Three Roses
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第二十八話 再会した薔薇達その九
「人が揃っています」
「だからですね」
「勝ち過ぎは求めずとも」
「それはまずない」
「そうなのですね」
「はい、引き分けが理想にしてもそれはあくまで理想で」
そうしたものと考えて、というのだ。
「負けない様にし如何なる結果になろうともです」
「それからのこともですね」
「考えていくのですね」
「そしてそのうえで」
「論戦の用意を進めていきましょう」
「是非」
マリーは来たるべき論戦に備え打つべき手を全て打っていた。そのうえでそれぞれの結果の後も考えていた。そしてだった。
セーラ、そしてマリアからの文を受け取った。政治には疎い侍女達は二人から頻繁に来る手紙を見てマリーに言うのだった。
「今日もお手紙が来ています」
「お二方からです」
「こちらにお持ちしました」
「如何されますか」
「読ませて頂きます」
マリーはいつも通りこう答えた。
「是非」
「わかりました、それでは」
「どうぞ」
その文達をマリーに差し出してだ、マリーは読んだ。そのうえで側近達にその文のことを話したのだった。
「今日もでした」
「セーラ様、マリア様からですか」
「文が届きましたか」
「そうなのですか」
「はい、そして」
マリーはさらに述べた。
「返事をしたためました」
「では後はですね」
「そのお返事を送る」
「お二方にそれぞれ」
「そうされるのですね」
「そうです、二人共こう言っていました」
マリーは微笑んでロドネイ公達に話した、文の内容のことも。
「何かあればです」
「その時はですか」
「まさにと」
「力を貸してくれるとのことです」
二人共、というのだ。
「そう書いてありました」
「お二方がですか」
「それぞれですか」
「いざという時にですか」
「お力をですか」
「そうです、ですからその時はです」
まさにというのだ。
「連絡をして欲しいとありました」
「そうですか、では」
「その時はですね」
「王女様もですね」
「お手紙を」
「書きます」
実際にというのだ。
「そうさせてもらいます」
「そうですか、では」
「その時はすぐにです」
「あちらにお送りします」
「島国にも半島にも」
「それぞれのお国に」
「お願いします」
送ることはとだ、マリーも侍女達に話した。
「是非」
「はい、それでは」
「その時はすぐにそうさせてもらいます」
「書かれましたらお話して下さい」
「送らせてもらいます」
「では」
マリーはまた応えてだ、そしてだった。
マリーは実際にセーラ、そしてマリアに対して返事の文を書いてだった。侍女達にそれを手渡してから述べた。
「右の黄色い紙に覆われたものはです」
「はい、半島ですね」
「あちらにですね」
「そうです」
その通りだというのだった。
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