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ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神

作者: 革命者
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第三章:月光校庭のエクスカリバー/雷洸射の火神鳴
   interlude2:託される手~A way to go~

「これで最後か」

俺は今、羽衣の引越しの手伝いをしていた。

「されにしても着物とかが多いな…さすが日本の妖怪って言うところか?」

「まあ、妾は現代の服よりもやはり着物などがすきなのじゃ。じゃが、今の時代これを着て歩くと目立ってしまうので最近ではいまどきの生娘が着てるような服もきている」

「そうか、俺の家にいるときは好きな格好をしていいから大丈夫だぞ」

「ふふ、優しいのうシンは…」

「そうか?当然だと思うが…」

こうして俺と羽衣は引越し作業を続けていった。





―○●●●●○―





「新しいここの住人の羽衣九狐だ。みんな仲良くしてくれよ」

「羽衣九狐と申す。以後よろしくお願いする」

引越しの作業を終えた俺は羽衣をみんなに紹介していた。

「よろしくね羽衣さん。それとコカビエルの件ではみんなを護ってくれてありがとうね」

『ご主人が女を連れてきたねぇ…。いいじゃん!盛り上がってきたねぇ!!』

主任とテュールも優しく歓迎してくれた。

「それにしても。まさか、西洋のからくりまでもがシンの仲間とはのう…おぬしは本当に面白いのう」

「そうか?まあこんな存在自体が珍しいのは同感だが…」

『もしかしておじさん褒められてる?ありがとうね、はごりん☆』

「は、はごりん…?妾のことか?」

『はごりんもその反応とはね、やっぱりいいね!』

なにがいいのやら、まあこれでやるべきことは後ひとつだけだな。

「それで…だ。テュール約束どおり何か俺にお願いしたいことは何かあるか?」

「そういえばそんな約束してたね。いろいろあって忘れてたよ」

とりあえずやるべきことは必ず早く済ます。まあ実際は早くテュール二恩返しをしたいのが俺としての本音だが。

「そうだね…う~ん。有るけど…でもなぁ~」

テュールが自身の右手を仰視しながら考えている。もしかして……。

「もしかして思えの義手に関して何かあるのか?」

「え!?何でわかったの?」

「いや、ずっとお前が右手の義手を仰視していたからわかるぞ」

「確かにわかりやすかったのう」

『そうだねぇ~』

「みんなして…まあ。マスターに考えが見透かされたし素直に言ってみるよ」

若干照れながらテュールは俺に言う。

「実わね…。前からこの義手大きすぎて不便だなって思って。なんとか小さく折りたたむことできないかな~って思って。一応食事のときは義手を外して左手使っているけどやっぱり違和感があるんだよね」

なるほどな。

まあ考えてみればあんな体に合わない義手をつけていれば不満もでる。それにテュールは女性、見た目も気にしてもおかしくない。

「それでね、そのぉ~みんなと同じような生活ができるような義手がほしいなぁ~なんてね」

「なるほど…主任。あの工房を少しの時間借りたいんだが、いいか?」

『攻防自体は問題ないよ。現在作成中の第二試験兵装の作成には影響は出ないし。だけど材料はご主人の装備作成しか出てこないようになっているから材料までは提供できないな~』

「そうか…」

「む、無理なら無理でいいんだよ?できればマスターに迷惑はかけたくないし……」

材料か…。俺の装備製作用の材料は使えないとなるとどこからか引っ張る…もしくはここにあるものを分解して作るしかない。

俺は材料の構成について考えていると視界にあるものが移った。

Wolf Wood Punisher(ウルフウッド・パニッシャー)……」

俺が生前いた世界で主に人として戦っていたときに使っていた武器。今はこの世界での扱いが困難となったため、使わないつもりでケースに保管している。

こいつを材料として使えば小型の義手にさらに本来の義手をより強化できるかもしれない。

それに、ただあるだけではこいつにとっても虚しくだけになるからな。

「いや材料はあれを使う。早速工房を使わせてもらうぞ。主任」

『ハイ、ハーイ。でもいいの?それ使って。その武器ご主人が持っている数少ない遺産だよ?』

「いいさ。こいつはもともと俺の例の力を前提に考えられたものなんだ。それを失った俺にそいつはもう使うことができない。ならせめて使えるやつに渡したほうがいいだろ?」

『まあ、主人がいいならいいか!なら工具一式と分解用の工具を工房の入り口付近に設置しとくから好きに使ってね』

「ちょ、ちょっとまって!?マスターの大事なものを使ってまでいいよ!!それなら違うことにお願いするからさ」

早速俺がWolf Wood Punisherの分解作業に移ろうとしたとき、テュールが俺を呼び止める。

「大丈夫だ、テュール。こいつはもう俺の他に余る代物。それにさっきも言ったが使えるやつに渡したほうがいいんだ。それにこいつもそれが本望だろう」

俺は持っているWolf Wood Punisherを眺めながら説明する。

「マスター……。」

「それに、お前ならこいつをしっかり使ってくれると思うんだ。理由は特にないがこいつはお前がしっかり使ってくれるって信じられるんだ」

正直テュールと会って日は浅く他人からみれば信頼するには普通では全然足りない。だがこいつは本来の実力を抑えみんなを護ってくれた。

そもそもWolf Wood Punisherは見方を護るための武器でもある。こいつは命をかけてみんなを護ってくれただからこそこいつをテュールに預けられる

「そこまで言うならこっちもお願いを撤回できないからないね。わかったお願いするよマスター!!」

「ではさっそく作業に取り掛からせてもらう。それとテュール。お前用の義手を作るから後でお前の体のデータを取りたい。十分後、ここになるべく身体測定しやすい格好で来てくれ」

「し、身体測定……。う、うん。わかったマスター///」

なぜかテュールの反応が少しおかしかったな。なぜだろうか?

「シンよ。おぬしさらっと衝撃発言をするのう」

『ご主人。大胆だね~』

「??」

なぜか二人に暖かい雰囲気でつっこまれる。

そして俺はWolf Wood Punisherを分解する為、工房に向かった。





―○●●●●○―





「ここの部品がこうなって、そして組み合わせが少し複雑だからここを持ち上げて……。よし全部外れた」

現在工房でWolf Wood Punisherを分解し終えた。

ここにある工具やスキャナーが優秀でどこに何があるのかがわかりやすく2~3分程度でできた。

しかし分解してみるとこの武器を作った開発者がどんな頭をしているかを見てみたいな。

俺の能力に合わせて完全調整された機構。そして消耗品が一切使用されていないパーツの数々。すべて新品同様の輝きを放っている。

正直俺はそこまで武器の開発にはあまり得意な分野ではないが一目見ただけでこれを設計し作り上げた存在がいかにすごいかがわかる。

だが明らかにこの武器とは関連性がない銃器のパーツ、そして不思議なメモリーカードが複数隠されるようについていた。

気になるが今はテュールの生活用の技手を作るのが優先だから後回しでいいか。

「マスター。きたよ…」

「ああ、俺もちょうど分解作業終わった……。え?」

俺はテュールの格好に絶句していた。

なぜなら下着姿だからだ。

「いや別に下着にならなくても別にいいんだぞ?お前の普段着以外は」

「私あの服しか無いからこうなるしかないの」

「そ、そうか。まあそこにいすがあるから座ってくれ」

「うん。マスター」

「さて、でははじめるぞ」

こうして俺はまずテュールの腕の重量を測った。これをしないと左右のバランスが崩れテュールの将来的に障害が残る危険性があるためだ。

「ん…はひっ!!」

そして体の体系や心音そして義手と生身を検査していくが驚くべきことがわかった。

実際は腕だけ機械化されているのではなく脊髄および心臓も機械化されていた。しかも体の傷を見る具合だと相当無茶な手術をしている。

と、考えているが、俺がテュールに触るたびになぜか妖艶な吐息がテュールから発せられる手いるためなんとなく集中できない。

そう考えながら検査を進めていった。

「はぁはぁ…、あふぅん……」

「さてこれで検査は終わりだが…なんで表情が崩れるんだ……」

「いや…男の人に体触られるのは、は、初めてだから…///」

そうだった。テュールは女性だったのを忘れてた。

「すまないな。その…今までこんなこと意識したことが無くてな」

「だ、大丈夫だよ!!それにマスターの触り方気持ちよかった……」

「ん?最後なんていったんだ?」

「な、なんでもないよ!!」

「そうかならいいんだが」

それにしても昔は補正を異性と認識していなかったからこんなことになってしまったな。次からは意識していかないとな。

「終わったからもういいぞ。それとまだいろいろとやることがあるから服着たら来てくれ」

「うん。任せたよマスター」

こうして俺はテュールを軽く見送った後、早速義手の製作を始めた。






―○●●●●○―






「よし、後は本人が試すだけだ」

夜中の二時を回ったころ。俺はテュールの義手を作り終えた。

実際物を一から作り出すのは困難だったが、彼女の義手のデータを見せて貰い完成が驚くほど早まった。本来なら一日の予定だったが六時間ですむことができた。

ちなみにデータ提供してくれた本人は…。

「すぅ~すぅ~。ましゅた~~」

机に頭を乗せてご就寝中だ。

それにしてもあのテュールの義手といいあの義手の整備装置といいとんでもない技術で作られている。

そして何より彼女のエネルギー源、あきらかに未知のものだ。しかもこの装備は見た目と状態から見ると何百年前に作られたかわかる。しかも傷の修復状況から見ると、この義手が作られたときに何か大きな戦いがあったこともわかった。

本人は覚えていないといっているがあの戦闘技術を見れば推測が確定に変わる。

「いったいこの少女に何を背負わせたんだこれを作った奴は」

俺はテュールと完成した義手を見ながらつぶやく。

「まあ、考えても仕方ない。それよりもこの銃のパーツとメモリーは…」

俺は分解した際に出てきた火器のパーツや移動補助パーツそして複数のメモリーカード。

なぜこんなものが隠されていたんだ…。

『おや、ご主人。もしかしてテュルりんのやつ完成したの?』

「主任か。ああ、完成した。後は彼女が実際に使って微調整するだけだ」

『さっすがー、ご主人。仕事が速いねぇ!!ってその火器のパーツどうしたの?』

「ああ、これはな……。」

俺はこのパーツについて一通り主任に話した。

『そうなんだ。実はご主人そのメモリーカードもしかしたらこの工房のセンターCPでわかるかもしれないよ?その読み取り口の端子もしかしたら読み取れるかもしれないからね』

「そうなのかなら早速試してみよう」

こうして複数のメモリーカードをセンターCPに読み取らせた。

すると――――。

《データインストール完了。これより神無月進のアップグレードに入ります。神無月進、手前のパネルに両手をつけてください》

「これ大丈夫か?」

『大丈夫だと思うよ。このシステムはご主人専用に作られているから』

「主任がそういうならいいが…」

そして俺が両手を先ほど出てきたパネルに添えると突然手から肘まで機械に覆われそこで俺に何かが流れ込んでいった。





―○●●●●○―





「これだよ!!私がほしかったこの腕!!」

朝、早速できた義手をつけて喜んでいるテュール。つけたときから好調でどうやら微調整の必要はないようだ。

「しかもこれちゃんと私の皮膚まで再現されているしちゃんと感覚まであるよ~!!本当にありがとう!!マスター」

「気に入ってくれて何よりだ。それとその腕にもうひとつギミックがあるんだ」

「え?まだ何かあるの?」

「ああ、テュール。お前がいつもつけているあの大きな義手をイメージしてみろ」

「わかったやってみるよ」

テュールがイメージした途端、右手が変形し何時もの戦闘用に義手になった。

「こ、これって…」

「実はな。俺の変形機構をベースに作った変形機構だ。いちいち付け替えるのも不便なのといつ戦闘になっても対応できるようにした。それと耐久度および攻撃力の向上にも成功している。以前よりも使いやすくなっている」

「本当にありがとう…っ!!マスター!!」

するとテュールが俺に飛びつきそのまま抱きついてきた。

まあ、それほどうれしかったのだろう。

「それで、もうひとつは何だ?」

「今はいいかな。これだけでうれしいよ!!」

「ならいいが、まあ何時でも言ってくれ」

「うん!!本当にありがとうマスター」

こうしてテュールは新しい手を手に入れより日常を楽しく過ごせるようになった。



















 
 

 
後書き
どうも革命者です。

すみません三日に一回投稿できればよかったんですが、急な仕事で更新が偉く遅れました。

最近自分に仕事が舞い込みすぎて第三者の介入があると思い始めてきました←(現実逃避しているだけ)

ですが失踪は絶対にしませんのでこれからも応援よろしくお願いします!!

ちなみにある意味予定なのですが原作三巻から、八巻目を除く原作十二巻間での章の話数が減ることがあります。

それでは次回のあとがきで会いましょう!!

ちなみに次はシンを取り巻くオリジナルキャラクターとクロスキャラクターの設定を挙げます。

次章予告はここでしますが…。


―○●●●●○―


「どうも異質な戦士殿。俺は堕天使の総督アザゼルだ」

「僕は、ただの臆病者ですぅ…」

「私は熾天使の一人ガブリエル。あなたと話したくて参りました」

「お前は一体何者なんだ?―――神無月進」

「もう、シンに頼ってばかりじゃいられないんだ!!だから…答えろ俺のセイクリットギアァァァァァァッ!!!」

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

『この力があれば私は堕天使の総督すら簡単に倒せるわ!!』

『貴様…その装備どこで手に入れた……』

『RASETU FORM』


次章。第四章:停止教室のヴァンパイア/転螺拳の火在輪






 
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