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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第二章 Lost Heros
  終末への戦い~管理者の戦~


「EARTH」本部ビル


そこから外に飛び出した理樹や一刀、メンバーたちが見たのは、上空に立つ巨大な人物たちだった。




「あの人たちは・・・・」

「最終決戦の時に見た人たち・・・だよね?たしか・・・・」





『我が名は・・・・・“ライクル”』

『“輝志”』

『“フォルス”』

『・・・・・“LOND”』



『此度の事件で、我らは知った。やはり最主要がこれほどの数、一つの世界にいることは不可能だった』

『混ざった世界は危険すぎる』

『管理者を一人に統一しなければならない』

『そこで、その女は逃げだしたのだ。出せ』




と、上空にいる各世界区分の管理者たちは一方的にアリスを出せと言ってきた。

が、そんなことを言われても「はいそうですか」と言って出すわけにもいかない。



統一するとはどういうことなのか。
何故アリスはこんなにも傷ついているのか。



それを知らないうちには、どうすることもできないのだ。





『・・・・・返答はどうした』

『黙ってないで、早く出してこい』




しかし、それを聞く前にもこうして彼らは催促してきている。



いったい何のつもりなのか彼らには、こちらの話を最初から聞く気などないようにも見えた。





「待ってください!!彼女は怪我をしています!!そんな彼女を・・・・」

『知るか。出せ』

「そんなことはできない!!!」




『ほう・・・貴様、まさかこの私に逆らうか?』

「なに?」




『直枝理樹。お前の世界の構成はほとんどが“輝志”で成り立っていたな』

「・・・・・らしいね」

『私はその管理者だぞ』

「だから僕よりも・・・・上だって言うのか?」

『貴様が生き残ったあの奇蹟は、私によるものでもあるのだぞ?』


「お前・・・・!!!」



『ふむ・・・勘違いしているようだから言っておきましょう。私たちは別に、お願いをしているのではないです。私たちは、命じているんですよ。わかっていますか?』

『我々は各構成を管理するもの・・・・お前らのその力、奇蹟、技術、混沌、日常は・・・・全て我らが与えたようなものだ』




「調子に乗るのもいい加減にしなさい!!!!!」




「アリスさん!?」

「だめだ!!あいつらあなたを・・・・」




そういって中に戻そうとする理樹たちを手で制して、ヨロヨロと出てきながらも姿勢だけは真っ直ぐにして、アリスが四人を見上げて言った。




「我々は「管理」するだけです!!その管理されたものをどう使うかは、彼らの力です!!!」

『またそれか・・・・』

『何度でもいうが、それは違う。我々が管理しているのだ。我々が与えたと言っても、間違いではあるまい?』



「それは傲慢です・・・我々はあくまでも「管理者」ですよ!!?神にでもなったつもりですか!!!!」



『そうだな』


「なっ・・・・・」



『我らはいわば、神だ。貴様が異端なのだよ、“No name”』

『我らと同じ立場にいながらも、そちら側を好み、そちら側に属する者よ』

『来い!我々は決めねばなるまい!!世界を統一する管理・・・否、神を決めるのだ!!皆で決めたことだろうが!!!』




「そのようなことは多数決で決めることではないでしょう!!!あなたたちは・・・・ただ世界を自分の手中に収めていい気になりたいだけだ!!!」





『そうして世界に関わっている貴様も同じではないのか?“No name”』

「ッッ・・・・・」


『下手に関わろうとするから、世界は揺れる。内心、お前も思っていただろう』

「ち・・ちが・・・私は・・・・」




『「the days」の最主要を駆り出し、戦いに行かせたのはお前だろうが。いまさらそんな善人ぶったことを言ってるんじゃない』

『自分は何もせず、ただ上に立つだけ。いる場所が変わっただけで・・・・貴様は我々と所詮は変わらぬよ』

『我ら五人で、最も先に生まれ・・・・そして最も罪深き“No name”・・・・・』

『如何な力もなく、しかし管理者は「不沈」とされた最強の“No name”。しかし、それは先代までの話よ。今、最初に消えるのは貴様だ!!!』





「!!!マズイ!!!」

「理樹!!!」

「わかってるよ!!!」





ゴォン!!!バリィ!!!!




叫んだ瞬間、理樹が巨大なバリアを張って“フォルス”の巨大な拳を受け止めた。


しかし、やはりなんと力強いのか。
その振動から、「EARTH」ビルの窓ガラスは割れたものの、バリアは少し振動しただけで一切退くことはなかった。



『む?逆らうか?』

「アリスさんは・・・・確かに罪を背負っているかもしれない!!でも・・・・・!!!」



「そのことすらも目を背けて、何もしない。ただ君臨することだけを考えているあんたたちよりもマシだ!!」



「そうだ!!」

「この人は一緒に生きるって言ったんだ!!」

「お前らみたいな勝手にやってろな奴なんかごめんだ!!!」




理樹と一刀の言葉に、皆が続く。



その声を実に鬱陶しそうに聞く四人の管理者たちだが、その顔からは嘲笑が消えない。




『ふう・・・まさかあなたたち・・・・私たちに勝とうとでも?』

「アリスさんの敵なら・・・僕らの敵だ!!」


『まさか戦いになるとでも思っていたのか・・・・愚かな』




瞬間




「え?そんな!!!」

「うっそだろ・・・・」





理樹のバリアが消えた。

“フォルス”の拳が障害物がなくなって、突っ込んできた。




「うおぁ!!!」

「わぁあああああ!!!!」



その攻撃を、アリスを抱えて回避する理樹と一刀だが、その顔は驚愕に満ちていた。


何もしていないのに、「薄緑」たる理樹のバリアが消えた・・・・?




消されたという感覚はない。
壊されたという感覚もない。



そうまるでその感覚は







こちらから消してしまったかのような・・・・そんな感じがした。








『貴様の世界の大半は“輝志”で構成されていた。貴様自身も、“輝志”なのだ。それを管理すれば・・・・その力、どうにでもできるわ』



「テメェ・・・・!!!!」



『北郷一刀!!貴様があの世界に行けたのは“輝志”だったか“フォルス”だったか?』

『どちらでもやれるだろう』




そう言った瞬間、一刀が展開していた何本もの剣が消えた。


そうして、見えない力に押しつぶされる。
見ると、理樹も同じようにへばりついている。




まさか・・・こんな・・・・!!!
まるで存在を抑え込まれたかのようなことをされるだなんて・・・・!!!





「バルディッシュ!!!」

『そのデバイスは完璧な“ライクル”だなぁ?』




ブシュゥゥゥゥ・・・・・





「え?きゃぁっ!!!!」

《申し訳ありません、サー。展開不可です》

「そんな・・・あぐっ!!」






そうして、フェイトも抑え込まれる。



が、彼らはそれでも四人にとびかかっていった。
だが、彼らに通る攻撃など、一つたりともない。


当然だ。
“ライクル”“輝志”“フォルス”“LOND”


このどれにも属さないとなれば、それは世界構築“No name”100%の世界だ。


そんな世界に、彼らと戦うだけの力があるとでもいうのだろうか?




「み・・みな・・・さん!!!」



「ひるむな!!」

「こいつらに・・・世界は渡せない!!!」




『鬱陶しいな・・・・わざわざ封じずとも、貴様らなんぞ・・・・・!?』





と、そこで“フォルス”が背後に迫る巨大な力に振り替える。
“フォルス”は腕を振るい、飛びかかってくるメンバーをまるで蠅を払うかのように落そうとしていた。
その背後から首を狙って、漆黒の翼をはためかせたクラウドが飛び切り掛かっていたのだ。



『チッ・・・この・・・』

『面倒だ。まとめて終われ』






ズシッッ!!!!





「オゴッ!?」

「う・・・あ・・・!!」

「い・・・・そんな・・・これは・・・・」





『お前らが立ち向かってきた「何か」・・・それはすなわち、全て我が“LOND”に通ずる。そうして「立ち向かう力」を持つ以上、貴様らの世界には必ず“LOND”がある。オレに逆らえると思うなよ?』




そうして、“LOND”によって彼らがまとめて押しつぶされる。






なにも出来ずにだ。








彼らは何もできず、管理者に手も触れずに倒れされた。





『管理者の話に、お前らが口を出すんじゃない』

『ふん・・・まあこれで邪魔も入らん。さあ、管理者で決めようか』

『その点に関しては感謝するぞ、”LOND”』

『・・・・・・・』




そうして、四人がアリスに迫る。



それを見て、数名の人影が「EARTH」の中に走って行った。




向かう先は、ただ一つ。




この状況を打破しうる、最も適任で、最も傷ついた人間の元へと。







to be continued
 
 

 
後書き

さて、今回の敵は四人の管理者ですね。


四人に攻撃そのものは普通に通ります。
しかし、彼らがそう念ずるだけで、そこに属した者はすべからず無力化される、という者でして・・・


こらそこ、深く考えないで!!!


考えたら負けや・・・


こまけェコタァいいんだよ!!!









すみません、取り乱しました・・・・



しかし、今回で全員が無力化。
戦えるのは、あの男のみ。



それを呼びに行ったのは無論、同じく"no Name"100%のあの子たち・・・



次回、銀白、最期の戦い



善と為り、悪と為り、どちらに属すること無き主人公の行く末は・・・・




ではまた次回

 
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