FGO ~沖田さんレポート~
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レポート 01
皆さん、初めまして。私は幕末の天才剣士こと沖田総司です。
作品紹介のところにちゃんと原作は書かれているので、私がどういう沖田総司なのかは理解していただけてますよね? まあ理解してなくても話は進めちゃうんですけど。
私は今とあるカルデアからこの話を書いています。実況していると言った方が正しいかもしれませんが、細かいところは正直どうでもいいですよね。
あっ……ただこれだけは説明しておきます。この話を書いていることになっている作者さんは私を召喚出来ていませんので私の口調におかしいことがあるかもしれません。なのでそこだけはご容赦してあげてください。しない方は即時バックしていただくか、また同作者さんの別の作品を読んでもらえると沖田さんとしては嬉しいです。
「さて、外部への語りかけはこのへんにしておきましょう」
私はただいまこのカルデアのマスターの部屋へと向かっております。どうしてかと言いますと……ここのマスターさんはひどい方なんです。
Fateシリーズで好きなサーヴァントは誰ですか?
と質問されたら「俺は沖田かな」と答える人なんですよ。にも関わらず……沖田さんを持っていないんです!
まあ確かに常時設置されているガチャに私は入っていません。何で入っていないんだ、と思った方は私でも作者でもなく運営に聞いて下さい。ただこれだけは言っておきます。私はそう簡単に釣られるような尻軽ではありません。
マスターの話に戻しますが、私がピックアップされていた期間も今や昔です。昨年で放送された年末のFGO特番で私や私のライバル扱いされている某アーチャーが戦うアニメが製作、なんて期待を抱かせる映像があったりもしました。
それを除いたとしてもドラマCDなどでちょくちょくお仕事はしています。にも関わらず、《ぐだぐだ新選組》は一向に実装されませんし、《ぐだぐだ本能寺》の復刻もない。現状イベントの復刻が続いていますが、この流れで本能寺もやるべきです。
「いや……この祭本能寺はどうでもいいです」
私だけのピックアップだけでもやるべきでしょう。そうすれば多くのマスターがガチャを回すために課金……こほん、私に愛を注いでくれるはず。注がない人は別に構いません。人にはそれぞれ好みというものがありますから。ただ私よりもノッブだとか言う人には無明三段突きですよ♪
話の続きをしますが、ここのマスターはまだFGOを始めて1か月ほど。なのでこの沖田さんを持っていないのも仕方がないと言えば仕方がありません。私やFGOに出るために設定が変わった私――沖田オルタが出るガチャが出た際は課金してでも回しまくるそうです。
「え……課金って言葉を使ってる? 何を言ってるんですか。ここのマスターの考えなんですから濁す必要はないでしょう」
なので沖田さんが復刻されたり、ニュー沖田さんが実装された際は沖田さん大勝利~!
沖田さんを召喚することが出来たマスターも戦闘やマイルームで沖田さんと一緒に過ごせるので大勝利。つまりWin‐Winの関係です……え、私のステータスはセイバーとは思えない? アサシンの方が合ってるだろうですって?
「はは……ハハハ」
仕方ないでしょうが!
私だって好きで今のステータスになってるんじゃないんです。運営とか偉い人が決めたんです。私のせいにしないでくだ――コフッ!?
…………。
………………ここからは少し落ち着いて進めています。
別にテンションが高すぎるとすぐに吐血とかして話せなくなる、なんて気にしてるわけじゃないですよ。まだ召喚されてもいないカルデアを血で染めるわけにはいかないと思っているだけで。
「さーて、目的地であるマスターの部屋が見えてきましたね」
マスターの部屋に向かっている理由の説明の途中だったと思いますが、それはすぐに説明しますので少々お待ちを。
――むむ、何やら中から話し声が聞こえてきますね。これは……ひとりはマスターで間違いないでしょう。もうひとりは……
『急に来たりしてどうしたんだ?』
『いやー、何だかこの部屋に居ると落ち着くのよね。ねぇマスター、このあとってまたどこかに行くの?』
『しばらくは休憩するつもりだ』
『なるほど……じゃあうどんでも食べに行かない?』
……ほほぅ、なるほどなるほど。これは間違いなく最近実装されたばかりの☆5セイバーの宮本武蔵さんじゃないですか。聞き間違いじゃないかって?
いやいや、聞き間違えるはずないでしょ。だって和風セイバーというだけでも同じなのにレアリティも私と同じ☆5。しかもバスター3枚の攻撃型にも関わらず、ヒット数が2倍になるスキルのおかげでNP回収も十分に備わっている新参者。そして何より……
「沖田さん、沖田さんと崇めていた私のファンを奪い去って行った女狐なんですから!」
というか、皆さんも皆さんですよ。
ずっと私がほしいだとか言っていたくせに武蔵が出た途端に武蔵武蔵って……そりゃ美人なのは認めますよ。それに剣の腕だって沖田さんには敵わないにしてもそこそこありますし。それに胸だって大きい方ですし……
「しかし……しかしですよ」
沖田さんがほしいと口にしておきながら常に武蔵を使い続け、挙句の果てにはマイルームも武蔵で固定。これは完全に私への冒涜ですよ。というか、マスター分かってます? これは私に対する浮気ですよ。浮気!
そりゃ……この武蔵はマスターがFGOを始めてすぐのピックアップの時にスタートダッシュキャンペーン的なものでもらった石と集めた石で10連して、それでダメだったからどうせ無理だろうと思いつつ余っていた石で単発したら召喚されたらしいです。
最初に引けた☆5なだけに運命的なものを感じるのは分かります、分かりはしますよ。私だってFGOの事情はそれなりに理解していますから。でもだからといって武蔵と常に一緒というのはどうなんですか。本当に私が好きなら私が復刻されるその日まで我慢してくださいよね。
「というか……あの武蔵って女も何なんですか」
好きなものは美少年とか言いつつ、濁して剣だとか答える。
最近マスターに見られてる気がする……剣じゃなくて私の体にも興味があるのかしら? ならもっと鍛えないとね。みたいな天然っぽい発言をする。
と思いきや美少年を好きだとは認めながらも男女の関係は苦手だと鈍感ではないことをアピールする。その理由は、仏様が所帯を持つと剣の切れ味が鈍ると言ったから。所帯を持ったくらいで切れ味が鈍るわけないでしょう。それで鈍るのならあなたの剣に掛ける想いが鈍っただけです。
挙句の果てには……自分の方が先にマスターへの想いを持ってしまい、色んな煩悩を持つようになる。なので頭を冷やすために滝へと向かう。しかし、マスターのことが嫌いじゃないということはしっかりと伝える。
「冷静に振り返っても面倒臭いというか、どれだけ男心をくすぐる発言してるんですか!」
マスターのことが好きなら好きとストレートに言えばいいでしょ。あぁ……何だか無性にイライラしてきました。今すぐ部屋の中に入ってあの女に無明三段突きでもやっちゃいましょうかね。そうすればこのイライラも少しは収まる気がしますし。
……マスターはどうするのかって?
そんなのも決まってます。何もしませんよ。だってマスターには私のことをいつか召喚してもらわないといけないじゃないですか。
加えて私が入手した情報によれば、これを書いている作者さんがFGOを題材にした作品も書きたいそうなんです。となると、このままではメインヒロインが武蔵になる可能性が大。それは私としては許すことができません。この作者さんは自分が持っていない子はヒロインにしない方でしょうから。
故に今ここで邪魔な存在だけ排除しちゃえば武蔵がメインになることはありません。また私がきっといつの日か復刻されるはずなので、その時に本気で引いて私がこのカルデアに舞い降りる。そうなればパーティーもマイルームも私が独占。FGOでの作品のメインヒロインも私になるでしょう。
「なので沖田さん大勝利!」
皆さんだって武蔵よりも私がメインヒロインの話が読みたいですよね? あっ、別に答える必要はないですよ。皆さんの気持ちは聞かなくても分かってますから。
おっと……残念ですが今回はここまでのようです。私は今はここに召喚されていない存在なだけに長く留まることはできない。
まあ本音を言ってしまうと、FGOを書く練習的な意味合いで書いたりもしているので長く書こうとしてないだけなんですけどね。話してるのもほぼ私ですし、どういう構成で書いていくかとはまだこれといって決めていないそうなんで。
というわけで皆さん、またいつかお会いしましょう。
お会いするのがここなのか、皆さんのカルデアなのかは分かりませんが、私は皆さんにまた会える日を楽しみにしています。
「では、また――コフッ!」
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