむつを替える場合でなければとだ、美紗子は手元からおむつを出す夫に対してこうも言った。
「御飯なのよ」
「ミルクか」
「どっちの場合もあるし」
「大変だな」
「夜もこうでね」
「昼も朝もか」
「もう凄い勢いで泣くから」
 今の様にというのだ。
「目覚ましより凄いわ」
「俺は昼仕事だけれどな」
「私は朝もお昼もよ」
 翔平と共にいるというのだ。
「だからね」
「大変なんだな」
「休む時は休んでるけれど」
 それでもというのだ。
「大変なことはね」
「実際にか」
「そうなの」
 こう夫に話した。
「これがね」
「厄介だな」
「あなたはもう休んで」
 おむつを差し出した夫に言った。
「明日も現場よね」
「ああ、そうだよ」
「だったらね」
「肉体労働だからか」
「休んで」
 そうして欲しいというのだ。
「疲れて何かあったらいけないから」
「そう言う御前もだろ」
「私はお昼寝出来るから」
 家にいるからだというのだ。
「大丈夫だから」
「じゃあお尻とか拭いておむつ替えるのはか」
「私がやっておくから」
「悪いな」
「気にしなくていいわ」
 そこはとだ、こう言ってだった。
 美紗子は息子のおむつを替えて前のそれは捨てた、そうしたことをしてからまた寝たが。
 とにかく翔平はミルクをやたら飲んで泣いた、何かあるとすぐに雷の様に泣く。とにかく元気な赤ん坊だった。
 立てる様になってもだ、それはそれでだった。
 あっちに行ってこっちに行ってだ、何でも口の中に入れようとする。そしてこけたりぶつかったりすればまた雷の様に泣く。
 その息子を見てだ、翔平はまた妻に言った。 
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