転生とらぶる
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ガンダムW
1577話
オペレーション・デイブレイクから始まった激動の1日と称するのに相応しい日がようやく終わり、その翌日……俺達は予想外な事に、特に何の妨害もないままニューエドワーズ基地へと戻ってきていた。
俺がOZの指揮官なら、今、この時こそ連合軍の切り札たるシャドウミラーをどうにかする絶好の好機だと思うんだが。
昨日の連戦の後、一応あの基地やMS輸送機で一緒にやってきた整備員達が整備をしたが、それよりもリーオーやエアリーズといった、実際にダメージを受けている機体の修理作業が優先されるのは当然だった。
そもそも、俺達は今日になればさっさとニューエドワーズ基地に帰るが、俺達と一緒に行動している連合軍はあの基地が落ち着くまでは暫く向こうに留まるらしいし。
基地の防衛戦力の修理を優先するのは当然だろう。
結果として、トールギスは整備が通り一辺倒のものだけしか行われていないままだ。
……それでも、整備員達に出来る最大限の善意ではあったんだけどな。
昨日も俺達が部屋でゆっくりと疲れを癒やしている時、基地の方では不眠不休で復興作業を行っていたらしいし。
にしても、本当に昨日は長い1日だったよな。濃密な時間と言えばそれもいいんだろうが。
「慌ただしいわね」
着地したMS輸送機の窓から外を見た凛が呟く。
だが、それも無理はないだろう。
事実、ニューエドワーズ基地では多くのMSが移動し、MS輸送機が飛び立ち、着陸するといった行為を繰り返しているのだから。
昨日の今日でも、本拠地としての活動が既に始まっているという事か。
ニューエドワーズ基地に来ているのは、戦力の再編でこちらに集められているMS部隊だろう。
そしてここから発っているMS輸送機は、OZとの戦いが現在進行形で行われている基地への援軍か、はたまたOZが奪取した基地を奪い返す為か、それともまだOZに襲われていない基地に予備の為に送ったのか。
もしくはそれ以外の理由があるかもしれないが、詳細な理由は分からない。
「アクセル代表、こちらです。すぐにノベンタ元帥がお会いするそうですので」
サリィの言葉に頷き、そのままニューエドワーズ基地の中を進んでいく。
昨日はここで連合軍の総会が行われていたのだが、既にその痕跡とも呼べるべきものは存在しない。
ただ、ひたすらOZとの内乱へと突き進み始めていた。
「この戦争……長引かないといいけどな」
「恐らくそう長い戦争にはならないかと」
「……何でそう思う?」
基地の中を進みながら呟くと、サリィの口から予想外の言葉が返される。
まず、間違いなくこの戦争は長引くと、そう思っていたのだが……どうやらサリィの予想は違うらしい。
いや、サリィだけではなく連合上層部もそう思っているのか?
それを疑問に思う。
これだけの事をしでかしたのだから、当然OZも自分達がそう簡単にやられるとは思っていない筈だ。
であれば、戦いは長引くと思ってもいいと思うんだが。
「その辺りは、これから説明があると思います。ですから、一言だけ。OZの背後にいるのはロームフェラ財団です」
「……ああ、なるほど」
サリィの言葉に、納得するように呟いたのは凛だった。
何とも言いがたい、不思議な視線をサリィへと向けている。
「どういう事か分かったのか?」
「ええ。まぁ、問題はそう簡単にいくかどうかってことでしょうけど」
「その辺はこちらも考えていますが……アクセル代表率いるシャドウミラーであれば、それも可能では?」
「あら、随分とこちらを持ち上げてくれるのね。けど、そんな真似をするのであればこちらも相応の報酬を要求するわよ?」
「それは私ではなく、担当の者と交渉して下さい」
何だか分からないが、凛とサリィは笑みを浮かべながら話し合う。
もっとも、その笑みもどこか薄ら寒い雰囲気が周囲に漂っているが。
この2人が何を言っているのかは分からないが、それでもノベンタ達の場所に行けば判明するだろう。
建物の中に入ったにも関わらず、人の出入りは非常に多い。
どの軍人も、顔を緊張で強張らせており……それが現在の連合軍の状況を示していた。
とてもではないが、サリィが言うように反乱をすぐにでも鎮圧する事が出来るとは思えないんだが。
本当にすぐにでもどうにかなるのか?
「つきました。では、中に入りますが構いませんね?」
扉の前で尋ねてくるサリィに、頷きを返す。
中にいるノベンタ達の護衛らしい兵士も、こっちを見て特に動揺の類もせず……いや、五飛を見る目に若干棘があるような気はするが、それはガンダムがこれまで行ってきた事を考えれば仕方がないのだろう。
基本的にOZを狙ってはいたのだが、それに伴い連合軍もそれなりに巻き込まれてきているのだから。
それに俺がこう言うのもなんだが、シャドウミラーというのは色々な面で恵まれている。
それだけでも妬まれる要素は十分なのに、そこへガンダムが組み込まれたのだから色々と思うところがある兵士がいてもおかしくはなかった。
それでもここの護衛を任されるだけあって、俺達に向かって直接何かを口に出したりはしないで部屋の中へと通す。
「失礼します。シャドウミラーの皆さんをお連れしました」
サリィの言葉と共に部屋の中に入り、そこにいつものようにノベンタ、ベンティ、セプテムの3人がおり……そして護衛と思しき兵士の姿が部屋の中にもある事に驚く。
……いや、特に驚く事はないか?
現在はOZの反乱を収めるべく戦いが起こっており、ノベンタ達は連合軍の上位3人で、その3人がここに集まっている。
つまり、ここを爆破されれば連合軍は一気に大混乱となるのは間違いなかった。
レディ・アンは原作でも爆弾を使ってドーリアンを暗殺している。
いや、この世界でもか。ただ、暗殺には失敗してドーリアンはまだ意識不明ではあっても生きているが。
ともあれ、そんな状況である以上護衛を用意するのは当然と言ってもいい。
ましてや、俺達はノベンタ直属という扱いではあっても、結局は傭兵。
金次第では裏切られると思われても仕方がない。
そして、OZの後ろにはロームフェラ財団という者達がいる。
その上、シャドウミラーの中には五飛というシェンロンガンダムのパイロットがいるという事もあり、俺達を警戒するのは当然だった。
「よく来てくれた、アクセル。昨日は色々とご苦労だったな。こちらとしても、シャドウミラーの活躍のおかげで連合軍にあまり被害が出ずに助かった」
笑みを浮かべて告げるノベンタ。
俺達が昨日やった事が、余程に嬉しかったらしい。
実際、俺達がいたからこそガンダムによるニューエドワーズ基地の襲撃や、OZと戦っている基地の援軍、OZに占拠された基地の奪還といった激戦を潜り抜けながらも、被害らしい被害は殆どなかったのは事実だ。
「こっちも仕事だからな。依頼された内容はしっかりとやらせて貰うさ。それで、俺達を呼んでどうしたんだ? 聞いた話だと、この戦いを手っ取り早く終わらせる方法があるらしいけど」
「ふむ」
俺の言葉に、ノベンタが小さく頷いてからサリィへと視線を向ける。
それに対して軽く目礼をするサリィ。
完全に外様の俺達はともかく、仮にも連合軍の軍人のサリィがノベンタを前にして緊張したりしていないというのは、さすがと言うべきなんだろうな。
「うむ。……その件は今回アクセル達をここに呼んだ事も影響している。さて、単刀直入に言おう。アクセル達シャドウミラーには、OZの基地ではなくロームフェラ財団を叩いて欲しい。具体的にはロームフェラ財団の建物や、ロームフェラ財団上層部の者の屋敷といった場所だな」
「……なるほど」
一瞬、いいのか? と言いそうになったが、考えてみればこれは中々に悪くない手だ。
現在表だって連合軍に反乱を起こしているのはOZだが、その裏にはロームフェラ財団がいる。
具体的には、現在ロームフェラ財団を仕切っているデルマイユ。
そのデルマイユを含めて上層部の者達の屋敷を焼き払い、財産を没収するような事をすれば、当然それはロームフェラ財団にとって大きなダメージとなるのは間違いない。
もっとも、中途半端にそのような真似をすれば余計にデルマイユを含めたロームフェラ財団上層部を怒らせる事になり、OZの攻撃がより激しくなる可能性も高い。
また、デルマイユを含めたロームフェラ財団上層部の屋敷を攻撃するにしても、全く関係のない一般人に誤射したりすれば、世論が連合軍を叩く。
一発だけなら誤射かもしれないと言って、誤魔化せる訳がないのだから。
つまり、相当に技量の立つMSパイロットなりなんなりが必要になる訳だ。
そして、俺達シャドウミラーはこのW世界の中では最精鋭と言ってもいい。
「けど、下手をすれば色々と面倒な事になりかねないぞ? 実際には誤射してなくても、ロームフェラ財団なら偽証をする者を用意するのは難しい話ではないし」
何だかんだと、ロームフェラ財団はこのW世界の富の大部分を握っている存在だ。
つまり、それに寄ってくる者が多いという事でもある。
勿論連合軍だってそんなロームフェラ財団に負けてはいないのだが。
「その辺りは心配しなくてもいい。お前達シャドウミラーなら、余計な被害を出すような真似はしないだろう」
ノベンタの隣に座っていたセプテムの言葉に、ベンティも頷く。
基本的に穏健派のノベンタやベンティだが、今はその意志は纏まっているという事か。
「……そう、だな」
ロームフェラ財団のトップの屋敷。
それを破壊するのであれば、こちらとしてもそれなりに旨味はある。
何しろ、屋敷を破壊する以上、その屋敷に収められている金目の物は当然全て破壊される事になるのだ。
つまり、俺が前もって屋敷に忍び込んで現金……は、このW世界でしか使えないからそれ程重要度は高くないな。
となると、宝石の類や芸術品の類か?
……今更、本当に今更だけど、もしこのW世界で有名な画家の絵を入手して、他の世界でそれを売ろうとした時、同じ絵がもう1枚出て来たらどうなるんだろうな?
当然どっちかが贋作だろうと疑われるのだろうけど、その場合でも俺の持っていった絵も、その世界に元からあった絵も、両方が本物な訳で……
うん、そんな真似をした場合、多分絵の具とかがどれくらい前の絵の具なのかとか、そういうので調べられそうだな。
その辺には詳しくないので、完全に予想だが。
あるいは、W世界だけにしか存在してない画家の絵を他の世界に持って行ったら、その世界で評価されて、天才画家! という風に持ち上げられるも、他の作品はないので幻の絵画という扱いになったり?
それはそれで面白そうだけど。
「それでどうかな? この依頼、引き受けて貰えるか?」
OZと戦うのではなく、その背後にいる者を攻撃する。
それは簡単なようでいて、中々に難しい。
それこそ、さっき考えたように迂闊に攻撃対象をミスすれば連合軍がバッシングされる事にもなりかねない。
だからこそ、シャドウミラーに頼んでいるというのもあるのだろう。
俺達シャドウミラーは、幾らノベンタ直轄の傭兵部隊という立場であっても、結局連合軍にとって外様というのに代わりはない。
つまり、もし何かミスをしたとしても、連合軍としては最悪切り捨てる事が可能な訳だ。
勿論連合軍としては俺達を切り捨てるような真似は出来るだけしたくないだろう。
単機でガンダムに対抗出来るトールギスと、そのガンダムの1機シェンロンガンダム、更には連合軍の中でも最精鋭のエアリーズ隊を上回る操縦技術を持つ綾子のトーラス。
この辺りを考えれば、俺達シャドウミラーは連合軍の中でも最高の戦力を持った部隊と言える。
そのような部隊をあっさりと切り捨てるような真似をしたいとは思わない筈だ。
だが……それでも連合軍の元帥として、判断するべき時には判断するのだろう。
穏健派のノベンタだが、それは判断が出来ないという事ではない。
「その辺りの全てを呑み込んだ上で……こうして、シャドウミラーに頼むしか出来ない。どうだろう?」
俺が黙っているのを見て、ノベンタが改めてそう告げてくる。
「……分かった」
結局俺としては、それを引き受ける言葉を発する。
実際、ロームフェラ財団の動きを牽制するのは連合軍として重要事項だというのは理解しているし、向こう側を動揺させる事が出来るというのも理解出来た。
これが上手くいけば、確かにこの反乱は早く終わる事になる。
それに技量的な問題を抜きにすれば、決して悪い条件ではないのも事実だ。
「ただし、こっちは自由に動かせて貰う。それが条件だ」
「……いいだろう。だが、連合軍の風評を貶めるような真似だけはしないでくれたまえ」
「勿論だ。その辺は十分に注意する。……今回の件の報酬に関しては、凛と交渉してくれ」
凛の姿に、セプテムが微かに眉を顰める。
これまでの依頼でもかなり連合軍からふんだくってるしな。
ぶっちゃけ、これまでの報酬で俺達がこのW世界で活動する際に資金不足というのは心配しなくてもいいくらいにはなっている。
今回の件も、かなり厳しい依頼だけに……その報酬はちょっと大きなものになるのは確実だろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:935
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1289
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