提督はBarにいる。
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
作り置き可能!激ウマソースレシピ&常備菜特集・その4
「う~……」
「どうした、口に合わねぇか?」
砂肝の塩煮をつまみながら唸っている金剛。
「そ、そんな事ないデスよ?とっても美味しいネ!」
なら、何をそんなに唸っているのか。
「もう少しボリュームのある物が食べたいんデス……」
「なんでぇ、腹減ってたのか。だったら早くそう言えよ」
「な……こっちはdarlingの仕事を邪魔しないようにと思って我慢してたんデスよ!?」
そんなモンは知らん。食いたいなら食いたいとハッキリ言えばその位の手間は惜しまない。じゃあ、作り置きにも向いてるボリュームあるおかずをツマミに作ってやるか。
《タレに病み付き♪カボチャと豚肉の香味炒め》
・カボチャ:150g
・豚肩切り落とし肉:200g
・酒:大さじ1
・おろし生姜(チューブでOK):適量
・おろしにんにく(こちらもチューブで):適量
・片栗粉:大さじ2
※香味ダレ※
・玉ねぎ(みじん切り):大さじ1位
・長ねぎ(みじん切り):大さじ1位
・オイスターソース:大さじ1
・醤油:大さじ1
・酒:大さじ1
・砂糖:大さじ1
・蜂蜜:大さじ1
・ごま油:小さじ1
・おろし生姜:適量
・おろしにんにく:適量
・白ごま:お好みで
まずはカボチャ。生のままだと切りにくいので、ワタを取り除いてラップでくるみ、500wのレンジで1分半くらいチンする。これで硬い皮も切りやすくなるハズだ。食べやすい大きさにカボチャを切ったら、耐熱皿に入れてラップをふんわりとかけてレンジで3分チンする。今度のレンチンは調理時間短縮の為の物だ。
豚肉に酒と生姜、にんにくで下味を付け、片栗粉をまぶす。サラダ油(分量外)を引いて熱し、豚肉を炒める。その間にタレに使う調味料を混ぜ合わせて、合わせ調味料を作っておく。
肉に少し赤身が残る位まで炒めたら、肉を端に寄せてカボチャを焼く。焼き色が付いたら、合わせておいたタレを流し入れて煮絡める。皿に盛り付けて白ごまをお好みでまぶせば完成だ。
「ほらよ、『カボチャと豚肉の香味炒め』だ」
「ん~!やっぱりdarlingの料理はdeliciousネー!」
カボチャを頬張りながらブラックデスを手酌でグラスに注ぎ、グビグビと飲んでいる金剛。それ確か40゜位あるはずなんだが……まぁいいか。
さて、作った物のラインナップを見ると煮物が欲しいな。とは言っても魚の煮付けは日持ちがしないし、野菜の煮物はウチの連中にゃウケが悪い。
「チャーシューでも仕込むか……」
必然的に肉の常備菜……しかも煮込んで柔らかくなる物に限られてくる。その中で今回はチャーシューをチョイスする事にした。本格的にやろうとすれば手間のかかるチャーシューだが、圧力鍋があると案外簡単に作れてしまうのだ。
《圧力鍋で!簡単チャーシュー》
・豚塊肉:500g
・油:ごく小量
・おろし生姜:少々
・玉ねぎ:1個
・醤油:大さじ6
・酒:大さじ3
・砂糖:大さじ3
・水:400cc
さて、仕込んでいこうか。使用する豚塊肉だが、部位によって仕上がりが変わる為、簡単に説明しておきたい。その中から自分の好みに合う物をチョイスすると良いだろう。
・肩ロース……一番それらしく仕上がる。赤身と脂身のバランスが丁度いい
・バラ肉……とろとろぷるぷる柔らか仕上げ。食べるときにスライスして炙ると香ばしくて美味い。けどちょっとくどい。
・モモ肉……脂少な目のヘルシーな仕上がり。他2つに比べるとパサパサした感じ。炒飯なんかに刻んで入れるにはこれが合う。
今回は肩ロースで仕込む。塊肉全体をフォークでブスブス刺して穴を開け、味が染み込みやすくするのと火の通りを良くする。たこ糸を巻いたらフライパンに油を薄く引いて熱し、豚肉を強火で焼いて焼き色を付けていく。
焼いている間に玉ねぎを粗みじんにしておき、圧力鍋に調味料等と一緒に入れておく。豚肉がいい色になったら圧力鍋の中に。蓋をして、強火で加熱開始。
強火で加熱し続け、圧力弁からシュンシュンと蒸気が逃げ始めたら、火を中火に落として20分。火を消して、余熱で15分。途中で圧が抜けても開けないように。もしも煮卵が作りたければ、肉を加圧調理している間に茹で卵を作って殼を剥いておこう。
豚肉の火の通り具合をチェック。竹串を刺し、赤い肉汁が出なければOKだ。再び火にかけて、蓋をせずに煮汁を煮詰めていく。時々肉をひっくり返しながら、全体に味を染み込ませていく。茹で卵もこのタイミングで入れて、味を染み込ませる。
自分の好みの色になったら、火を止めて肉を取り出し、たこ糸を外す。残った煮汁は皿に煮詰めてタレにする。これで完成。食べる時に食べる分だけカットして、辛子なんかをお好みで。保存する時はタッパーやジップロックにタレと一緒に入れておく……どれ、一口味見をするか。一切れカットして、タレを絡ませ、辛子を付けて……おほ、柔けぇ。脂も程よくトロトロだ、こいつぁ美味い。
「よしよし、上等だ」
さてさて、客も来そうにないし今夜はあと一品仕込んだら店仕舞いとするかね。最後に作るのは、『特製ピクルス』。ピクルスと言えば普通は保存食の酸っぱいイメージだろうが、俺の作るのは浅漬け風。2~3日漬けて酸っぱくなりすぎない内に食べきる形のピクルスだ。
《さっぱり美味しい!提督流ピクルス》
・酢(普通の穀物酢でOK):400cc
・白ワイン:200cc
・砂糖:100g
・塩:大さじ1/2
・ローリエ:2枚
・黒胡椒(粉末になってない物):20粒
・クローブ:少々
※野菜はキュウリやレンコン、人参等々、お好みの野菜を支度しよう。
まずやらなきゃならんのは保存容器の消毒だ。これを怠るとカビや腐敗の原因になるからな。鍋に湯を沸かし、ガラス瓶を煮沸消毒する。ゴムパッキン等が付いている物は、外してやるように。
次に漬け汁の準備。鍋に調味料とハーブを入れ、一煮立ちさせたら火を止めて置いておく。
お次は野菜の下拵えだ。キュウリはまな板に塩を広げて板ずりをしてイボを落としておく。蓮根や人参等の硬い野菜は皮を剥き、食べやすい薄さにスライスしておく。
今回は、キュウリ、アスパラガス、蓮根、小玉ねぎ、人参、ブロッコリー、セロリを漬ける。他にもカリフラワーやゴボウなんてのも歯応えがあって美味いぞ。
鍋に再び湯を沸かし、漬け込む野菜を1種類ずつ湯通しする。あまり柔らかくなってもいけないから、サッとでいいぞ。後は野菜を一口大に切り、保存する容器に野菜を詰め、漬け汁を野菜がヒタヒタになるまで入れる。冷蔵庫で2~3日漬けて完成だ。
「うし、今日はこんなモンか……」
後片付けを済ませ、手を拭ってから金剛に声を掛ける。
「うぉ~い、店閉めるから帰るぞ……って、寝てやがるし」
金剛の奴め、カウンターに突っ伏して気持ち良さそうに寝息を立ててやがる。まぁ、ここ最近疲れてたしなぁ。寝かせといてやるか。
「よっ……と。相変わらず軽いなぁ、お前」
俺は金剛をお姫様だっこで抱き抱えると、夢でも見てるのか、俺の腕の中でにゅふふ……と笑っている。
「darling……I love you」
「……夢の中でまで言わなくても知っとるわ、バカ」
俺はその可愛らしい寝顔に口付けをすると、そのままベッドへ運んだ。……何、その後?寝ている女に襲いかかる趣味は無かったが、あんな据え膳出されて手を出さねぇ訳がねぇだろう?きっちりと堪能させて貰ったよ。ただ、その翌日から3日間腰を痛めた金剛が戦線離脱したのは正直やり過ぎたと反省。
ページ上へ戻る