オズのアン王女
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第四幕その七
「そしてね」
「さらにですね」
「ウーガブーの国に行くわよ」
「わかりました」
「さて、どうもアン王女はね」
この人のこともお話したドロシーでした。
「さっきオズマからメールを受けたけれど」
「アン王女のことですね」
「ええ、チクタクとね」
ドロシーは今度は大尉にお話しました。
「二人で果物の森にいたそうよ」
「あそこですか」
「ウィンキーの北西のね」
「あそこは評判がいいですね」
そうした場所だとです、大尉はドロシーに答えました。
「いつも」
「美味しいってね」
「はい、よく言われています」
「私も何度か行ったことがあるけれど」
「美味しい果物が一杯あるんですね」
「凄くいい場所よ」
ドロシーはにこにことしてその森のことをお話します。
「だから行きたいって思っていたけれど」
「アン王女はその森にですね」
「いるわ」
実際にというのです。
「今ね」
「そうですか」
「ここからだと」
まさにとです、ドロシーは考えるお顔になって言うのでした。
「本当に一直線に行けば」
「うん、アン王女も一直線にこっちに向かえばね」
「途中で会うわね」
「そうだね」
トトがドロシーの手の中から応えました。
「そうなるね」
「ええ、それならいいわ」
「このままだね」
「行きましょう」
一直線にというのです。
「進路そのままよ」
「すぐに王女と会えそうだね」
「ええ、ただ自分で私達に会いに行くことは」
アンのこのことについてです、ドロシーはくすりと笑って言いました。
「アン王女らしいわね」
「そうだよね」
「あの人は待つことが嫌いだから」
「待つよりもね」
「自分が動く」
「そうした人だから」
それ故にというのです。
「今回もね」
「自分で僕達の方に行くんだね」
「そしてそれがね」
「いいんだよね」
「いつも自分でお国を見ているから」
その足で隅から隅まで見て回ってです。
「ウーガブーの国はよく治まっているのよ」
「そうなんだよね」
「それじゃあね」
「うん、行こうね」
「アン王女と会いに」
まずはそれからでした、一行は飛行船に乗ってそのうえで、でした。メリーゴーランド山脈を越えてなのでした。
そのうえで飛行船を降りて再び黄色い煉瓦の道に入るとです、大尉が皆に言いました。
「普通に行くと何もない道ですが」
「普通は、よね」
「はい、しかし世の中は何が起こるかわかりません」
こうドロシーにも言います。
「ですから」
「用心してよね」
「進みましょう、いざとなれば」
大尉は自分の腰にあるサーベルを見ました、大尉の自慢のそれを。
「これがありますので」
「サーベルですね」
「はい」
まさにとです、大尉はジョージにも答えました。
「これで難を逃れます」
「大尉のサーベルは敵を倒すものじゃないんですね」
「人を守る為のものです」
そうだとです、大尉は再びジョージに答えました。
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