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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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94部分:第十一話 異空間その三


第十一話 異空間その三

「ジェミニ!覚悟しやがれ!」
「我等の最大の小宇宙で」
「貴方を倒します」
「受けよ!」
 四人はそれぞれ叫びつつその技をサガに向かって一斉に繰り出す。だがサガは微動だにしない。まるで完全に受け止めたいように。
 その四つの技がサガを直撃した。しかしだった。サガは何のダメージも受けてはいなかった。そのままの顔で宙に立ち続けていた。
「何っ、そんな」
「馬鹿な、今の攻撃で」
 エリシャとロジャーが無傷のサガを見て驚愕の顔になった。
「全く無傷とは」
「黄金聖闘士の力も聖衣の強度もわかっている。だが」
「まさかこの野郎」
 シロウも今目の前で傷一つ受けていないサガの状況が信じられなかった。
「幻術でも使っているっていうのかよ」
「いや、待て」
 だがその彼にライネルが告げる。
「あのジェミニは。本物だ」
「幻じゃねえっていうのかよ」
「如何にも」
 その証拠の様にそのサガが言ってきた。
「その証拠に私は今ここにいる」
「くっ!」
「どういうことだよ、無傷なんてよ」
「今そのことを言おう」
 サガの声は至って冷静なものであった。
「聖闘士に一度見た技は通用しない」
「何ィ!?」
「だからだ。貴様等の技は既に見切った」
 目を閉じてその彼等に語るのだった。
「そしてだ」
「そして!?」
「今度は私が技を見せる番だ」
「何っ!?これは」
 サガの黄金色の小宇宙が沸き起こるのを見てロジャーが声をあげる。
「この小宇宙、今まで感じたこともない」
「受けてみよ、このジェミニのサガ最大の技」
 両手を己の頭の上でクロスさせた姿勢で言う。
「ギャラクシアンエクスプロージョン!」
「なっ、銀河が!」
「割れた!」
「このギャラクシアンエクスプロージョンは銀河ですら破壊し尽くす!」
 サガのあまりにも巨大な小宇宙はそこにあったのだ。
「今それを受けて・・・・・・散れ!」
「な・・・・・・何だよこれ」
 シロウがその破壊されていく星達と迫り来る衝撃の前で呟いた。
「これだけの技、あの方々ですら」
 これが彼の最期の言葉であった。そして他の三人の狂闘士達も。ギャラクシアンエクスプロージョンで吹き飛びそのまま絶命したのであった。四人は森の中に倒れ伏していた。
「さて」
 倒れ伏し動かなくなった四人を見つつサガは呟く。
「後はデスマスクだが。様子を見に行くとするか」
 彼はすぐにまた戦場に向かった。この時デスマスクと二人の女狂闘士の闘いもまた頂点に達しようとしていた。
「おいおい、俺はここだぜ」
「わかっています」
 デスマスクの言葉にユニが応える。彼女はリィノと共にデスマスクに攻撃を加えているがそれでも彼の動きの前にそれを全てかわされてしまっているのだ。
「貴方が調子に乗るのもこれまでです」
「その通りです」
 リィノも言ってきた。
「私達二人の力、侮らないことです」
「何としても。同志達の仇を」
「ほお、また随分と仲間思いだな」
 二人の言葉を聞いてもデスマスクの軽い調子は変わらない。
「御前等のことだから仲間の命なんてどうでもいいと考えているって思ってたぜ」
「戯言を」
 攻撃を繰り出しながらユニが述べる。
「我等はアーレス様の下に集う同志達」
「その志は同じ」
「魔神共は皆アーレスに仕える戦士ってわけかよ」
「如何にも」
「その同志達の仇である貴方は。何としても」
 相変わらず二人で果敢に攻撃を仕掛けるが全てデスマスクの前にかわされる。彼はその身のこなしと超能力である瞬間移動を使って攻撃をかわすのだった。今は二人の拳を瞬間移動でかわしてみせた。
 
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