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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第二章 Lost Heros
  彼に関して


ある街の一室。
「EARTH」が拠点として借りていた場所だか、本部の壊滅で今は機能のすべてが死んでいる。


そこに、クラウドと理樹、なのは、フェイト、海東、ユウスケ、愛紗、上条と、残った主力メンバーが集まっていた。
彼らが集まったのは、他でもない。「彼」を知るためだ。


何故あんなにも変貌したのか。
そのために、この場には二人の男が呼ばれていた。



「蒔風の知り合いさんたちか。なんの用です?」

「あなたに、訊きたいことがあります」




その二人は、蒔風の友人。

その中でも最も親しそうであった、佳景山と初原という人物だ。
二人が途中で買った缶ジュースを手に、そこらへんのテーブルに腰掛ける。




「蒔風の事で聞きたい?あいつがどーかしたのか?」

「ばっかお前聞いてなかったのか?あいつが敵になったからあいつの情報が欲しいって話だったじゃんかよ」

「おっけ、把握した」



そう言って、佳景山がどっかりと座り直して話を聞く。
まず、何を知りたいのかを。



「シュンは・・・・いきなり変わったりするような男か?」

「うーん・・・わからん」

「もし仲間を襲う事があったら、どういう事かわかる?」

「わかんねぇなぁ・・・・」

「・・・・なんでもいい。あいつの行動や、心境で分かるようなものがあったら・・・・」

「「わかんないよ」」




しかし、いざ聞いてみると、返答は「わからない」の一辺倒だった。
その返答に、理樹が眉をひそめる。


本当に何もわからないのかと。



「わかんないなぁ・・・・あいつのことは数年間一緒にいるけど、わからんな」

「だな。蒔風ってどんな人物?って聞かれても、「わからない」が一番合ってる」

「そ、そんなんで?」

「そんなんでも、あいつが楽しいことはわかってるし、オレたちは別にいいんだ」

「そしてあいつが何かするときは、必ずそれなりの理由がある。オレたちはそれを信じて敵になるだけだな」



「信じて・・・敵に?」



「そうだ。あいつのことなんてわかんねぇよ。ホントはすぐに泣く、精神的に弱い、臆病者だってのに、それを隠して強いと豪語してんだぜ?そんな奴の心境なんてわかんねぇな」

「それでも、オレらはそんなあいつを信じてる。だが、敵として立つならあいつは敵だ。あんたらに、そこまでしてあいつをしっかりと信じて敵になることはできるか?」



「それは・・・・」



「出来ないなら、あいつを理解することは止めておけ。やるだけ虚しいぞ」

「中途半端に知ろうとするくらいなら、しっかり憎んで、嫌い、敵になれ。じゃないと、そっちもあっちも辛いだけだからな」



そう言い残して、二人はその場を去って行った。
その背中に、なのはが叫んだ。


「あなた達の目の前に!!大切な仲間が他の仲間を傷つけていたという事実を突きつけられて!!それでもあなた達は・・・・・」


「許さんね。だが、信じもする」

「生ぬるい敵意ではない。本気での敵意だ。しかし、同時に信じる」

「それが・・・・仲間だ」

「なんとも・・・・まだまだぬるいね。「EARTH」のみなさん」




そう言って、今度こそその場を立ち去る二人。
残った者は、愕然とした。


「信じても敵?そんなこと・・・・」

「いや。彼らならやる。間違いなく」

「これが経験の差か・・・・考えてみれば、オレたちは蒔風と全然一緒に居なかったもんな」

「でも、その友人を以っても「わからない」なんて・・・・規格外すぎるよ」

「あいつが規格外なのは承知の上だ。だったら・・・・」



そこまで言って、クラウドが拳を握って言った。




「オレは徹底的に、あいつの敵になるだけだ」




そう言って、個人のモニターを目の前に開く。
回線を通して、他のメンバーに連絡を取るためだ。




『理樹・・・・俺は・・・・俺は!!!!』

「ま、真人・・・もう落ち着いて。気にしないで・・・・」

『理樹、悪いがオレも同じだ。オレたちはもうお前に顔向けできない・・・!!!』



理樹の元に開かれたモニターには、真人と謙吾が映っていた。後ろにはべナウィも見え、梨花と羽入を介抱している。


『俺たちはみんなを守れなかった・・・・もう、あいつを倒すまで俺たちは戻らない!』

「真人!!」

『守ってばっかじゃ、やられちまうんだよ!!』

『理樹、守るのも大事だ。しかし、攻めなければ守れる者も守れん!!』



「でも・・・そんな危険な!!」

「だが、一理ある」

「クラウドさん!?」



蒔風を追う側にまわるという二人の意見に、理樹は危険だと引き留めるがクラウドはそれに賛成した。
その確かに一理ある意見に、理樹がそれでも危険だという。


「攻めていくのには危険が伴う。だが、そうしなければおそらくシュンは倒せない」

「蒔風は追い、それでいて追われる、か。たしかに有効だな・・・・」

「でも・・・それは!!」

「確かに危険だ。いや、だからこそ、やらねばならないかもしれない」


「・・・・・」




「攻めるぞ、あいつを。もう逃げてばかりではいられない」









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「ダァッ!!」

「クッ!!!?」

「ハァッ!!!」



荒野にて。
蒔風に対して猛攻を仕掛ける一団があった。


「蓮華様、お下がりください!!」

「ここまで近ければ意味はない!!!私に構わず、行け!!」


それは、呉国の一団だった。
彼らは数が少ないが、その全員が武術の心得を持つものだ。


しかし、その彼らを以ってしても、蒔風の前には敗れていくのみ。
だが、今までと違うのは、倒してもとどめは刺さず、そのまま転がしているというところだ。



「お前らを相手にする必要はない!!!引け!!」

「そうはいかない・・・・北郷を消したお前を、我々が見逃すと思うか!!!」



すでに地面には先頭切って飛び出していった雪蓮を始め、穏、亞莎、明命が倒れていて、残った者が総攻撃を仕掛けているところだ。
だが、周りには何もない荒野。蒔風はその能力で周囲一帯を吹き飛ばすような攻撃で、まったく彼らを寄せ付けない。


「くっ・・・我々では・・・・ダメなのか!!!」

「引け引け!!おまえらじゃあ、役不足だ!!」


そう言って、再び絶光での衝撃を噴き出して一掃する蒔風。
その衝撃に全員が吹き飛んで地面を転がる。

そうして、蒔風がもう誰も起き上がらないことを確認してから、その場を去ろうとする。


しかし



《アクセル!マキシマムドライブ!!》



「!?」

「ハァッ!!!」



ドンッ!!!



仮面ライダーアクセル、照井竜のアクセルグランツァーが蒔風を後ろから襲い、それを腕で受け止めて、転がりながらもどうにか防ぐ蒔風。
そうして起き上がると、そこにはWの二人が立っていた。



「まさか、お前が皆を泣かせてやがったとはな」

「許さないよ。絶対に」



その二人に、蒔風が髪を掻きあげながら目を細める。
彼らはリストのターゲットだ。ここで狙わないということはない。



「そこの二人だけでいい。お前は帰れ、照井」

「そうはできん。お前のやっていることを見逃せるほど、オレはお人好しではないのでな」

「邪魔だっつってんだよ・・・・帰れ!!!」

「断る!!!」


「翔太郎、行くよ」

「ああ、フィリップ」


《サイクロン!》
《ジョーカー!!》


「「変身!」」



《サイクロン ジョーカー!!》





そうして、風都の仮面ライダーが立ちふさがる。
それに対し、蒔風が腰から何かを取り出す。

前回、観鈴やハクオロ達を一掃した原因だ。






ここから、蒔風からの、そして蒔風への攻撃が始まる。





to be continued

 
 

 
後書き

今回は誰もやられなかったから私一人だね!!


そしてきまりました、これからの行動が。
いままでは守りに出て、来たら撃退、そして出来れば追い詰めると言った形でしたが、ここから攻撃に転じます。


もしかしたら何か思惑があるかもしれない。でも、敵意は持つ。


彼らにそんなことはできません。
出来るのは一部の人間だけでしょう。前回のエルルゥのような。

だから、今一度決意を。
彼を敵だと、認識し直す回ですね。


そして次回はライダー祭り!!
ドンドン増援でやってきます。

さらに、蒔風が取り出したモノはなんなのか。


乞うご期待です!!


今回はリストなしです。



ではまた次回!!!

 
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