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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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76部分:第九話 知っていた罠その二


第九話 知っていた罠その二

「だったら。全員纏めて相手をしてやってもいいんだがな」
「まさかこいつ」
「あの技は」
「知ってるんなら話は早い」
 インプ達の声を聞きつつまた笑ってみせる。
「死ぬか、また何百人単位で」
「やれるものならやってみるがいい」
 そのデスマスクに対してカナンが告げる。
「その技を出した瞬間に貴様は我々の技の前に倒れる」
「一斉攻撃ってわけかよ」
「最強の黄金聖闘士」
 最早これが前提となっていた。
「貴様を倒せばそれで決着がつくのだからな」
「よし、わかった」
 デスマスクはカナンのその言葉を聞くと右腕を下ろした。するとそこに宿りだしていた燐気までもが霧消してしまった。蛇の様なそれまでもが。
「ならこうしようか。おい」
 今度はジャミアン達に声をかけた。
「はい?」
「雑魚は御前等がやれ」
「へっ!?」
「雑魚っていいますと」
 彼等はいきなりこういわれてキョトンとした顔になった。しかしその彼等にデスマスクはさらに言うのだった。
「だからだよ。雑魚の兵隊共だよ、御前等でやりな」
「それはいいんですけれど」
「あの、それだとですね」
「何だ?何かあるのか?」
「デスマスク様が」
 彼等が言うのはそこであった。
「大変じゃないかなと」
「ひょっとしてですね」
「ああ、この連中は俺が一人でやってやるよ」
 何でもないといったような言葉だった。
「それがどうかしたの?」
「あのですね」
 ゾルダも今のデスマスクの言葉には引きつつ彼に言ってきた。
「相手は十人ですよ。しかも相手に八大公までいて」
「それデスマスク様御一人とは」
 ディオも言うのだった。
「幾ら何でも無理じゃないんですか?」
「馬鹿、俺を誰だと思ってるんだ」
 しかし彼等の忠告をデスマスクは軽く笑い飛ばしたのだった。
「黄金聖闘士だぞ。そうそうやられるかよ」
「ですから十対一ですよ。それは流石に」
「無理はされない方が」
「うだうだ言ってもラチがあかねえ。さっさとやるぜ」
 彼は遂には周りの意見をシャットアウトして強引に終わらせてしまった。そのうえでまた言う。
「御前等雑魚相手な、これで決定だ」
「決定、ですか」
「文句あるなら今から聖域に帰るまで飯代も旅費も全部なしだ」
「わかりました、そこまで仰るのなら」
「もう何も言いません」
 露骨な圧力までかけられては彼等も従うしかなかった。もっとももうデスマスクの本心はわかっているのだが。
「じゃあそっちは頼みますよ」
「くれぐれも御注意よ」
「楽勝で帰って来るさ」
 インプ達に向かう彼等に対して告げる。こうして聖闘士達は二つに分かれデスマスクはカナン達と対峙する。合流した四人は既に合流しカナンの後ろにいた。デスマスクは彼等を見据えてつつ問うのだった。
「で、新たに四人だったな」
「そうだ」
「如何にも」
 その四人がデスマスクの問いに答える。彼等の目は銀色の光を放っている。
「それなら話は早い。名前を聞いておくぜ」
「名前か」
「誇り高い狂闘士が名乗れないっていうわけねえよな?」
 余裕に満ちた表情のまま彼等に問う。
「どうなんだ?そこんところは」
「安心しろ、我等とて名乗らぬことはない」
「むしろ喜んで名乗らせてもらう」
 これが彼等の返答であった。
「そうかい、じゃあ聞くぜ」
 デスマスクも彼等の言葉を聞いてあえてニヤリと笑ってみせた。一目でわかる好戦的な笑みであった。それが彼に非常によく似合っていた。
 
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