転生とらぶる
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ガンダムW
1569話
用意された部屋の中で休憩をしていたのだが、やがて扉がノックされる。
「入れ」
そう命じると、部屋の中に入ってきたのは俺達をここまで案内した兵士だった。
「失礼します。アクセル代表に来て欲しいとサリィ少佐から伝言がありました」
「……サリィから?」
サリィは今MSの整備や補給の作業を監督していた筈だが……向こうで何かあったのか?
そんな疑問を抱くも、ここで何か考えていてもそれは意味がないだろう。
「全員か?」
「伝令の者は特に何も言ってませんでしたので、多分そうだと思いますが」
なるほど。だとすれば、何かあったのか?
まぁ、話を聞けば分かるか。
「分かった、じゃあ……」
そこで一旦言葉を切り、部屋の中を見回す。
凛と綾子はすぐに頷きを返し、五飛は無言で立ち上がる。
どうやら、全員準備はいいらしい。
「行くか」
その言葉と共に、全員が部屋を出る準備を整える。
そうして兵士に案内され、やってきたのは当然格納庫だった。
そこでは、どこか険悪な雰囲気が漂っている。
これは……やったか?
何となく何故サリィが俺達を呼んだのかを理解し、小さく溜息を吐く。
「で、何があった?」
「アクセル代表……実は、この者がトールギスに対して妙な細工をしようとしていました」
「違う! 別に俺は何も変な真似はしていない! ただ、普通に整備をしていただけだ!」
「……その割りには、トールギスのスーパーバーニアが最高速度を出した場合、少しだけど機体が右に移動するように調整したみたいだけど?」
「違う! そんな事はしていない!」
サリィの言葉を即座に否定する整備員だったが、その整備員には見覚えがある。
俺がこの基地の司令官と話している時に、不愉快そうにしていた奴だ。
……なるほど。その腹いせといったところか。
もしくは、連合軍の所属でありながらOZとの内通者という可能性もある。
現在のOZにとって、シャドウミラーというのは目の上のたんこぶ以外の何ものでもない。
そうであれば、それを排除出来る機会があるのなら見逃すような真似はしないだろう。
いや、トレーズ辺りなら、その手段の選ばなさをエレガントではないと言う筈だ。
だが、トレーズの狂信者レディ・アンであれば……トレーズの邪魔になる相手の排除に躊躇はしない。
「OZの手の者か?」
そう呟いた瞬間、サリィに睨み付けられていた男が一瞬だけだがビクリと反応する。
それだけで、この男が何故このような真似をしたのかは明らかだった。
男の様子を見ていたサリィも、それは理解したのだろう。
先程よりも更に視線を険しくしながら、男を睨み付ける。
「OZの手の者がいるとは思っていたけど、整備にまで……」
「違う! 別に俺はOZの手の者なんかじゃない! 信じてくれよ、なぁ!?」
自分の状況が決してよくはないと思ったのか、男は周囲にいる者達へと視線を向け、訴える。
「今まで一緒に頑張ってきた仲だろ!? そんな俺がOZに与すると本当に思うのか?」
そう自らの潔癖を主張する男だったが、その視線を向けられた他の者達はそっと視線を逸らすしか出来ない。
それが、男が周囲からどのように見られていたのかを表していた。
もしくは男を擁護して、自分もOZの手の者だと思われたくないという者が多いのか。
ともあれ、こんな風に騒いでいれば当然目立つ訳で……
「どうした? 何があった!?」
それなりに偉そうな軍人が、格納庫に姿を現す。
そして格納庫の中にいる面子……特に俺を始めとしたシャドウミラーの面々の姿を見ると、慌ててこっちに近づいてくる。
「アクセル代表、これは一体何があったのですか?」
四十代程の男……それも見るからに階級の高い男は、確かこの基地の司令官と話をしていた時にもいたな。
「詳しい説明はサリィに聞いてくれ」
視線をサリィに向けると、サリィが軍人の男に敬礼をしてから口を開く。
「アクセル代表率いるシャドウミラーのMSの整備、補給をしていたところ、この者がアクセル代表の機体に妙な細工をしているのを見つけたので、それを咎めていました」
「……何?」
軍人はサリィの示した男の方へと視線を向ける。
ギロリ、もしくはジロリという擬音に相応しい視線で整備員の男を睨み付ける。
「本当か?」
「ち……違います! 俺は何もしていません! 少佐に嵌められただけです!」
「……あの状況で私がどうやったら貴方を嵌める事が出来るのかしら」
溜息を吐くサリィだったが、軍人の男は悩ましげな表情を浮かべる。
自分の基地の仲間を疑いたくはない……といったところか。
仕方がない。ここであまり目立つような真似はしたくなかったんだが……いや、それは今更か。
ともあれ、このまま妙な方向に話が進まないように口を開く。
「ノベンタに連絡すれば、トールギスの担当の整備員達がどんな風に調整したのかの記録が残っている筈だ。それを見れば、サリィとその男のどっちが本当の事を言っているのか分かるんじゃないか?」
自分の機体に細工をされたかもしれないのに、不思議な程に俺の中に怒りはない。
いや、勿論苛立っていないかと言われれば否と答えるが、それでもすぐにでも整備員を殺してやろうと思える程に怒り狂っている訳でもなかった。
もし細工されたのがシェンロンガンダムだったら、五飛はコックピットの青龍刀を持ちだしていてもおかしくはない。
それだけ五飛は自分のガンダムを特別視してるしな。
だが、俺の場合は……勿論トールギスを甘く見ている訳ではないが、それでもニーズヘッグを始めとした機体に比べれば数段落ちる。
ニーズヘッグに同じような小細工がされたら、それこそ生きたまま手足を引き千切る程度の事はしたかもしれないが。
ともあれ、整備員はこのままだと間違いなく自分が捕まると判断したのだろう。
……整備員なら、整備記録とかそういうのがあると想像出来そうなものだけどな。
しかも現存するMSの中でも突出する性能を持つトールギスにして、今は中立的な立場になったが、少し前までは敵対していたガンダムに単機で対抗が可能だったMS。
連合軍にとっては奥の手とも言えるトールギスだけに、整備は他の機体よりも厳重に行われており、その整備記録も普通のMSよりも詳細に残っているのは当然だった。
つまり、その記録を見れば俺の機体に小細工をした……もしくはしようとした? 整備員の言っている事が真実かどうか判明する訳だ。
そうなれば間違いなく自分のやった事を誤魔化せないと思ったのか、整備員はそのまま一気にこの場から逃げ出そうとし……
「どこに行くつもりだ?」
あっさりと綾子に掴まる。
「くそっ、離せ! 離しやがれ!」
右腕を掴まれた状態で、暴れ……隠し持っていたのだろう拳銃を左手で抜こうとする整備員だったが、そんな真似が出来る筈がない。
「あら、何をするつもりかしら?」
拳銃を握っていた左手にそっと手を触れさせる凛。
だが、そっと触れているような様子にも関わらず、男の手はそれ以上動く様子はない。
「なっ!? くそっ、離せ! 離せよ!」
騒いでいる整備員だが、両手を押さえつけられている状況ではどうしようもない。
整備員は普通ならそれなりに腕力が必要な仕事だ。
だが、綾子と凛は普通の人間ではない。
身体を動かそうとしても動かせず、整備員の男は何が起きたのか全く理解出来ていなかった。
「で、どうするんだ? このままそっちに引き渡せばいいのか?」
「は!」
軍人の男が、非常に残念そうな表情を浮かべながらそう告げる。
自分の仲間がそんな真似をする訳がないと、そう判断しているのだろう。
「俺が言うのもなんだが、恐らくこの男はOZに繋がっている可能性が高い。同時に、この基地の中にはまだOZと繋がっている奴がいるかもしれないな」
「……すぐに探します」
正直なところ、この基地が攻められている時に何故行動を起こさなかったのかという思いはある。
もし俺達がこの基地へ援軍に来る前に基地の内部から攻撃をしていれば、もしかしたら既にこの基地が落ちていたかもしれない。
俺達の迎撃に出て来たエアリーズ部隊と戦っている時に動けば……
ああ、でもそうなれば、もしこの基地を占拠したとしても俺達はすぐに基地を取り返していたか。
そう考えれば、その時に動かなかったのは正しい判断なのだろう。
だとすれば、整備員の判断は正しかったんだろうな。
「その男を、引き渡して貰えますかな?」
「アクセル?」
綾子の言葉に頷きを返す。
それを見た綾子は、軍人へと整備員の男を引き渡す。
軍人に引き渡された整備員の男は既に抵抗する様子はない。
……凛と綾子の2人に動きを完全に止められた事に強い衝撃を受けたのだろう。
普通に考えて、凛や綾子のような力を持っているのは理解出来ないといったところか。
「では、失礼します。今回はご迷惑をお掛けしました」
軍人が俺に頭を下げ、OZの内通者と思われる整備員を連れていく。
恐らくこれから色々な取り調べが待っているのだろう。
それがどれ程厳しいものなのか、俺には分からない。
だがそれでも、生まれてきてすみませんでした……といった風に謝るような出来事になるんじゃないだろうが。
「さて、じゃあ……MSの整備と補給を続けて貰うけど、妙な真似はしないように」
サリィが念を押すように告げると、残っていた整備員達はそれぞれに頷きを返す。
この状況で何か妙な事をしようものなら、それこそ捕まえて下さいと言ってるようなものだろう。
まさか今の状況でそんな真似をするとは思えない。
当然監視の類もさっきと比べると厳しくなっているだろうし。
「では、アクセル代表。ここの件はお任せ下さい。何かあっても、私がいる限り心配はいりませんので」
自信満々に告げるサリィだが、MS3機の整備を全て見て、しかもおかしな真似がされているのかどうかというのを確認するのは並大抵の事ではない。
それが出来る時点で、サリィは色々と凄い能力をしていると、改めて感じるんだが。
うん、やっぱり出来ればシャドウミラーに欲しい人材ではあるよな。
色々な事を出来る能力の持ち主というのは、非常に欲しい人材だし。
……まぁ、それもこれも、ホワイトスターに連絡がついてからの話だが。
実際には全てをサリィが見ているのではなく、信頼出来るメンバーに頼んで……といったところなんだろうけど。
「分かった。じゃあ、あまり無理しないようにな」
そう言葉を掛け、俺達は再び部屋へと戻っていく。
その途中でも基地の復興作業を目にする事が出来るが、結構頑張っている者が多い。
中にはあからさまに手を抜いている奴もいるが、そういう奴等は見ればすぐ分かってしまう。
「この基地も結構サボってる奴は多いんだな」
「そう? 寧ろこのくらいが普通だと思うけど」
俺の言葉に、凛がそう告げる。
「そうだな。全員が全くサボらずにやるなんて事は、普通なら有り得ない。どうあっても、何人かはそういうのが出てくるだろうね。あたしが弓道部をやってた時もそうだったし」
弓道部という言葉に、少し離れた場所を歩いている五飛の視線が綾子に向けられたのが理解出来た。
武道に関するものだけに、五飛にとっては興味深かったのだろう。
「そう言えば……」
以前TV番組でやっていた内容を思い出す。
「蟻も全ての蟻が働いているんじゃなくて、サボっている蟻が特定の数いるらしいな。で、そのサボっている蟻を群れから取り出すと、また別の蟻が特定の数サボるとか何とか」
「人間、サボるって誘惑からは逃げられないんでしょ」
凛の言う通りかもしれない。
そういう意味では、シャドウミラーというのは色々と特殊だよな。
基本的に動いている人数の多くは量産型Wやバッタなので、サボるとかそういう考えは一切ないし。
生きている人間の中にはサボる奴がいそうだけど。
ムウとかアウルとかスティングとか……
それにしても、そろそろレモン達がこっちに来てもいいような頃合いだと思うんだが。
この考えがフラグになって、早く来てくれないかな。
そんな風に下らない事を考えながらも歩き続け、部屋へと戻る。
「後はMSの整備と補給が終わるまで待つんだよな?」
紅茶を飲みながら尋ねてくる綾子に頷き、口を開く。
「そうだな。正直なところ、MS輸送機の方にも専用の整備員を付けて欲しいところだけど」
毎回どこかの基地で補給や整備をするのは、正直なところ面倒臭い。
幸いMS輸送機にはまだスペース的な余裕がそれなりにあるので、推進剤や弾薬、エネルギーのカートリッジとかあってもそんなに問題はないだろう。
勿論大きな整備をやるのは無理だろうが、簡易的な整備とかなら普通に出来そうな気がするんだけど。
その辺り、ノベンタ辺りに聞いてみるのもいいかもしれないな。
そんな風に考えながら、紅茶を楽しむのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:715
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1245
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