サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ピッピピッ(機械操作するミドリ主任)
ミドリ主任:「、、、」
ミドリ主任は浮かない顔で
機械操作をしていた。
ミドリ主任:「、、、」
サトシ:「ミドリ主任、、ミドリ主任っ」(小声)
ミドリ主任:「ん?、、、サトシ君!」(小声)
サトシはミドリ主任と接触し、シルフ社員の
目を盗んでは人気のない場所に行き、
ヒロシも含めて状況確認をした。
エレク:「ビリッ」
(ひかりのかべを張るエレク)
ヒロシ:「エレクッ、
話が終わるまで頼んだぞっ」
エレク:「ビリッ」
サトシ:「、、あれ以来、ポケモン達は
どうですか?、、って言っても、数日前に
訪れたばっかですけど、、」
ミドリ主任:「特に大きく
変わった様子はないわっ。、、、でも、
シルフ社員の横暴な態度は
エスカレートするばかり、、」
よく見ると、ミドリ主任は
顔や右手にシップを貼っていた。
ヒロシ:「その手、、もしやシルフの奴らに?」
ミドリ主任:「えぇ、、ポケモンに実験を
強要するシルフに反抗したら、ちょっとね、、」
サトシ:「くっ!シルフの奴らめ!」
ミドリ主任:「シルフの社員は、
育成されたポケモン達を次々と本社に
送ってるわ、、。噂じゃ、どこかで
本格的にトレーニングをしているみたいなの」
サトシ:「トレーニングを?」
ミドリ主任:「えぇ、、噂だけどねっ。」
サトシ:「、、、」
ヒロシ:「それで、ミドリ主任は
さっき何をしてたんですか?」
ミドリ主任:「あぁ、私はさっき、
化石ポケモンの復活に取り掛かってたの」
ヒロシ:「化石ポケモンの復活?」
ミドリ主任:「えぇ、、昨日、シルフが
ふたご島から幾つかの化石を発掘したみたいで、
その化石をねっ、、」
ヒロシ:「ふたご島で、、」
ミドリ主任:「まぁでも、復活作業を
わざと長引かせて、シルフの作業を
遅らせてるんだけどねっ」
サトシ達が話をしていると、、、
ピンポンパーン(アナウンス)
アナウンス:「ミドリさん、ミドリさん、
至急、持ち場に戻りなさい。繰り返します、、」
ミドリ主任:「あっ、、そろそろ戻らないと」
サトシ:「ミドリ主任、、、」
ヒロシ:「、、、」
サトシ達はポケモン達やミドリ主任の事が
心配だった。
ミドリ主任:「あたしは大丈夫よ(笑顔)
それより、貴方達に
この子をお願いしたいのっ」
スッ(モンスターボール)
ミドリ主任はサトシ達に
モンスターボールを差し出した。
サトシ:「これは、、、」
ミドリ主任:「この子は
こないだのシェルダーよっ。
まだ療養中だけど、ここにいたら危険なのっ」
ヒロシ:「危険って?」
ミドリ主任:「この子はシルフの実験台に
されてから、ずっと体調がおかしくて、、。
こないだはサトシ君が助けてくれたから
大丈夫だったけど、あの後また
シルフの社員が来て、この子を殺そうと
したの、、、それも、他のポケモンの技の
実験台としてね、、」
サトシ:「なにっ!!」
ヒロシ:「技の実験台、、、」
ミドリ主任:「上手く誤魔化したから
大丈夫だったけど、誤魔化し続けるのも
時間の問題、、、。そろそろまた、
社員がこの子の様子を聞きにくるわっ。
だから、この子はあたしが他のポケモンの
実験台に使った事にして、貴方達で
匿って欲しいの!」
サトシ:「ミドリ主任、、、」
ミドリ主任:「”使えないと思ったポケモンは
捨てずに最後まで実験台として扱う”それが
シルフのやり方よ、、幸い、
まだ他のポケモン達は無事だけどね、、。
だからお願い!」
サトシ:「それがシルフのやり方、、、くっ!」
サトシは再び拳を握りしめた。
ヒロシ:「、、、わかりました!
このシェルダーは俺たちで預かります!」
サトシ達はシェルダーを受け取った。
ミドリ主任:「ありがとうっ、、、。
あっそれから、これも良かったらっ」
スッ(化石)
サトシ:「これは、、、」
ミドリ主任:「ポケモンの化石よっ、、。
持っていってっ。」
ヒロシ:「でも、大丈夫ですか?」
ミドリ主任:「大丈夫よっ。
他にもあるから、、(笑顔)
それに、シルフの手に渡る前に、
少しでも多くのポケモン達を逃がして
あげたいじゃない?だからお願いっ」
ミドリ主任はさらに、化石を渡した。
サトシ:「、、、わかりましたっ」
アナウンス:「ミドリさん、至急戻りなさい。
さもないと、今日もお仕置きですよ?
大好きなポケモンも一緒にね」
マダツボミ:「ツボ〜」
ミドリ主任:「!?」
アナウンス越しに、マダツボミの声が
聞こえてきた。
サトシ:「今の、、」
ヒロシ:「じゃあ、その傷はシェルダーを
守るために、、」
サトシ:「!」
ミドリ主任:「、、、気にしないでっ。
こっちは大丈夫だから、、(笑顔)
ここのポケモン達はあたしが守るから、
2人はこれからのポケモン達の事、お願いね!」
サトシ:「ミドリ主任、、、」
ミドリ主任:「じゃあ、私、行かないとっ」
サトシ:「、、、」
ヒロシ:「、、、」
2人は、ミドリ主任のポケモンに対する思いを
深く感じ、言葉が出なかった。そして、
ヒロシはアークの”ひかりのかべ”を解除した。
ミドリ主任:「それじゃあ、頼んだわよ!」
ミドリ主任は微笑むと、走って持ち場へ戻った。
そして、サトシとヒロシはアークの
テレポートで育成施設を脱出した。
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