| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

機動戦士ガンダム・インフィニットG

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三話「ゼータガンダム」

 
前書き
ガンダムVSゼータガンダム! 

 
そして決闘当日。アリーナには全一学年が見学に来ている。観客席の中には一夏や隼人達の姿が見えた。ちなみにMSでの決闘は、銃兵器はペイント弾、ランチャーやビームサーベルは立体映像を使用し、触れれば得点が増え、それが何点かヒットすれば勝ちとなる。
「頑張れよ?アムロ!」
「お前のガンダムの凄さを見せてやれ!」
「カミーユに負けるなよ?」
そう応援し、彼らはアムロの勝利を願った。
『アムロ、ガンダムは何時出せる?』
オペレータールームで明砂の通信が聞こえた。丁度今ガンダムを装着したところだし、何時でも出せれる状態だった。
「ああ、何時でもいいぞ……」
『わかった!じゃあ行くね?……RX-78-2・ガンダムカタパルトセットスタンバイOK!発進どうぞ!』
「……ガンダム、アムロ行きまーす!」
カタパルトからガンダムは飛び立ち、上空へと浮遊していた。そして対峙する目の前にはゼータガンダムが浮かんでいる。
「ゼータガンダムか……敵わないかもしれないけど、勝ちたい!」
「俺がアムロと互角だなんてどういうことだ……わからないが、勝ってやるぞ!」
先に先手を取ったのはカミーユであった。ゼータガンダムは飛行形態ウェーブライダーへと可変してこちらへ突っ込んでくる。
「来た……!?」
ビームライフルで迎え撃つも、ウェーブライダーとなったゼータは僕の素人レベルの射撃を避けながら突っ込んでくる。
「甘い!」
そして、射程を定めたウェーブライダーはビームライフルを放ち、追い詰められた僕に迎撃の手を許さない。そして、ウェーブライダーは衝突寸前にゼータ―ガンダムへ姿を戻すと、サーベルで斬りかかってきた。
「落ちろぉ!」
「くそぉ……!」
間一髪でシールドによってゼータのサーベルは防がれた。
「つ、強い……!」
『アムロ! ビームサーベルで振り払って!?』
「……!」
明沙の声に、僕は背のバックパックからビームサーベルを引き抜き、これでゼータのサーベルを振り払うと、僕はビームサーベルを振り下ろして、双方のサーベルが刃を交えた。
互いのビームサーベルが重なると共にバチバチと弾ける音が飛び散る。しかし、何度も言うが僕は素人、接近戦の腕前はカミーユの方が上だ。いくら、僕のガンダムが白兵戦に優れているといっても、所詮は装着者の操縦技術に委ねられる。
案の定、僕はゼータの激しいビームサーベルの猛攻にさらされてしまい、それをサーベルで受け止め、切り払うだけで精いっぱいであった。
「チャンバラごっこはおしまいだ!」
ゼータのバーニアの太い足が僕の腹部を蹴り上げて距離を取った。
「くぅ!」
「どうした? かかってこいよ!?」
――中途半端な距離だと負けるのか?
一旦、十分に距離を取って僕はビームライフルで反撃に出るが、機動力の高いゼータガンダムは僕の攻撃をアッサリと交わす。
『ダメ!アムロ、距離を取ったら危ないよ!!』
「なんだって……?」
突如明砂の通信を耳にすると、ゼータガンダムは自分の背丈よりも巨大なメガビームランチャーを取り出し、それを撃ち放つ。
「危なっ……」
ランチャーのビームを盾で受けるが、ヒット数が増えてしまい、盾は使い物にならなくなっていた。
『ゼータガンダムは重火器を多く使用しているの! 十分注意して!』
「でも、どうやって?」
『大丈夫! ガンダムは白兵戦用MSだから、接近戦に立向けていると思うよ。今ガンダムの特殊武器を送るね。転送まで時間がかかるからそれまで何とか持ちこたえて!』
「わかった!出来るだけ早くしてくれ……」
MSはオペレーターに指示を送り、兵装を転送して装備を変更することが出来る。本来ならば数秒で転送できるものの、ガンダムの場合、それも特殊武装というので転送にはやや時間がかかるのだ。
『カミーユ、相手は接近戦しか手立てはないようよ。距離をつめられないよう気を付ければ勝てるわ』
一方、ゼータガンダムのカミーユはオペレーターのファから情報を受け、彼はふたたびハイメガランチャーをガンダムへ向ける。
「何だ、接近できなかったら逃げ回っているしかないな?」
メガビームランチャーはエネルギーが尽きるまでガンダムを襲う。
「くぅ……持ちこたえろって言ったって……うわぁ!?」
ランチャーの正確な射撃にガンダムのバックパックをやられた。実戦なら飛行不能に陥るのだが、ランチャーのビームはホログラム。だからヒットが増えるだけだがその攻撃で多くのヒット数を受けてしまった。あと二、三回小技の攻撃を受けたら僕の惨敗になってしまう……どうする!?
「どうした!その程度かよ!?」
そのとき、ゼータガンダムのライフルが放たれる。ランチャーをチャージしているのか、その間にライフルで接近を防ごうとしている。
「駄目だ……下手に近づけば当たる! 明砂、まだなのか!?」
『ごめん! 後少しで送れるの』
「少しってどれくらい?」
『あと二分ぐらい、大丈夫! 信じて!!』
「信じるって……そんな!」
「逃げ回っているだけで精一杯かよ!」
なおもゼータガンダムの猛攻は続く。くそ!どうする?どうするアムロ!?このままじゃなす術もなく負けそうだ……負けたくない!絶対に!!
「どうすれば……」
「ほら!落ちろ!?」
「くぅ……!」
「避けてばかりだと俺には勝てないぞ!?」
「うるさい! 反撃はこれからだ!!」
「じゃあしてみせろよ!?」
「うぅ……どうすればいいんだよ……!?」
『アムロ、今から特殊武器を送るね!』
「明砂……!?」
そのとき、ガンダムの両手にはある特殊武器が転送された。それは、鎖に繋がれた巨大なイガイガの鉄球……? な、何じゃこりゃ!?
『アムロのお父さんが作ったガンダムの兵装のなかで最強の威力を与える物理的兵器、その名も「ガンダムハンマー」だよ!』
「が、ガンダム……ハンマー……?」
僕は、そのちゃっちい特殊武器を目に悲しくなった。こんな鉄球で可変形MSに勝てると思っているのかよ!親父、絶対ふざけて作っただろ!? 
「ハッハッハ! そんな鉄球で何が出来るってんだ?」
「く、くそ~……バカにするなよ!? ガンダムがただの白兵戦用モビルスーツじゃないところを見せてやる!!」
僕はハンマーをがむしゃらに振り回してゼータガンダムへ突進する。こうなったらやけだ!!
「そんな攻撃……くらえ!」
ゼータガンダムの両腕からグレネードが放たれた。
「こんなもの……!」
僕はハンマーのチェーンを振り回して円を描き、それをゼータに向けて盾にする。
すると、襲い掛かるグレネードは遠心を描くチェーンに衝突して爆発し、ハンマーとチェーンは無傷であった。
「な、なにっ……!?」
侮っていたと、カミーユはチャージをし終えたランチャーで今度こそトドメをつけるのだが……
「させるかぁ……!」
僕は引き金を引かれるまえにハンマーを投げつける。すると、ハンマーは一直線に突っ込み、ゼータガンダムが持つハイメガランチャーを弾き飛ばしたのだ。
「な、何だと!?」
「これでも……!」
そしてゼータガンダムへ接近し、ハンマーを振り下ろす。
「くらえぇ!!」
「うわぁ!」
ハンマーはゼータガンダムの肩部に直撃し、大打撃を与える事が出来た。そしてもう一発!
「倍返しだぁ!」
僕は叫ぶとともにハンマーを横に振り回す。ハンマーは次にゼータガンダムの脇腹を直撃、ヒット数は僕と互角になった。
「まだまだぁ!」
後一発当てれば勝てる!これで最後だー!!誰もがそう思っていたが、しかし……
「タイムオーバー! 戦闘終了! 勝者ドロー!」
「「なに!?」」
僕とカミーユは同時に叫び、少々納得のいかない終わり方で勝負は終わった……
その後、僕はやりきれない気持ちでいっぱいだった。ドッグへ戻り明砂と会う。
「すごい! アムロ!? ガンダムハンマーを使いこなすなんて」
「そんな……僕は別に」
「でも、引分けだって? 惜しかったね?」
「うん……でも、負けるよりかはマシだろ? ハンマーのおかげで助かったんだから、一様……ありがとう」
僕は照れ臭くなり、モジモジしながらこれだけは礼を言った。
「アムロ……」
初めて聞いたアムロの礼に明沙はつい嬉しくなった。
「うん! ……うん! うん!! 私の方こそありがとう!」
「あ、ああ……」
「アムロ……」
「カミーユ?」
そんな中、僕の後ろからカミーユと、彼の後ろからファも来、僕らの元へ歩み寄ってきた。
「……俺の負けだよ? 悔しいけど、お前は凄いよ……お前のガンダム凄いな? 見下したりしてごめんよ?」
そこまで言われれると、僕も逆に申し訳なくなってくる。
「……別にいいよ? それに、僕は凄くない。ハンマーがなければ僕は今頃負けていた。むしろカミーユの方が格段上だよ? ハイメガランチャーの威力は半端なかったよ?」
「そんな、俺のほうが兵器に頼っているだけだから……」
僕らは控えめに言いあいながら和解し、カミーユは僕の友達の一人となった。
「仲直りは済んだか?」
僕たちの後ろから一人、担任のマット先生が現れた。
「先生?」
カミーユは先生の方へ振り向く。すると先生は微笑みながらこう言った。
「カミーユ、アムロと戦ってみてどうだった?」
「……正直、俺の負けです。先生がおっしゃったとおり、俺はまだまだ未熟者です。むしろアムロの方が凄いくらいですよ」
「そ、そんな……僕はただ」
「それでいいんだよ? それで。こうして和解すれば気持ちがいいだろ?」
「先生、それと……失礼な態度をとって本当にすみませんでした」
カミーユはそうマット先生にも詫びるが、先生は気にしていない様子だった。
「気にするなって? 俺はお前達が仲直りしてくれたらそれでいいんだ♪」
「先生……」
僕は、こんなに先生は珍しいと思った。僕がこれまで知る先生は傲慢で威張って何時も成績の悪い生徒達を見下している。それに比べてマット先生は軍人なのにどの生徒にも優しく、自分は何を言われようと、生徒のために頑張ってくれる。今どきの民間人の変な教員よりも軍人でこんなに温厚なマット先生がとても人間らしく見えた。

それから数日後、僕も少しずつMS学園に馴染んできた。カミーユともいい調子で仲良くできている。たまに短気も起こすが、根はやさしい奴だということも分かった。明砂も、コイツの幼馴染のファとは親友になれたようだし、これで一見落着かな?
「はーい、席に付けよ?」
チャイムが鳴って僕らは席に着く。そして今日はマット先生から特別な知らせがあると聞いて僕らは真剣に聞いた。すると?
「突然の申し出が飛び込んできてこちらもとまどっているようであるが、少し落ち着いたようなのでお前たちに話しておこう?」
「何だろ……?」
僕は首をかしげて先生の本台を聞く。
「学園の中から代表者を選び、彼らを「IS学園」へ派遣することにしたんだ」
「え、えぇ!?」
え、どういうこと!?どうしてIS学園に僕らが代表になっていかなくちゃいけないの!? ま、まぁ……どうせ僕は選ばれないだろうけど?
「それじゃあ代表者を発表するから呼ばれた生徒は放課後職員室へ行くように? それじゃあまず一人目、カミーユ!」
「な、何だって!?」
「すまないが、拒否権は無いらしい? 風邪でも引かない限りはな?」
「そ、そんな……!」
カミーユ、お前は良い友だったがこうなったらどうしようもない。悪いが諦めてくれ!
「次、ジュドー・アーシタ」
「何とっ!?」
ジュドーは立ち上がって驚く。お前もつくづく運の悪い奴だな?
「三人目は、織斑一夏!」
「は、はぁ!?」
一夏か、コイツも運はあまり良くない奴だったな? あばよ、まぁ元気に行ってこいや?
「さて、続いては凩隼人!」
「えぇー!?」
隼人もか……親しい友人がしばらくの間居なくなるのは寂しいが、まぁ気を付けてな? あれ、該がヘラヘラ笑っている。きっとコイツは選ばれた人間の顔を見て笑っているんだろう? 何というか、嫌味な奴だよ全く……
「よし、じゃあ紫電該!」
ズドンッ!
該は勢いよく椅子から滑り落ちた。余裕で笑っていたというのに、このリアクションか?「はい、じゃあ次は……嶺アムロ、以上だ!」
「……」
……え? 先生? マット先生?? 今何て言ったの!? ねぇ!! 今何て言ったのですか!? 嘘って言ってよ!?
「それじゃあ呼ばれた六人は今日の放課後、職員室へ来るようにな?じゃあ!」
そういって先生は教室を後にした……どうして?どうしてこうなった??
「……え?」
僕はただ呆然と席に座っていた……


 
 

 
後書き
次回、「IS学園」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧