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Three Roses

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第三十話 論戦に向けて十一

「その通りです」
「そうだったのですね」
「四国の為にはですね」
「ロートリンゲン家の統治よりも我々自らが治める方がいい」
「そう思われるからこそ」
「王妃様も動かれたのですか」
「マリーお姉様の大事な時でもあります」
 彼女のことについても言及した。
「ですから」
「確かに。マリー様もです」
「今ここで敗れれば」
「そのお力を大きく失いますね」
「そしてそこからです」
「ロートリンゲン家はさらに入りますね」
「既にかなり入っています」
 今の時点でというのだ。
「四国全てに」
「そうですね、気付けばです」
「多くの貴族や僧侶、学者が手懐けられています」
「まさに何時の間にか」
「そうなっています」
「ですから、マリーお姉様をお助けします」
 必ず、というのだ。
「マリアお姉様と共に」
「それではです」
「その様にしていきましょう」
「論戦についても」
 側近達も応えた、そしてだった。
 セーラはマリーの論戦での彼女の思い通りにいくことを半島から祈った、それはマリアにしても同じであり。
 礼拝の後部屋に戻り侍女達に言った。
「後は」
「はい、マリー様がですね」
「どうされるかですね」
「その結果が出る」
「それだけですね」
「ええ」
 マリアはその通りだと答えた。
「それだけよ」
「ですね、後は」
「マリー様は丹念にことを進められてきました」
「学ばれていたそうですし」
「それもかなり」
「論戦は学問の戦い」
 マリアは強い声で言った。
「マイラ姉様も学問はお好きだけれど」
「マリー様もですから」
「この論戦は」
「それ故にです」
「かなりのものになろうともですね」
「血は流れない」
「政治でもありますね」
「そう、学問は政治にもつながるわ」
 マリアは真剣な顔で述べた。
「時としてね」
「そしてそれは今ですね」
「我等の祖国で行われるものですね」
「その結果次第で国の未来が決まる」
「それだけに」
「そう、マリーの思惑通りにいけば」 
 マリアはこの場合について言及した。
「私達はエヴァンズ家の下に統合されるわ」
「四国がですね」
「その全てがですね」
「再び一つになる」
「そうなりますね」
「そう、けれどマイラ姉様が勝たれれば」
 その場合についてもだ、マリアは話した。
「この国、四国全てがね」
「エヴァンズ家のものでなくなり」
「この国の民のものにもですね」
「なりませんね」
「その様になってしまいますね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「そうなってしまうわ」
「ロートリンゲン家ですね、やはり」
 側近の一人がマリアに述べた。
「あの家のものになりますね」
「マイラ姉様のお子が出来れば」
 その場合はというのだ。 
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