ファンタシースターオンライン2 -銀色を包む琥珀色の星-
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第5話 繋がる想い
チームメンバーはこれからどうするかを話し合っていた。
バ「ツヴァイちゃんを救出できたのはいいけど、これからどうしようか…」
こ「元の惑星に帰す…ってのはオススメできないね…まだあのダークファルスがいる」
も「きっと追いかけるだろうね。執念深そうだったし」
く「なら倒せばいいじゃん」
わ「そうだよ。ウォンドでぶん殴ればいいんだよ」
アザ「マスター達の話を聞いてなかったのか?そのダークファルスは再生能力を持っているって言ってただろ?それに、まだ未知の能力を持っているかもしれない」
ヴァ「アザトスの言う通りだ。倒せる保証はどこにもない。最悪の場合もあり得る。ここは慎重に動くべきだろう」
え「そういうはいうがヴァルキリー、あんまりゆっくりしてる時間があるのか?そいつがいつあいつらを狙いにくるか分からないだろ」
メ「えんさんの意見には私も同意見ですわ。そんな悠長な時間をくれるとは到底思えません」
め「なら、やはりあの2人を守るのが先決なんでしょうか」
チームメンバーが悩み、唸っている時、ツヴァイとラフィルが近づいてきた。
バ「ラフィルちゃんにツヴァイちゃん!もう傷は大丈夫なの?」
ツ「…うん…もう大丈夫」
バ「そっか、それは良かった。待っててね、君達をどうするか、今話し合ってるから」
ツ「………もういいよ」
ツヴァイは小さくそういう。その言葉に誰もが驚いた。
ツ「私達の為に貴女達が戦うことなんてない。あんな化け物を相手にして…もし命を落としたらって考えたら…私…怖い…」
メンバーはしばらく沈黙する。彼女のいうことは理解していた。もしかしたら命を落としてしまうかもしれない…そんな恐怖は、そこにいる誰もが抱いていた。だが…
バ「心配してくれてありがとうツヴァイちゃん。でも、これは私が…いや、私達がやらなきゃならないこと。困っているなら助けたい。私達はそうやって生きてきたから」
ツ「なんで…なんでそこまで…」
バ「君達の過去をラフィルちゃんから聞いて、私達メンバーは話し合った。そして決めたんだよ。君達を仲間にしようって」
ツ「なか…ま…?」
こ「独りぼっちは寂しいでしょ?だから私達が側に居てあげる。ツヴァイちゃんもラフィルちゃんも、独りにはさせない」
ツヴァイを見つめるメンバー。その目には暖かさを感じた。ツヴァイが過去、国民からされていた目だ。それを思い出し、涙が溢れてくる。
バ「そうだ、君達に渡したいものがあったんだ」
そういって、バルバテスは懐からあるものを差し出す。それは…
ツ「これって…」
ラ「コスモスヘアピン…ですか?」
色違いのコスモスヘアピンだった。
バ「仲間の印として受け取ってほしいんだ」
こ「へぇ…マスターにしてはいいセンスだね」
バ「その言い方だと普段はセンスがないって聞こえるんですけどぉ!?」
こ「え?」
も「え?」
く「え?」
アザ「は?」
わ「違うの?」
バ「(´・ω・`)泣きたい」
メンバーが漫才をしている時、ツヴァイとラフィルはその贈り物を受け取った。
ツ「…ありがとう」
ラ「貴女方に出会えて良かったです、本当に」
2人はヘアピンを付ける。ツヴァイは白いコスモスヘアピン、ラフィルは紫色のコスモスヘアピンだった。
アザ「こんな時に話を変えて悪いが、こにぃ、お前に聞きたいことがある」
こ「え?なに?」
アザ「お前達のいうダークファルス、本当に見覚えはないのか?そいつはお前のことを知っていたんだろ?」
こ「うん…会ったことはないと思う」
く「そのダークファルスさ、こにぃたんのこと、私と一緒って言ってたんだよね?それってつまり…」
も「いやいや、こにぃがダークファルスってのは考えられない。私は昔からこにぃと一緒にアークスやってるんだよ?それだけは絶対ない」
ア「もみじさんの言う通り、こにぃさんがダークファルスって線はないですよ」
アルはある資料はメンバー全員に送る。
ア「それはこにぃさんの体内データです。ダーカー侵食率は0%でした。こにぃがダークファルスってのは100%あり得ません」
ヴァ「流石はアルだな。情報部に顔が効くだけあって、情報が早いな」
え「じゃあそいつが言う、私と一緒ってのは一体なんだってんだ…」
メ「それも謎ですが、もう一つ、分からない謎がありますわ」
め「お姉様、それはなんですか?」
メ「ダークファルスがツヴァイさんを狙った理由ですわ。別の惑星から追いかけてくる程です。相当の理由があると私は睨んでいますわ」
ツ「…あいつは…私の中にある不思議な能力を狙ってるんだよ…」
バ「その能力って?」
ツヴァイは小さく深呼吸し…
ツ「私とラフィルがまだ1人だった時に、生まれつき持っていた能力…それが、時間の巻き戻し」
バ「時間の巻き戻しってことは…時間を戻せるの?」
ツ「理屈上では出来る。でもこれには、膨大なフォトンを使用する。多分人1人分の全てのフォトンを使用しても、戻せる時間は数十秒が限界」
バ「それならその能力を手に入れる意味は…」
ツ「ある。あいつは体内でフォトンを生成出来ない代わりに、大気中のフォトンを体内に吸収できる。つまり、フォトンはほぼ無限といっても過言じゃない…」
バ「じゃあ、時間も戻し放題っていうことですか…そこまでして時間を戻したい理由があるってこと…ですか」
「中々頭のイイ人達だね」
その一言で全員はギョッとする。ツヴァイの後ろには、そのダークファルスが立っていた。
全員「「ダークファルスッ!?」」
そこにいる誰もが距離を取る。
バ「なんでダークファルスがこんなところに…!」
「そう慌てないで…私は争いにきたんじゃない、交渉にきた」
こ「交渉…?」
「その子、ツヴァイ…だっけ?その子を私に渡して。そしたら、貴女達の命までは奪わないでおいてアゲル」
も「そんな交渉に乗ると思ったの?渡す訳ないでしょ」
「…いいの?貴女達、その子を渡さないと、死ぬよ?今度は容赦しないよ?」
アザ「悪いが、私達は仲間を売るようなことしない。仲間の大切さを知ってるから。やれるものならやりな。出来たらの話だがな」
そこにいる誰もが、ツヴァイとラフィルを守ることを決意していた。目の前の化け物と戦うことも…。
「交渉決裂だね…なら、お望み通り殺してあげる。ここにいる全員、仲良く、コウカイサセテアゲル」
そう言い、赤紫色のオーラを纏い、消えた。
バ「き、消えた…?」
そう思った時だ。
ヴィィィィィ!!ヴィィィィィ!!
ロビー中に響き渡ったサイレンの音。そして、アナウンスが入る。
『アークス各員へ緊急連絡!!惑星リリーパの第一採掘基地周辺に大多数のダーカーが集結しつつあります。防衛戦に備えて下さい。繰り返します…』
こ「ダーカー!?なんで!?今まで一体どこに…」
アザ「…なるほど…そういうことか…」
こ「何か分かったの?」
アザ「あのダークファルスは、そこら中のダーカーを、ラフィルの惑星に移動させたんだ。ラフィルの惑星にダーカーが出現したんじゃない。この辺り全域の惑星のダーカーがラフィルの惑星に移動していたんだ」
こ「じゃあ…今採掘基地に集まっているダーカーは…」
アザ「ラフィルの惑星から戻してきたダーカー、この辺り全域に出現していた全てのダーカーってことだ」
ヴァ「つまり、今までの比じゃないってことか」
バ「いきましょう!私達の仲間のために!」
その一声で、クエストカウンターへ走る。と、その時だ!再びアナウンスが入る。
『ロビー内に残っているアークスに緊急連絡!!至急惑星リリーパの第二採掘基地へ向かって下さい。謎のダークファルスが出現。至急現場に急行して下さい!』
それは、ダークファルスからのメッセージに聞こえた。早くここへ来い、さもなくば…犠牲者が増える…と、そう言いたげだった…。
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