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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  真・恋姫†無双 ~激戦、闘う者達~


[Gate Open---Shin Koihime†Musou]


ゲートが開く。
そのゲートから蒔風が出てきた。


そして次の瞬間、いきなり叫んだ。




「あーーーー・・・・・・・あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!」



簡単に言おう。




落ちた。
そりゃもう落ちた。


場所は上空うん万キロメートル、雲の上。
もはや落ちるしかない高度である。



「っおりゃ!!」



だがまあ彼にとっては問題ではない。
地面が近付いてきたところで蒔風の背に銀白の翼が現れ、それが力強く羽ばたき、衝突を避ける。


バォオ!!ととんでもない風が周囲の砂を吹き飛ばす。
着地したのは荒野のど真ん中。遠くには街・・・・というか城が見えた。
城壁の中に街があるようだ。


だが着目すべきはそこではない。
蒔風が目を見張ったのは街と自分の中間点。

そこに軍隊があった。
というかあれは軍隊なのだろうか?


兵などおらず、見たところ武将しかいないようだ。
軍が掲げる旗には「魏」「呉」「蜀」が立つ。
そして何人かがこっちに弓まで引いている始末。


「えぇーー?なんでなんで?確かここ一刀の世界だろ?」


呆然する蒔風だがちょうど頭に現状の情報が流れてきた。


「ん?ああ?マジかよ・・・・・まあしょうがないよな、再構築された外史だもんな」


蒔風が呟く。
そう、ここは再構築された外史の世界。

この世界の住人に、前の世界の記憶はない。



一刀も愛紗も、そして星も、前の世界の事は知らない。
記憶を戻す方法はひとつ。











最主要人物と接触せよ。











「マジか・・・・・ってことはこの軍勢を抜けて一刀に会わなきゃならないのか?」


蒔風がうんざりしていると、軍の中から旗が上がり、開戦の銅鑼が打ち鳴らされた。

同時、弓が一斉に放たれ、何十もの矢が山なりに飛来してきた。



「っつ!?喝ァッ!!!」


蒔風が闘気を吹き出し、大声を出して大気を震わせる。
その振動に矢が空中で勢いを失って落ちる。


それを見て、軍の中から三人が飛び出してきた。



「ついに来たか・・・・・新キャラとかいるだろうな。楽しみだぜ!」



「いくよ!季衣!」

「おう!」

「蜀が魏延(ぎえん)!参るっ!!」


その三人は前の世界にもいた季衣、そして蒔風は初対面の、魏軍親衛隊の典韋(てんい)(真名・流琉)と、蜀の武将、魏延(真名・焔耶(えんや))である。


「おぉ、重量級!いきなりくるなぁ」


そう言いながら蒔風が力を借りる。
蒔風の髪が伸び、黄色のメッシュが入って


ドゴン!



季衣が投げ放った巨大鉄球を蒔風が片手で受け止める。
そこに、身の丈ほどもある大金棒「鈍砕骨(どんさいこつ)」を共に、蒔風の頭上から落下してきた焔耶。


「よっしゃぁ!!!」

「へへ~んだ!!ボク達の勝ちっ!!」

「わ、私なにもやってない・・・・」



蒔風がいた場所はクレーターのように窪み、周囲の地面がめくれて針のように起き上がっていた。



そこから季衣が鉄球の先端を回収しようとして鎖を引っ張る。


しかし



「え?」



その鎖の先に鉄球は無く、土煙の中から電子音が聞こえてきた。






《ax foam》






「なに!?う、うわっ!?」



押しつぶした際のまま鈍砕骨の上に乗っていた焔耶が、急に揺れた足場に驚く。



その下にいたのは、仮面ライダー電王アックスフォーム。
左手で鈍砕骨ごとそれに乗る焔耶を持ち上げ、右手には鎖のちぎれた季衣の鉄球を掴んでいた。


「なかなかやるやないかい。でもな、力だけの強さじゃあ、俺は泣かせられへんでぇ!!っと!!」



ドゴン!!!と鈍砕骨を地面に叩きつけ、その上に乗る焔耶も同じく地面に倒れる。
その衝撃と、地面からの振動で焔耶の内臓が揺れ、その場から立ち上がれなくなってしまう焔耶。


そして両手で鉄球を担いで、それを季衣に投げつける蒔風。
とんでもない勢いで飛んで行ったそれを、季衣が真っ正面から受け止めようとする。が



「えいっ!!!え?うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」



だがその勢いの強さに、季衣の小さな体ごと掻っ攫われ、軍の後ろまで飛んでいってしまった。




「き、季衣!!!よくもぉ!!!!!」

幼馴染がやられてカチンと来た流琉が、巨大ヨーヨーのような武器「伝磁葉々(でんじようよう)」を蒔風に向かって飛ばした。

だが蒔風はそれに合掌で挟み込むように両手を叩きつける。
するとバァン!!!!と太鼓のような轟音が鳴って、ヨーヨーの両面が弾け飛んでしまった。


武器を失ってはどうする事も出来ず、流琉はヒョイ、と蒔風に襟首を掴まれて猫のようにポーイと捨てられていく。




「おいおいどうした三国連合!!!!!どういうわけか知らないが、てめえらそこを通せ!!一刀に合わせろ!!!」


蒔風の大声に、聞き覚えのある声が答える。
それは愛紗、華琳、春蘭の物だった。



「やはり貴様・・・・・ご主人さまを狙っているのだな!!!!」

「ならばここを通すわけにはいかないわね。春蘭!!!!」

「ハッ!!!」




そして軍から一気に武将が押し寄せてきた。

その人数、十。



愛紗を筆頭に春蘭が続き、さらにその後に見慣れぬ三人娘、忍者のような風貌の少女と思春、最後に鈴々とこれまた見知らぬ少女、そして大きな何かを担いだ女性だ。



「知らない顔も多いな・・・行くぜ!」

蒔風が変身を解いてそれに応じ、一気に駆けだす。



振るわれる愛紗の青龍偃月刀を右手で掴み、それを引っ張って春蘭の大剣を防ぐ。
さらに後続から続く三人娘に対し、蒔風が瞬時に反応した。

一人目、于禁(うきん)(真名・沙和(さわ))の双剣。
二本ともの側面を左手刀の一振りで打ち砕き破壊。

そこから二人目が来る前に春蘭の腹部に蹴りを入れて後退させ、愛紗を偃月刀ごと放り投げる。

そして二人目、楽進(がくしん)(真名・凪)の突きをかわしてその下袖と左襟を掴んで背負い投げで地面に叩きつける。


「沙和!!凪!!!」


そして今さらながらに仲間の名を叫んだ三人目、李典(りてん)(真名・真桜(まおう))が先端がドリルになっている槍「螺旋槍」を蒔風に突き出してくる。
蒔風はそのドリルを横から掴むように握りとめ、ギャギャギャギャギャギャ!!!!とドリルの回転と蒔風の手で高温による煙を上げた。


そこに愛紗と春蘭が再び蒔風の首めがけて薙いで来た。
蒔風はドリルを放り投げるようにして押しのけ、この二人の武将の相手にかかる。

愛紗と春蘭の武器が襲い掛かり、それに対して足で抑え、互いに引っかかりあって剣が止まる。
さらに蒔風が足を落として武器を二つまとめて踏みつけ、ドンドン!と二人の腹部を掌底で打ち後退させる。

その間に鈴々がジャンプして蒔風の頭上から蛇矛を振りまわして襲いかかってきた。
さらには真桜が再びドリルを構えて突っ込んでくる。

それを確認し、蒔風が「フンッ!!」と気合を入れてドリルを掴み、手に力を込め、ついにドリルの回転を止めた。



「え?お、うおぉぉおオオ!?うひゃあああああああああああ!!!!????」



そうなれば取っ手の方が回転を始めるのは必然。
そしてそれを掴んでいる真桜の身体も槍を軸に回転し、それを蒔風が空中の鈴々に投げつける。


回転している真桜と鈴々がぶつかって、絡み合って地面に落ちる。


「う、腕がからまったのだ!?」

「ウプ・・・・・・」


真桜の意識の混濁もあって、ここで鈴々、真桜がリタイア。

そして足元に残っていた二本の武器を踏み砕き、素手で向かってきた片手ずつに愛紗と春蘭を掴んで投げ飛ばす。



その瞬間





シュ・・・・ジャジャカッ!!!!!




空気を切り裂く音と共に、忍者チックな少女、周泰(しゅうたい)(真名・明命(みんめい))と、思春の暗殺者コンビが襲いかかる。


明命の日本刀風の長刀「魂切」と、思春の曲刀「鈴音(りんいん)」の斬撃をしゃがんでかわし、いつ放ったかもわからない速度での手刀で二人の後頭部を強打する。

その一撃に明命が倒れ、思春が転がってその衝撃から逃れる。
だがなんとか避けたとはいえ、首に残るダメージは甚大で、とてもじゃないが戦闘はできない。

そう思考しているうちにぐらぐらと視界が揺れて思春も倒れた。



そして思春が倒れる事を知っていたのか、それよりも前に残った少女、翠の従妹の馬岱(ばたい)(真名・蒲公英(たんぽぽ))に向き合う。

その眼光に、蒔風にそんなつもりは毛頭ないのだがたんぽぽは「ヒイ!!」と小さな悲鳴を上げて武器の片鎌槍「影閃(えいせん)」にしがみついてしまう。



「たんぽぽ!!気をしっかりせんか!!!!」(ドォン!!!!)

「なぁッ!?」


そんなたんぽぽに激を飛ばしながら、十人の内の殿、厳顔(げんがん)(真名・桔梗)が剣と弩弓が合体した様な形の己の武器「轟天砲」から杭を撃ち出し蒔風を狙う。



それに軽い悲鳴を上げて逃げる蒔風。

「ちょっと待て!!!あれパイルバンカーだろ!絶対パイルバンカーだ!!!!」

「訳のわからん事を言うでない!!!!(ドォン!!!!)」



さらに轟天砲から射出された杭を回避し、蒔風が力を借りてそれに鎖を巻きつける。
蒔風の背後に現れたのは拘束の天使・アブラクサス。


蒔風の後方に飛んでいく杭にしたがって鎖がぐんぐん伸び、そして伸びきったところで思いっきり蒔風が引き戻した。
そして杭は映像の巻き戻しのように桔梗とたんぽぽのいた場所に突っ込み、突き刺さって衝撃を起こす。

二人がその衝撃に吹き飛ばされて、蒔風の十人抜きが終わった。





その光景に驚愕するのは陣に残った武将や軍師達だ。
立った今向かって行ったのは最高戦力ともいえる者たち。

それがあんな一瞬の動作であしらわれ、しかも撃破されてしまうなんて誰も考えてなかったのだ。



「は、はわわ・・・・どうしよう」

「しゅ、朱里ちゃぁん・・・・・」


困惑し、慌てる蜀の軍師、朱里と鳳統(ほうとう)(真名・雛里(ひなり))の二人の肩に、ポン、と手が置かれる。



「安心しな、あたし達で終わらせてやるさ」

「うちらの速さについてきたもんはおらん。あっちゅーまや」


そう言って出てきたのは翠と霞。

その姿に蒔風が小さな汗をたらす。



「おいおいまさか・・・・・・そういう事ばっか覚えてんのか!?」



二人の武将が蒔風に向かう。
この二人こそ、全武将中最速を誇る二人。



「チッ、めんどくさい事になんなぁおい!!!」

蒔風が力を借り、その身に装着する。





最速の戦いが始まる。













to be continued
 
 

 
後書き

アリス「真恋姫ですね」

はい。
今回は萌将伝よろしくな感じです。

三国一体平和な時だよ。


ア「でも皆さん蒔風のこと忘れてるんですね」


まあ再構築された外史だからね。
一刀と蒔風が直接会えばどうにかなるけど。


観測者は・・・・後に説明します。


無印もそうでしたが、真恋姫は更にキャラが増えて書ききれないキャラも出てくるかもしえませんね。


ア「まああんだけいれば・・・・・」



厳密にいえば麗羽さんや白蓮さん、南蛮の人達とかそこらへん。


ア「頑張ってくださいよ」


頑張ったら真恋姫の世界長くなるかも。
しかもそんなにネタが出てくるかが怪しいし。

ア「みなさん、この作者めんどいだけですよ」

ちょ!? 本音を言わないで!?


ア「シャレで言ったんですけど・・・・・」



・・・・・・・・・・・・てへ☆


ア「ほっとこ。次回、さらなる激戦、最強VS最強!?」


ではまた次回











行くぜ駆け抜けろ 覚悟を決めろ
臆病な自分から抜け出して
そして吹き飛ばせ 限界を魂燃やし走り抜け 
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