転生とらぶる
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ガンダムW
1560話
幸い……本当に幸いなことに、五飛は意識を失っていただけで特に怪我はせずに済んだらしい。
俺がした最悪の予想……首の骨が折れて死亡にはなっていなかったらしく、安心だった。
担架で運ばれていく五飛を見送り、次に早速ガンダムの調査をしている整備員達へと声を掛ける。
「おい、そのガンダムの所属は色々と曖昧な状態だから、あまり無理に機体を調べるような真似はするなよ」
「えー、駄目ですか?」
整備員の1人が不満そうに告げ、他の整備員達もまた同様に頷く。
ガンダムという高性能なMSを調べたいという気持ちは分かる。
だが、それでも今の状況で迂闊にガンダムに手を出すような真似をすれば、後々コロニーとの交渉で不利になる可能性もあった。それに……
「パイロット以外の奴が無許可で機体に触れると、自爆する可能性もあるぞ」
その言葉が周囲に響き渡ると、整備員達は一斉にガンダムから離れる。
少し驚き過ぎだとは思うが、実際ガンダムであればそんな装置があっても不思議でも何でもない。
それだけ高性能のMSなのだから。
まぁ、実際にはそんなシステムは積んでいないだろうというのが俺の予想だが。
「トールギスとトーラスの整備をしっかりやっておいてくれ」
五飛が気絶していたということで、運ばれていったのを確認した綾子がトーラスから降りてこっちに近寄ってくるのを見ながら、整備員達へとそう告げる。
トーラスの能力と綾子の操縦技術を考えれば、対OZ戦で間違いなく有効な戦力として使えるからというのが大きい。
そんな俺の思いは知る術がないだろうが、それでも整備員達は俺の指示に従って動き始める。
「で、あたし達はどうする?」
「そうだな。取りあえず現在の状況をしっかりと確認しておく必要がある。特にノベンタの声明発表がかなり遅れたのを考えると、何かあったと考えるべきだ」
一応映像では怪我をしているように見えなかったし、ノベンタには秘書をつけてある。
そうである以上、何かあったとしても身体の心配はいらないのだが、それでも何があったのかは調べておく必要がある。
「なるほど。ちょっと待って」
そう告げ、綾子は何かに集中するように目を閉じ……やがて開く。
「どうやら、OZの連中が総会を襲おうとしたらしいね。それを凛が防いだらしい」
「ああ、そう言えば念話があったか」
半サーヴァントの綾子とそのマスターの凛は、念話が使える。
ただし、聖杯戦争の時とは色々と違っている。
あの時は特に集中する必要もなく念話が可能だったのだが、今は俺という存在が間に入っていないからか、それとも綾子が半サーヴァントだからか……ともあれ、念話を使うのにかなりの集中力が必要だった。
こうして何もしていない時であれば特に問題はないのだが、戦闘中とかに念話を使うのは難しい。
……ホワイトスターに戻る事が出来たら、一度異世界間でも念話が通じるかどうかの実験をしてみたいな。
「にしても、OZがそんな真似をするとはな」
OZ……より正確には、トレーズらしくない行動だ。
トレーズ風に言えば、これはエレガントな行為だとは思えない。
だとすれば、これは例によって例の如く、レディ・アンの暴走か?
まぁ、俺がオペレーション・デイブレイクについて知っているというのを考えれば、それに対して何らかの手を打ってくるのは当然だろうが。
「……アクセル。悪い知らせだ」
真剣な表情を浮かべた綾子が、周囲に聞こえないようにして俺の近くへと近づいてくる。
そして耳元で囁く。
「現在世界各地にある連合軍の基地が、OZとの戦闘に入っているらしい」
「だろうな」
オペレーション・デイブレイクを途中で中止するかもという期待は、微かにだがあった。
だが、総会でこのような邪魔をしてしまった以上、OZにとっても後には退けないだろう。
いや、トレーズが全てを決める事が出来ていれば話は別だったかもしれないが、結局トレーズはOZの……ロームフェラ財団が有する一部門の長にすぎない。
であれば、ロームフェラ財団の上層部が決めた件には抗う事は出来ないだろう。
勿論本気であれば、トレーズのカリスマでロームフェラ財団を乗っ取る事は出来る筈だ。
現に原作では最終的にはロームフェラ財団を支配しているのだから。
だが、トレーズは自らの美意識によってそれを行わない。
そうである以上、オペレーション・デイブレイクが実行されるのは当然だった。
「行くぞ。ノベンタ達に会って、これからどう動くか聞く必要がある」
その言葉には、綾子も異論はなかったのだろう。
小さく頷き、俺と綾子は整備員に少し出ると言ってから格納庫を出ていく。
本来なら俺のような立場の者が自分から動くというのは色々と問題がある。
特に今はオペレーション・デイブレイクが行われており、地球各地でOZとの戦闘が起きているのだから。
本来なら、命令が下されるのを待っているのが当然なのだ。
だが……今の連合軍の状況を考えると、とてもではないがそんな事をしているような余裕は存在しない。
自分から動き、情報を得て、行動に移す必要があるのだ。
そして俺と綾子は、総会が行われていた建物の中へと入っていく。
「遅かったわね。もう少し早く来てもいいんじゃない?」
そんな俺達を待っていたかのように、凛が姿を現す。
「無事だな?」
そう尋ねるも、凛に怪我らしい怪我がないのは俺の目から見てもすぐに分かった。
まぁ、MSが相手ならともかく、凛がこのW世界の人間を相手にどうにかされるとは思ってないが。
俺の問い掛けに一瞬だけ笑みを浮かべた凛だったが、すぐに頷いて口を開く。
「ええ、問題ないわ。それよりノベンタ元帥達が待ってるわ。こっちで何が起きたのかは、歩きながら説明するから」
それだけを言うと、凛はこっちを待たずに歩き始める。
俺と綾子もそんな凛の後を追う。
「それで、OZが何か仕掛けてきたって話だったが?」
「ええ。連合軍がOZを怪しんでいたのは、当然向こうも分かっていたんでしょうね」
「だろうな」
OZは基本的に優秀な奴が多い。
勿論中には色々と問題行動の多い奴――アレックスやミュラー等――もいるが、それでも優秀な人材なのは間違いない。
そんなOZが、ここ最近の連合軍の動きを感じていない筈はなかった。
「で、もしかしたらこの基地をガンダムに襲わせる計画が失敗する可能性も考えていたんでしょうね。念の為にって事で、武装した兵士を30人くらい用意してあったのよ」
「つまり、いざという時はガンダムじゃなくて自分達でノベンタ達を暗殺するつもりだったのか?」
「恐らくはそうなんでしょうね」
「で、それを行う前に凛に見つかった、と。……不幸だな」
「ちょっと、それどういう意味よ。綾子と生身で戦わなくても良かったんだから、不幸とは言わないんじゃない?」
「ちょっと待て。何でそこであたしが出る?」
俺と凛の会話を聞いていた綾子が、心の底から不満そうに口を挟む。
……正直、魔力で身体強化をした凛と、半サーヴァントの綾子。どっちもどっちって気がするんだけどな。
「綾子の馬鹿力で殴られれば、骨折程度で済んだら御の字でしょ?」
あっさりと告げた凛に、綾子が言い返そうとするも……
「とにかく、OZの兵士が何人か妙な動きをしていたから、その後を追ったのよ」
凛はそんな綾子の話を無視するかのように、OZの件を話し出す。
実際時間がないんだし、今はそれが正解なんだが。
綾子もそれを理解しているのか、不満そうにしながらも凛の話を邪魔する事はない。
「で、その人達が向かったのが、OZの格納庫。そこに停まっている飛行機から銃を持った人達が30人くらい出て来て、ノベンタ元帥達がいる会議場を襲うって話をしてたから……」
「そこで一気に仕留めたと?」
当然そうだろうと思って口に出した言葉だったが、凛は首を横に振ってそれを否定する。
「いいえ。だって、その時点ではまだOZの兵士達が本当にノベンタ元帥達を襲おうとしているという証拠はなかったもの」
「いや、だってノベンタ元帥達を襲うって言ってたんじゃないのか?」
綾子の言葉に、俺も同意するように頷く。
だが、そんな俺達に向かって凛はどこか呆れたような溜息を吐く。
「あのね。襲うって言ったのは事実だけど、それは冗談だって言われたら、何の反論も出来ないのよ? 銃を持っている兵士が30人もいるのは色々と不自然だけど、ガンダムの襲撃があったから護衛の為……って言われれば、それは否定出来ないんだし」
「……MSを、それもガンダムを相手にして人間が持つような銃でどうにか出来るとは思えないけどな」
リーオーのライフルや、エアリーズのチェーンライフルでも殆どダメージを受けない装甲だ。
そこに人間が使うような銃で撃ったとしても、何の意味もないと思うんだが。
「で、その人達が会議場に乗り込むまで待って……それで一気に仕留めたわ。その方が、連合軍の人達も私達に恩を感じてくれるでしょ?」
「もしかして、そっちが本命だったのか?」
自分達を襲撃予定だったのを未然に防いだというのと、実際に襲われたところを助けたのでは、明らかに後者の方がお手柄に見える。
実際には未然に防ぐという方が難しいし、功績としても上なのは間違いないんだが。
そんな俺の思いに、凛は微笑を浮かべるだけで何も答えない。
そっちにも考えがあったのは間違いないな。
「それで、トレーズとレディ・アンはどうした? 俺が聞いた話だと、トレーズが総会を長引かせていたって言われたんだが?」
「残念ながら、そのドサクサに紛れて消えたわ。一応連合軍の方でも追っ手を出したみたいだけど、捕まえられてはいないんでしょうね」
「……惜しかったな」
ここで一気にOZのトップを捕らえる事が出来ていれば、これから先の展開は幾らか楽になったんだが。
それと、トレーズ教の狂信者のレディ・アンもここで捕らえる事が出来ていれば、暴走されるような事もなかったんだが。
にしても……なるほど。
さっきから兵士達が凛に対して憧れや尊敬の眼差しを向けているが、どうやらそれが理由だったらしい。
1人で30人の武装した兵士を倒した人物……それもちょっと見る事が出来ないくらいの美人ともなれば、今の状況も当然なのだろう。
そして俺に向けられてくる嫉妬の視線。
……あれ? 俺、一応ガンダム3機を相手にして、互角以上に戦ってたよな?
しかもそのうちの1機を鹵獲してるし。
一応それなりに手柄を挙げているつもりなんだが、何で凛に向けられる視線は好意的なもので、俺に向けられる視線は嫉妬なんだ?
まぁ、この建物の中にいるのは、実際に凛が活躍している光景をその目にして、俺が活躍した光景は見てない……からか?
そして凛は、俺に向けて少しだけ自慢げな視線を向けてくる。
「とにかく、OZの方はこれで反逆決定な訳だ」
「でしょうね。……ただ……」
何かを言おうとした凛。
いや、その何かってのは多分オペレーション・デイブレイクなんだろうが。
ともあれ、その何かを口にしようとした時、連合軍の兵士達が守っている部屋の前へと到着した。
当然の如くといった風に、兵士達は凛へと敬礼する。
うん、どうやら俺が思った以上に凛は連合軍の兵士達からの信頼を集めたらしい。
「ノベンタ元帥達に取り次ぎをお願いします」
「いえ、その必要はありません。貴方達が来たらすぐに通すように言われてますので」
そうして部屋の扉を開け……中に入った瞬間、俺達へと向けて大勢の視線が集まる。
その部屋、会議室の中には、ノベンタ、セプテム、ベンティといった、いつもの面子だけかと思ったら……全部で五十人くらいの軍人達の姿があった。
「おお、アクセル。君達シャドウミラーのおかげで、ニューエドワーズの基地の被害は少なくて済んだ。感謝する」
「ま、仕事だしな。それに連合軍のエアリーズ部隊もガンダムを抑えるのに十分な働きをしたんだ。そっちも褒めてやってくれ」
「はっはっは。勿論だとも」
そんなやり取りに、唖然としている軍人の姿も多い。
俺とノベンタの普段の会話を知らない者にしてみれば、所詮傭兵が連合軍の元帥を相手に対等の口を利いているのだから当然だろう。
かといって、そんな俺を咎めようにもノベンタは嬉しそうに笑っているし、ベンティも同様に笑みを浮かべている。そして強硬派筆頭のセプテムは笑ってはいないが、特に気にしている様子もない。
連合軍のトップ3が気にしてないのだから、俺に注意をする事も出来ず……
「それで、OZが本性を露わにしたんだって?」
その一言で、一瞬前まで笑っていたノベンタの表情が真面目なものに変わる。
「うむ。正直なところ、信じたくはなかったのだが、な。現在地球上にある、幾つもの基地がOZの奇襲を受けている」
「……そうか。それで、俺に……」
どうしろと? そう聞こうとした瞬間、部屋にあった通信モニタが起動する。
『大変です、ガンダムのパイロットが目を覚まして暴れています!』
軍医と思しき白衣を纏った者が映し出され、そう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:575
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1217
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