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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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832部分:第二百二十九話 最後の戦いその五


第二百二十九話 最後の戦いその五

「それができないとはだ。残念なことだ」
「そうか」
「そう言うのか」
「言う。やはり無念だ」
 また言うのであった。
「しかし。それもまただ」
「生憎だが我等はアテナの聖闘士だ」
「このことは変わらない」
「それだけの相手だからこそ戦うに値する」
 こうも述べた。攻防を続けながら。この間にもアーレスの小宇宙は世界を、そして聖闘士達を覆っていた。一瞬でも気を抜けばそのまま飲み込まれてしまう状況だった。
「この私がだ」
「ならな」
「このまま倒れはしない」
「決してです」
 黄金聖闘士達は口々に言う。
「戦うに値する相手ならよ」
「決してだ」
「敗れません」
 その言葉と共に全身全霊を注ぎ込む。それが光にそのまま入っている。
 そうしてアーレスと戦っていた。そしてだ。
 遂にだ。その赤い小宇宙の壁がだ。割れた。
 光はそのままアーレスの胸を貫いてだ。勝負を決めたのであった。
「うっ・・・・・・」
「決まったか」
「これで」
「いや、油断するな」
 シオンはすぐにだ。黄金聖闘士達に告げた。
「これで終わったとは思わないことだ」
「まだですか」
「そうなのですか」
「そうだ、まだだ」
 また言うシオンだった。
「まだ油断しないことだ」
「はい、確かに」
「小宇宙はまだ」
 その彼の言葉にサガとアイオロスが応える。
「衰えていません」
「全く」
「だからだ。油断するな」
 その証拠にだった。まだアーレスの小宇宙は衰えていなかった。
 そしてだ。それが彼等を尚も襲わんとしていた。
「アーレスはまだ死んでいない」
「身体を貫かれても尚」
「まだ衰えていないのか」
「私がこの程度でやられると思っているのか」
 アーレスは既に光に身体を貫かれている。既に顔には暗いものが見える。しかしそれでも彼はまだ毅然としていた。そのうえでの言葉であった。
「甘いな」
「そうだな。戦いはまだだ」
 シオンはそれも認めた。
「まだ続く」
「如何にも。私もだ」
 アーレスは力をさらに振り絞ってみせた。そうして。
 小宇宙を凝縮させた。己が持っているその小宇宙をだ。
「この世界を覆っていた小宇宙が」
「我等に今」
「襲い掛かって来たというのか」
「それによって」
「そうだ、押し潰すつもりなのだ」
 シオンは全てを看破して述べた。
「このままだ」
「来る」
「そして」
「このまま」
「私はまだ倒れはしない」
 アーレスはまだ言っている。立ち続けてだ。
「この技で貴様等を倒せれば。終わる」
「最後の乾坤一擲の技」
「まさにそうなっているのか」
「ここで」
「さて」
 アーレスはだ。いよいよといった状態であったがそれでもだった。
 
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