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サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜

作者:ドリ男
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オーキド研究所にて


サトシとヒカリは資料の場所から
少し離れたところで、思入れのある通信機を
見ていた。







サトシ:「この通信機、まだ使えるかな?」


ヒカリ:「うーん、、
さすがに使えないんじゃない?いまの時代、
多分この一台しかないわっ」



サトシ:「もったいないな。
ポケモンを転送出来たのに、、」



ヒカリ:「そうよねー」



サトシ:「、、なぁヒカリっ」


ヒカリ:「ん?」



サトシ:「夜な夜なルナトーンって何だ?」



ヒカリ:「うーん、、わかんないっ」



サトシ:「ヒロシに聞いてみるか!」


ヒカリ:「そうね!」




サトシとヒカリはヒロシの元へ向かった。




サトシ:「おいヒロシーっ、
夜な夜なルナトーンってなん、、、」



ヒロシ:「みんな、
ちょっとこれを見てくれっ」



サトシ:「え?」



ヒロシは3人に呼びかけ、みんなは
パソコンの画面を見つめた。



ヒカリ:「、、何これ?」



マリナ:「チーム、スワット?」



ヒロシ:「オーキド博士が結成した、
ポケモンの波動を調査するチームだよ」



カチッ(集合写真アップ)




サトシ:「ケンジにオーキド博士!」



ヒカリ:「ナナカマド博士も!」



マリナ:「それだけじゃない、、、
各地方の博士が集まってるわ」



ヒロシ:「それに、波動使いもや
研究員も何人か、、」



ヒカリ:「ねぇ、、一番奥の右側に居る人、
鋼鉄島で会ったゲンさんじゃない?」


サトシ:「本当だ!」



マリナ:「でも、これがどうしたの?」



ヒロシ:「オーキド博士達は波動を
解析するためルカリオや他のポケモン達を
使って調査してたみたいなんだけど、、」


カチッ(クリック)


ヒロシはさっき目を通した内容を全て
サトシ達に見せた。



サトシ:「波動を人とポケモンの為に、、」



マリナ:「ポケモンの波動?」



ヒロシ:「リオルやルカリオが持っている
力の事ですよっ。遠くの物を感知したり、
波動使い同士で会話したり、
技として発射したり、、中には記憶の投影も
出来たりするみたいだけど、その他にも
まだまだ秘密が隠されている能力です」


マリナ:「ふぅん、、で、それが
消滅事件と何か関係があるの?」


ヒロシ:「肝心な実験内容と検証結果だけ
ページが存在してないんです」


ヒカリ:「えっ?」



サトシ:「まだ実験して
なかったんじゃないか?」



ヒロシ:「いや、この写真を見てくれっ」



カチッ(クリック)


ヒロシは再び写真をアップした。



サトシ:「これは、、パーティ?」


アップした写真は、オーキド博士達が
研究所で(うたげ)を開いているものだった。


ヒロシ:「博士達の後ろに飾られてある
横断幕、、、チーム・スワットの
成功を示しているんだ」


写真に写る横断幕には、
”祝 〜生物波動学〜発表決定!Team.SWAT”と
書かれていた。


マリナ:「って事は、実験に成功したのね」



ヒロシ:「発表予定日は消滅事件から
二週間後、、結局、消滅事件が起きて
世間に発表は出来なかったけど、
この写真は世間に発表する前の写真だね、、」


ヒカリ:「じゃあ、実験データは、、」




ヒロシ:「、、、誰かに盗まれたって事さ」



3人:「!!」



実験データは誰かに盗まれていた。



ヒロシ:「消滅事件当日、オーキド博士が
最後にこのパソコンで開いたアイコンは
チーム・スワットとは関係のない論文だった。
そしてチーム・スワットのアイコンを
最後に開いた日が消滅事件当日から数えて
約三週間前、、。この期間に盗まれたなら
実験成果を世間に発表する前に
ニュースになってるはずなんだ。
でも、俺たちは当時そんなニュースを
耳にしていなかった」


サトシ:「何で盗まれたのに
ニュースになってないんだ?」



ヒロシ:「恐らく、オーキド博士は
盗まれたとは思ってなかったんだ」



ヒカリ:「えっ?」



マリナ:「、、、なるほど、、。
オーキド博士は犯人とも知らずに
”貸してしまった”のね、、、」



ヒカリ:「えっ、、」



サトシ:「それって、、」





ヒロシ:「、、そう。オーキド博士から
事件データを盗んで行った犯人は
オーキド博士と共に研究し、側にいた
チーム・スワットの誰か。何かの理由をつけて
借りた後、そのままチームから姿を消したんだ。
データをコピーせず、博士のパソコンから丸ごと
実験データを持っていったとこを見るとね」


ヒカリ:「じゃあ、チームリストを
調べれば犯人が浮上するんじゃない?」



ヒロシ:「俺もさっき調べてみたけど、
チームリストも消されている。
今の所、手がかりはあの集合写真だけなんだ」



サトシ:「そんな、、」


マリナ:「さっきの写真には博士達以外に
複数の参加者がいたものね、、。
誰がどこにいるのか分からなければ、
情報を集めるのも難しいって事ね」


ヒロシ:「博士達が研究していた内容が
消滅事件と関係しているものだったら、
消えたポケモン達の行方も掴めるかも
知れない、、」


ヒカリ:「なら、パソコン以外の情報を
探しましょ!こんだけ色んな資料の山が
あるんだから、きっと何か見つかるわ!」



サトシ:「そうだな!
資料の山を持って行ける分だけ
サイドンロボに詰め込もう!」



サトシ達が資料を持って行こうとすると、、





ウゥーッ(サイレン)



どこからかサイレンが聞こえてきた。



ブロロロロ(バイク)

ファンファンファンッ(サイレン)




ヒカリ:「こんな夜中に犯罪かしら?」



サトシ:「バイクの音もする、、暴走族か?」


ウゥーッ(サイレン)



ヒロシ:「、、いや!聴こえてくる場所は
研究所のすぐ外だ!」



サトシ:「なにっ!?」



ヒカリ:「それってつまり、、、」



マリナ:「あたし達、バレた訳ね」



スッ(研究所内を見渡すヒロシ)



ヒロシ:「、、あれは!」


ヒロシは防犯システムを発見した。
知り合いの研究所という事もあり、四人は
防犯システムの存在をすっかり忘れていたのだ。




 
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