魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
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第四十話 全てが堕ちていく
前書き
久しぶりですね、皆さん。
とりあえず、俺と同様に書いている皆様に聞きたいです……モチベーションを上げて小説を執筆したいのですが、どうしてもモチベーションが上がりません。どうすればいいでしょうか?というか、毎日書いている方はどうやってモチベーションを維持しているのか知りたいこの頃です。
学校から帰る道すがら、全は家の冷蔵庫にあまり食材が無かった事を思い出し、商店街へと向かう。
学校で商店街から苦情が来ているという事を聞いていた全だが、背に腹は代えられないのだ。
商店街についた途端、それぞれの店の店員からは白い目で見られる。
(やはり、過去が改変されている……一体、どうやって?)
野菜や肉などどれを買い揃えようかなどを考えながら、過去改変についても考えていた。
並列思考に関しては前世でもお世話になっており、度々使用していた為苦ではない。
それよりも過去改変の事である。
(過去改変をするなど、到底出来る事ではない。それこそ神様でもない限り、出来ない。かといってこの世界に神様のような力を持っている者などいないし、過去へ跳ぶなどという装置が開発されたなどという話も聞かないし……どうやって?)
足りない食材を買い揃えながら考え事を止めない。
その際に色々と言われているような気もしていたが全はそんな事など気にも止めない。
「おい、坊主」
「?はい?」
と、考え事をしていると明らかに野太そうな声がしたので考え事を一旦中断。全は前を見る。
そこにいたのはがたいが良い男。恐らく建築現場などで働いている男性なのだろう、着ている作業着と匂いなどを感じ取れば大体分かるからだ。
「お前さん、この商店街に色々と迷惑をかけているらしいな」
「はぁ……」
「直球で言わねぇとわかんねぇか?皆がお前が来た途端に嫌な顔をしただろうが。それだけで察しやがれ、坊主」
「そう言われましても……家に食材が不足していたので買い足しに来ただけなのですが……俺に餓死しろとでも仰るんですか?」
「そうは言ってねぇよ。そうじゃなくて、もうちょっと愛想よくしろって言ってんだ。お前、そんな不愛想な顔で買い物に来られても品物売ってる方からしたら不気味以外でもなんでもねぇんだぞ」
そういえば、と全は思う。全はさっきまで恐らく考え事の方に思考が偏っていた。
無論。食材の事も考えてはいただろうが、それでも不愛想な表情になっていたかもしれない。
それをこの男の人は注意してくれたのだ。
「すいません、ちょっと考え事に没頭していたようです」
「なぁに、いいさ。この商店街には色々とお世話になってるからな。あんまり迷惑かけんじゃねぇぞ?」
「はい」
男の人はいい返事だ、と言ってからその場を去っていく。
なんだ、こんな人もいるんだ。と全はこの商店街の暖かさを改めて知った。
家に帰り、食材などを野菜庫、冷蔵庫、冷凍庫などに分けて入れていく。
『マイスター。情報が整理出来ました』
「よし、話してくれ」
『はい』
食材などを入れていく傍ら、シンが纏めてくれた情報を全は頭の中で整理していく。
まず、一つ目。橘全という少年は店にクレームを言い続ける最低の子供だという事。二つ目。彼の両親はそれぞれに愛人を作り、それぞれ別れていった最低の夫婦で、全はそんな二人が捨てていった家で暮らしているという事。三つ目。こちらは管理局での話だが、今でいうP.T.事件と闇の書事件。それらで周りの被害も考えずバカスカと魔法を撃ち、周りに甚大な被害を出し続けたという事。
『今の所、分かっているのはこのくらいですね』
「もう一つ、抜けている……フェイト達の記憶が再び消えている、だろう……?」
『っ……はい』
やっぱりな、と全は肩を少しだけ震わせる。
『マイスター……なぜ、気づかれたんですか?』
「簡単さ……彼女達の瞳を見てみれば自ずと答えは出るからな」
そう、全は今日一日を通して彼女たちを観察していた。と言っても変態になったわけではない。
彼女達の記憶があるかないかを調べていたのだ。
そして観察していてわかった。彼女達……フェイト、アリシア、はやて、るい、アリサ、すずかには既に戻っていた記憶が再び消えている。
「そちらも並行して調べないとな……真耶にもどういう事なのか調べて貰ってるけど……」
真耶自身が言っていた事が気になる。
〈全、あまり期待するなよ。お前の運命岐路は私には見る事は出来ないんだからな〉
運命岐路。この名前を聞いた事ある者もいるだろう。運命は既に決められており、その道筋が書かれているといわれる碑文の事だ。
それにアクセスし、見聞する事が出来るのが真耶だという事になる。
しかし、なぜ全の運命岐路は見れないのか?
その答えに関しても真耶は全に言っていた。曰く、神憑となった人間は運命岐路から完全に外れた存在となるらしく、見たとしても何の役にも立たないかららしい。
だから、見ない。しかし、周りの運命は見る事が出来る為、そちらから真耶は調査するらしい。
「何か、いい結果が出るといいが……」
全はそう呟きながら、何を作ろうかと思案を続けた。
そして、翌日。本日は土曜日であり、全は今日は訓練と勉強に充てようと考えていた。
しかし、そんな考えは実行される事はなかった。
ピンポーン
「?こんな時間に来客?」
只今の現在時刻。9時。まだ遊ぶには多少早い時間だ。それにクラスでの自分の立ち位置を考えてもこんな時間に家に来るような人間に心当たりがなかった。
「はぁい」
全はドアの鍵を開けて、ドアを開ける。
「てめぇ!!!」
開けた瞬間、小さい女の子が全の胸倉を掴んできた。というか、ヴィータだった。
「な、なんだ突然?」
「なんだ、だと!?てめぇ、あんな事しといてよくもまあ、んな変な事言えんな!!?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。話が見えない。状況を説明してくれ」
「説明、だとぉ!!!!??」
ヴィータは全にとって身に覚えのない事で怒っているようだ。しかし、全にとっては身に覚えのない事なので説明してほしいのだが、当の本人が話を聞いてくれそうもない。
「落ち着け、ヴィータ」
「あ、シグナムさん」
ヴィータの後ろからシグナムがやってきた。
「あの、すいません。話が見えないんですが……」
「……橘、お前。昨日はどこで何をしていた?」
「は?昨日、ですか?昨日だったら……学校から帰る道すがら商店街によって食材などを買い足した後、家に帰ってそのまま一歩も外には出ていませんが……」
「それを証明できる人間はいないという事か……」
「あの、意味がわからないんですが……」
全からしたら早く状況を説明してほしいというのが本音だ。
「ああ…………今現在、お前には高町に対する攻撃並びに撃墜容疑が掛けられている」
「………………………………は?」
止まってしまった歯車が動き出す。それは最悪への始まり……全てが、虚構に堕ちていく……。
後書き
という訳で、上げて落とすという……自分、最悪?
いえいえ、この試練を乗り越えてくれないといけないんですよ、全君には。乗り越えた後、全君を理解してくれる人間がわんさか出てきますからね。具体的には八人ですね。内二人は全君の事を知ってます。後の六人は全君の記憶を見てといった感じですな。
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