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初詣

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第四章

「相変わらずよ」
「寝るの好きだよな、本当に」
「三度の御飯と同じだけってね」
「いつもあたしにも言ってるな」
「だからね」
「元旦もか」
「お外に出ないで」
 間違っても初詣、小雪達の様なことはせずにだ。
「寝てるわ」
「文字通りの寝正月か」
「そうよ」
「それで由貴さんはいいからな」
「寝られればいいっていうからね、お母さん」
「何ていうかな」 
 こうもだ、桐子は言った。
「由貴さんらしいな」
「そうよね」
「あたしんとこの母ちゃんはゲームだろうな」
 桐子は自分の母のことも話した。
「朝からしてたし」
「桐美さん今何のゲームしてるの?」
「ファイナルファンタジーやってるよ」
「そうなの」
「で、父ちゃんはな」
 父親はというと。
「多分そっちの羽久さんと一緒で」
「お酒?」
「おとそ飲んでるだろうな」
「力也さんもお酒好きだしね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「今時飲んでるさ」
「そうなのね」
「それであたし達はな」
「初詣ね」
「というか遊んでな」
「そうしてるわね」
 小雪は桐子の言葉に笑って応えた。
「じゃあ次は」
「どの店に行こうか」
「綿菓子買う?」
「いいな、じゃあ次は綿菓子買ってな」
「食べましょう」
「それじゃあな」 
 二人で明るく話しながらだ、小雪と桐子は二人であちこちの店を回って食べて遊んでいた。そしてクレープを食べた後でだ。
 二人で綿菓子屋に入る、その隣にはたこ焼き屋があるが。
 そこで働いている美咲は隣で動き回っている萌美に言った。
「そっち大丈夫なん?」
「お好み焼きのお仕事?」
「そや、そっち大丈夫かいな」
「こっちは人多いさかい」
 萌美はこう美咲に答えた、二人共動きやすい服で実際に動き回っていいる。美咲は神業と言っていい速さでたこ焼きを焼き続けている。
「何とかなってるわ」
「そやからうちに手伝いに来てくれたんか」
「おかんに美咲ちゃん手伝って来いって言われたな」
「おばさんに悪いな」
「こっちは人手足りんやろって言ってな」
「弟と妹もおるしおかんがおるけど」
 それでもというのだ。
「おとん今家のお店やっとるから」
「四人やしな」
「弟と妹小さいし」
 それでというのだ。
「実質二人や」
「そうやさかいな」
「おばちゃんそう言ってくれたんか」
「それでうち来てるねん」
「嬉しいわ、その心遣い」 
 美咲はしみじみとして言った、顔もそうしたものになっている。
「ほなお言葉に甘えてな」
「手伝うで、うちも」
「人手になってもらうわ」
「やらせてもらうわ」
「うちはどんどん焼くから」
 実際に焼きながらの言葉だ。 
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