聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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93部分:第十一話 異空間その二
第十一話 異空間その二
「そして。それからだ」
「いえ、ロジャー」
しかしここでエリシャが話に入ってきた。やはり彼女もサガを見据えている。
「それはどうかと」
「何故だ」
「攻撃も合わせるべきです」
彼女が言うのはこれであった。
「そうして真の意味で一斉攻撃を仕掛けるべきかと」
「おい、そこまでやるのかよ」
「相手を侮ってはなりません」
真剣な顔でサガを見据えたままシロウに答える。
「あのジェミニのサガは。特に」
「エリシャの言う通りだ」
ロジャーは彼女の言葉に全面的に賛成であった。
「ここは何としてもあの男を倒しこの空間から帰らなければならん」
「そうだな」
彼の言葉に賛同し頷いたのはライネルだった。
「何があろうともな。もう一人相手がいるしな」
「あいつかよ」
それが誰なのかシロウにはすぐにわかった。
「あの蟹野郎かよ」
「キャンサーのデスマスク」
エリシャは彼の名も口にした。
「彼には五人の同志が立ち向かっています。ですが」
「こちらの数が多ければ多いにこしたことはないな」
「その通りです。だからこそ」
ライネルにも言葉を返すのだった。
「ここは。何としても彼を倒して」
「かかるぞ」
四人が一斉に並んだ。サガの正面に集まっている。そのうえでそれぞれ構えを取り。今一斉にその技を繰り出そうとする。しかしこの時サガが言った。
「確かに見事だ」
「むっ!?」
四人はサガの言葉に思わず声をあげた。だが技を繰り出そうというその動きは止めてはいなかった。この辺りは実に的確であった。
「一斉攻撃を浴びせるというのはな」
「これなら手前だってどうしもうもねえ筈だ」
シロウがそのサガを見据えて言う。
「黄金聖闘士でもな」
「黄金聖闘士か」
シロウの今の言葉に反応するサガだった。
「黄金聖闘士と言ったな」
「それがどうしたってんだ!」
「一つ言っておこう」
「何ィ!?」
「いや、見せた方がいいか」
何故かここでは積極的に話そうとはしなかったサガであった。
「その方がわかり易いな」
「!?この男」
ライネルは今の彼の言葉に眉を顰めさせた。
「何が言いたい、一体」
「まさか何か策が」
エリシャも不穏なものを感じてはいた。
「あるというのですか?」
「よし、ならばだ」
ロジャーはここでまた決断を下した。
「ここで完全に決める。全ての小宇宙を注ぎ込んでもな」
「後はいいのだな」
ライネルはそのロジャーに冷静に問うた。
「この異次元から抜け出られなくとも」
「おそらくその心配は無用です」
しかしその彼にエリシャが告げる。
「このアナザーディメンションはおそらく」
「あの男を倒せばそれで技が解けるのだな」
「技はすべからくそうです」
こうも述べるエリシャであった。
「ですから。やはり」
「ならよ。ありったけの小宇宙をぶつけてやるぜ!」
シロウはもう戦闘態勢に入っていた。激しい闘志をみなぎらせている。
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