世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
真・恋姫†無双 ~そして休息へ~
玉座の間
そこに全員が集まっており、城の名医、華陀による治療を受けていた。
「まったく・・・・・・舜殿も舜殿だ!最初からそうだと言ってくれれば・・・・・」
「愛紗ちゃん、知り合いなんだっけ?前のときってどんなのだったの?」
「そういえば桃香おねーちゃんはいなかったのだ」
大広間であるそこには武将たちが座り込み、蒔風のことや前の出来事を話している。
初対面の人も、蒔風や前の出来事に関して簡単には頭に情報が流れ知ることが出来たが、それでも実際に聞かないとわからないのだろう。
「舜さん、あなたが来たという事はまた・・・・・」
身体の切り傷を手当している蒔風に、朱里を筆頭に何名かの軍師がやって来た。
「おう、朱里!・・・・・でいいよな?」
「はい、真名でいいですよ。それで・・・」
朱里の聞かんとすることは蒔風も分かっていた。
「奴」の事である。
「そう、また「奴」がきた。ごめんな」
「い、いえいえいえ!こちらとしてはとても助かりましゅ!」
と、蒔風が朱里の後ろに隠れる少女を見つける。
手をヒラヒラと振ってやると、オズオズと出て来た。
「あ、あのぅ・・・・・はじめまして、鳳統です・・・・・真名は」
「真名まで預けんのか?いきなりの相手に?」
「愛紗さんや朱里ちゃんが預けていますし、前の時の話しを聞くかぎり、あなたには構わないかな、と・・・・」
「それは光栄なこった。預からせてもらおう。で?真名は?」
「雛里です」
「ひなちゃんね、サンキュ!ああ、あとさ、他の人も紹介してくんない?」
「では、案内しま「あいや待たれい!」しょってえ?」
朱里の申し出を遮ってやって来たのは星さんである。
額には×の字に白い布が小さく貼られている。
「その案内私が「朱里、行こう」待ってくだされっ!?」
ガシィ、と蒔風のズボンの裾を握りしめ、星がズルズルと蒔風を引き止める。
「やっと会えたのですぞ!?さぁ、愛の囁きを!!」
「友人として大好きだ」
「ふふっ、この超子龍、都合のいいようにしか聞こえぬゆえに」
「・・・・・・はぁ」
蒔風が諦めたようにため息を吐き出す。
そこに一刀も合流して、四人でみんなの間を廻って行った。
その間に新たな仲間との真名交換も終わらせ、ついでに今の状況も聞くことにした蒔風である。
この外史では魏、呉、蜀による三国が天下を取ろうと争い、北郷一刀というイレギュラーによってまさかの三国一致。
今は平和な時を過ごしているのだそうだ。
「つまり大きな戦はないんだな?」
「そうだな。今は平和そのものだぜ?にしても驚いたよ」
「なにが?」
「いや、星にね。大体ここの武将は、その・・・・」
「お前に好意を持っているな。このクサレハーレム野郎」
「うるせぇ。だけど、星だけは違ったんだ。「主の事は主として好きだが、女としては違います」って言ってな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なあ蒔風、本当になんとも思ってないのか?」
一刀の言葉に、蒔風がうつむく。
そして、朱里と話す星の方を見ながら、蒔風が言った。
「思ってない事なんかあるか。こうやってオレにそんな感情をもっているだけでも、俺は彼女に仇で返してるんだ。申しわけなくてしょうがねえよ」
「そっちかよ・・・・・」
「そっち以外にあるか」
そんなこんなで全員との紹介が終わり、蒔風が最後の疑問を聞いた。
「なあ、なんでオレがあそこにいるって知ってたんだ?あと、なんで攻撃してきた?」
その質問に、一刀があはは・・・・と笑いながら答えた。
「オレがこの世界にやってくる事を予言をした占い師、管輅(かんろ)がさ、予言したらしいんだよ」
「なんていうふうに?」
「それは私たちが」
「説明するぞい!!!」
ザシッ!!とその場に現れたのは二人の筋肉ムキムキの変態、貂蝉と卑弥呼である。
「おお貂蝉!!!と、そちらさんは?」
蒔風が初対面の卑弥呼を見て、名前を聞いた。
「お初にお目にかかりまする翼人殿。我が名は卑弥呼。すでに身を引いた元観測者でございます」
「ってことは貂蝉の先輩か」
「そして、前にお話しした「赤銅の翼人」での戦いの唯一の生存者よ」
「マジか」
「あやつはとんでもない翼人でありました・・・・・だが銀白の翼人殿は違うのだと伺っております」
「あー、そんなかしこまんないでください。翼人とか全然わかんないんで。んー、あとまあそうですね。オレはそんなことしないっす」
「ならいいのだ。がっはっはっは」
と、そこで一旦話題が終わり、蒔風が最初の疑問に関して聞いた。
「ふむ、街ゆく男にふと漏らしたそうだ。「銀白の翼、災いと共に来たる」とな」
「それで舜ちゃんが来たもんだから、そりゃみんな慌てるわよねぇ?全く、管輅ちゃんったらテキトーな予言しちゃって・・・・・・」
「知ってんのか?」
「そりゃもう、彼女もあたし達と同じく、観測者だもの。ま、彼女の場合、外史での道標をするのが役割だけどねん」
「その人・・・・・結構いい加減だな」
「そうね。そのせいであれだけの戦闘が行われてるんですものね」
「その話を聞いた男ってのは誰だ?」
「調べてみるか?」
「お願い」
蒔風が一刀に頼み、調査してもらうことにした。
数十分後
「と、言うわけで見つかりました」
「早ぁ!?」
一刀が蒔風に声をかけ、それに驚く蒔風。
なんでもその男、街中で言いふらしていたのだそうだ。
「で?どこに?」
「見つけたのは翠なんだ。連れてきてーー!!!」
「おう!!舜、このトントン拍子な男が予言を聞いたって奴だ。おい!私に話したみたいに、トントン拍子に答えろ!」
「街歩いてて声掛けられて予言聞いた」
「トントン拍子だ・・・・・」
「ってかはしょりすぎでしょ。情報はそれだけ?管輅はどこに行ったとか」
「ん?さぁ?おい、もっとトントン拍子な感じで答えろ!」
「予言言ったらどっか行っちゃいました」
「まさにトントン拍子だ」
「どんな感じの人だった?」
「おい、どんな感じか、絶好調にトントン拍子に答えろ!」
「まあ綺麗、女、とりあえず目に止まる。オレもう帰りますね」
「さすがにトントン拍子過ぎるだろうがぁ!!!!!」
エキサイティングした翠が男の胸ぐらをつかんでグラグラさせている。
蒔風がその翠を男から引き放し、男を返してあげた。
「まったく・・・・・どうしようか」
「もういいさ。見つからないならそれで」
そうして蒔風が一刀と城の中を歩きだす。
途中に会うみんなは蒔風にあれからどうしたのかという話を聞こうと引き留める。
そのたびに足を止め、話してあげている蒔風もだんだんと疲れてきたようだ。
「一刀ぉ~~~。オレの部屋どこ?もう休みたァい・・・・・・」
「だよなぁ。今日は凄い戦いだったもんな。うん、部屋に案内するよ。「奴」はまだ来ないんだろ?」
「来ないね。明後日の昼くらいかな?」
「なら安心だな。もう遅いし、休んどけ」
「サンキュー・・・・・・ふああああ・・・・・・・」
蒔風が大あくびをして部屋に向かう。
そして傷ついた体をしっかりと休めた。
to be continued
後書き
アリス「やっと休めますね」
それはもう
次回はすっごく日常パート
ア「卑弥呼さんがあの戦いの生き残りだったとは」
あの人はそうである、という設定をつけさせてもらいました。
パねえな卑弥呼。
ア「次回、休みの日」
ではまた次回
幾千の苦しみ 幾万の絶望に身を焦がしながら
痛みを振り払い この願い貫いてきた
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