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Blue Rose

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第四十六話 対策その六

「大変なことになるから」
「そのことは念には念を入れて」
「私もあの娘のお姉さんもね」
「蓮見さんにお話して」
「注意してもらうわ」
 こう言うのだった、岡島にも。そしてだった。
 副所長は岡島自身にだ、微笑んでこうも言った。
「ただ、君はね」
「僕は?」
「蓮見さんを素直に受け入れられたわね」
「性別が変わることを」
「特に何も戸惑わずに」
「それは副所長もですよね」
「医学的には事例があったから」
 副所長の場合は医師としてだ、そうした事例が極めて稀でもそれでも受け入れられるのが彼女なのである。
「だからね」
「受け入れられたんですね」
「そう、私はね」
「そして僕は、ですか」
「私と同じ理由で受け入れられたのかしら」
 岡島もまた医師であることから聞いた。
「それでかしら」
「それもありますけれどそれ以前に」
「それ以前にというと」
「漫画とかであるお話ですからね」
 だからだとだ、岡島は副所長に笑顔で話した。
「ですから」
「だからなの」
「はい、アニメでも小説でもありますよね」
 性別が変わる、そうした話はというのだ。
「というかサイボーグとかアンドロイドとか変身とか」
「そうしたことがあるからなのね」
「別に何とも思いませんでした」
「それで秘密にも出来たのね」
「個人情報をばらす趣味はないんで」
 こうした考えもあってというのだ。
「それでなんです」
「秘密にも出来たのね」
「はい、実際に」
「君は素晴らしい人ね」
「そうですかね」
「そうしたことを自然に出来ることはね」
 まさにとだ、彼に話したのだった。
「素晴らしいことよ」
「そうですか」
「ええ、本当にね」
「僕は別にそうは思わないですけれどね」
「そう自然に思っていることがそもそもよ」
「素晴らしいっていうんですか」
「そう、滅多にいないわ」
 それこそというのだ。
「君位の器の人はね」
「別に器なんてどうでもいいですよ」
 まただ、岡島は副所長に笑って言った。右手を横に振りつつ。
「そんなのは」
「だからそう言えること自体がよ」
「素晴らしいですか」
「そうよ」
「まあ僕が素晴らしいとかよりも」
「蓮見さんのことね」
「はい、本当に真剣に考えてですね」
 岡島はこのことの方を言うのだった、自分のことはいいとしたうえで。
「やっていかないと」
「そうなるわ」
「やっぱりそうですね」
「ええ、私達がメインになるから」
「わかりました、じゃあ」
「お願いね」
 こう話してだ、そのうえで。
 二人は優花のこれからのことを真剣に話していった。そしてこれからのことを考えていくのだった。そしてその後でだ。
 副所長から優子に伝えられた、優子はその話を聞いた夜に優花に電話を入れて話した、そこでこう言うのだった。
「そうでなくても付き合う人のことはね」
「真剣に、よね」
「そう、考えないとね」
「駄目よね」
「世の中いい人もいれば悪い人もいる」
「そのことはわかったわ」
 優花もとだ、姉に答えた。
「本当にね」
「そうよね、ああしたことがあったから」
「ええ」
 衝夫達のことを思いだしつつ答えた。
「よくわかったわ」
「ではね」
「そうしたことも」
「考えてね」
「何かね」
 優花は深く考える顔でだ、電話の向こうの姉に言った。 
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