聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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833部分:第二百二十九話 最後の戦いその六
第二百二十九話 最後の戦いその六
意を決した声をあげてだ。そのうえで彼の小宇宙を全て凝縮させたのだった。
「これでどうだ」
「くっ、教皇!」
「今度は」
「どうすれば」
「臆するな、そして」
黄金聖闘士達への言葉だ。
「慌てるな」
「臆せず慌てず」
「そのうえで、ですか」
「そうだ、落ち着け」
また言う彼だった。
「そのうえで戦えば問題はない」
「ではここは」
「どうされますか」
「御前達の渾身の技を全て放つのだ」
そうせよというのである。
「いいな、全てだ」
「そしてそれにより」
「このアーレスの小宇宙を退ける」
「そうせよと」
「私もまた同じだ」
他ならぬシオン自身もだというのだった。
「渾身の技を放つ」
「わかりました、では再び」
「我等の全ての技で」
「最後の決着をつけましょう」
「面白い」
アーレスもその言葉を聞いていた。そのうで、だった。
「ならば見せてみるのだ。その渾身の技もだ」
「いいだろう」
シオンがその言葉を受けた。
「それならだ」
「行くぞ!」
「この技で!」
「この長い戦いを終わらせる!」
「ここで!」
黄金聖闘士達はその技を放った。それぞれが先程の八大公や神々に対して使った最大限の技を放ったのである。
しかし童虎はだ。百龍覇を放った。
「わしはこれだ!」
「老師はそれですか」
「その技を」
「この時はやはりこれだ」
状況を見てのことであった。
「龍達がだ。退けてくれようぞ」
「では!」
「我等も!」
「おおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!」
最後の十三人の絶叫が聞こえた。十三の渾身の、命をかけた技が四方八方に放たれる。それによって遂にであった。
アーレスの小宇宙が退けられた。そして消え去った。赤い凄まじい闘気そのものの小宇宙がだ。完全に消え失せてしまったのである。
「終わったか」
「これで」
「遂に」
技を放った彼等はだ。今まさに力尽きんとする顔で述べた。
「終わったか」
「アーレスは」
「どうなった?」
「見るのだ」
シオンはここでも黄金聖闘士達に述べた。
「アーレスを」
そしてだ。そのアーレスを見るとだ。
彼は今立っていた。しかしであった。
口から血を流していた。そのうえで死相を浮かべていた。
その顔でだ。まだ彼等を見下ろしてそうして立って言うのであった。
「まさかな」
「我等の勝利だな」
シオンはそのアーレスに対して答えたのだった。
「そうだな」
「その通りだ」
まさにそうだと返すアーレスだった。
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