魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築
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1部 始まりは突然に
2章 ドキドキな小学校ライフ
ドキドキなお泊りとお花見
気づいたら見知らぬ部屋で寝ていた。
ん~
幸い白い部屋じゃないみたい。
転生の時と同じパターンかよ
成長してねえな
うぅ~まだ頭ががんがんする。
気分も悪い
やっぱりキャパシティオーバーだったなぁ
クラスメイトを殺して自己嫌悪に落ちるよりはましか
まだ、人を殺す覚悟なんてできない。
いつか経験するかもしれないが、
そんな経験は遅い方がいい。
窓を見たらまんまる満月お月様良い月だな。
こんな日は月見酒が良いんだけど、
酒ね。
ここ数年飲んでないなぁ
どんな味だったっけ?
外は庭付きの家みたいで、外に道場が見えるって事は
画面上だけど見覚えがある
言うことは、高町家かここは
部屋の内装からなのはの部屋みたい。
まぁ晶やレンがいるから、
ここしか部屋が空いていなかったのかな?
女の子の部屋って、なんか恥ずかしいな
考え事をしていたら扉がが開いた。
「あ~お母さん。綾ちゃん目が覚めたみたい」
「なのちゃんここは?
私なんでここにいるの?」
俺は理解はしているが、ごまかしてみた。
「もうびっくりしたんだから、
わたしが塾から帰っている途中で、前から綾ちゃんが倒れてくるんだから、
もう心配したんだよ。
大丈夫なの?」
「ありがとなのちゃんはわたしの命の恩人だね」
「にぁ、にゃ、そんな事無いよ。えっと大丈夫」
「ありがとう。何とか大丈夫みたい」
「久しぶりに聞いたなぁ」
俺が不思議そうにしていると
「なのちゃんってね。晶ちゃんやレンちゃんが私の事をそう呼んでいたから・・・えっとね・・・」
そう言って二人の事を紹介された。
そう言えば3年生って言ってたっけ
原作は2年生でリリカルおもちゃ箱のなのはは3年生だったかな?
自分の記憶と一致しないから多分忘れた方がいいのかもしれないなぁ
なのはと会話しながら考え事をしていたら、桃子さんがやってきた。
「綾ちゃん大丈夫?
申し訳ないけれど学校に連絡をして、
お家の電話を聞いて状況を伝えたから。
そして今日はうちに泊まらせるといっておいたからね」
「家にどうしよう心配かけちゃう・・・」
「そうね。
でも体を大事をとって、今日は泊まっていって、
気づいたってお家には連絡しないとね」
「はい」
終わってから家に連絡をして、とりあえず貧血で倒れたみたいってごまかした。
後は桃子さんに変わって大事をとりました。
い
運はあると思う。
あのまま倒れていたらどうなることやら、
戦いに勝って最後にあれでは勝ったとはいえないかも
今日は下準備に転入初日で、だいぶ精神力使ったし、
キャパオーバーで最後の3つの呪文で力尽きたみたいだな。
スカートっていうのも精神的にダメージが・・・
言い訳考えたらいくらでも出てくる。
これで当分は厄介ごとはないかも
レベルダウンはしたけれど、
もしビドゥンの事件があったとしても結構な時間があるはずだから、
それに向けてゆっくり上げて行けばいいだろう
当たり前かもしれないけれど、俺以外にもいるなんて、
何でそんな当たり前のことを思いつかなかったんだろう。
神がそんなこと言っていたような。
まぁ覚醒して4年も前の話だし
なのはは、久しぶりに人が増えてうれしそうだった。
数年前に結構な人数が居たそうだ。
やはり士郎さんが生きているみたい。
そっちのほうが嬉しいけれどね
とらハとは違うのかな
「綾ちゃん今度の土曜日の夜時間空いている?」
桃子さんがご飯の後片付けが終わり
リビングに帰ってくるときに話しかけられた。
「はい大丈夫ですが?何かあるのですか?」
「四月といえばお花見。高町家、月村家でお花見をするからどうかなっと思って」
「私はいいのですが、お父さんお母さんに聞いてみます。」
「もう絶景だからお許しが出たらぜひ来てね」
「はい」
そうだこれ言わないと
「せっかくもらったシュークリーム
駄目にして申し訳ありませんでした」
少し、だいぶ残念。わたしが倒れた瞬間道路に落ちてしまい
グチャッてなっていたそうだ。
あのままホールディングポケットに入れとけえばよかった。
「シュークリームはまた作ればいいけれど、綾ちゃんが無事でよかったわ」
「そうだぞ綾君。なのはから聞いたときはおどろいたものだ」
士郎さんが心配そうに声をかけてくれた。
「本当にありがとうございます」
そんなこんなでお風呂から、帰ってきたなのはと一緒に
たわいない話をしてなのはの部屋でお休みしました。
本当は部屋を借りようとしたのだけどなのはが、
わたしの部屋で寝ようとの鶴のひとごえでそうなった。
恭也さんがちょっと怖かったのは・・・
そこでまた事件。
当たり前だが寝床で言い争いをしていた
私はベッドの下で寝ると言い張り、なのははベッドで一緒に寝ようとのこと
まぁ小学生に欲情するほど馬鹿じゃないけれど・・・
折れました。
わかったことだが、実はなのはに弱いことが発覚今日みっともない所があったからかな。
後ろから慰めてくれたこと。もう、ありえないことばかりやってしまった。
アリサやすずかにも多分弱いんだろうな。
幼女のきらきらお願いは反則過ぎる
結局なのはのベッドで眠ることになった。
そして隣では小さく可愛い寝息が聞こえる。
これが将来
翠屋の二代目。クロノの奥さんになる可能性がある女性か
このままとらはコースになったらの話だけど・・・
俺の知っていることとかなり違うからどうなるのかな?
なんかまだあったことないけれどクロノに渡すのはもったいないような気がする
この可愛い天使のような寝顔を見ていると、
でもこんな小さい体ですごい包容力
まさかわんわん泣くなんて思わなかった。
桃子さんと士郎さんの娘だからかな
なのはの頭に手を乗せ
「今日は本当にありがとうなのはすごく癒されたよ」
やはり疲れていたからかすんなり眠ってしまった。
そうして俺はとてつも長い一日を追えた。
早朝俺は少し目を開けたら、なのはの顔がアップになっていたので
もうびっくり!!!
どうやらなのはは、暖かいものに抱きつく習性があるのか
ただいま抱き付かれています。
さて起こさないようにはずさせてもらおうと思ったんだが無理っていうっ事で
俺は自分自身を気体にして脱出
呪文は便利だよね
うんうん寝る子は育つっ言うけれど、
寝すぎじゃないかなと時計を見たらまだ6時少し前ぐらいだった。
俺が早く起きすぎただけか・・・
一日ぐっすり眠れば、体は大丈夫のようだ。
さて下に降りて庭の方に向かうと道場のほうから
木刀の心地よい音が聞こえる。
その音に導かれるように、道場の入り口についた瞬間に扉が開いた。
えっと自動ドア?
「綾君起きたのかね」
士郎さんが来る瞬間にあけてくれたみたいだ
「士郎さんおはようございます」
「おはよう。こんな朝早くどうしたのかね」
「私も大体この時間ぐらいに起きているので、
それで心地よい木刀の音が聞こえましたから誘われるように・・・見学をしてもいいですか?」
「ん~見学はね・・・そうだ軽くやってみないか」
「それではお願いしますか?相手がいなくて困っていたんです」
「では美由希相手を頼んでいいかな」
「はい師範」
俺は少し着替えてからまた道場に戻ってきた。
めがねをはずした美由希さんは普段のおっとりした雰囲気から一転、
びしっとした雰囲気をかもし出していた。
気を抜くとやられる
「綾ちゃんはどんな武器を使うのかね」
そういわれてすごく困った。
基本なんでも使いこなすが、たぶん基本は西洋剣なんだよなぁ
「普段は西洋剣と空手の真似事なんですが、この木刀を使わせていただきます」
「ルールは剣のみ」
細かいルールは結構あった。
あたったところは使えないということ
「美由紀さん胸をお借りします」
「こちらこそよろしくね」
「剣のみ一本はじめ」
すごく隙がなく美しいと思った。
すごく惚れそうなぐらい見惚れてしまいそうだ。
一流の剣士は立っているのも芸術なんだと、このとき初めて知った。
あの武蔵も芸術作品になっているのだから
剣のみの戦いなら、こちらが不利なら動かしてもらう
御神を甘く見てはこちらがやられる。
俺は美由希に連続攻撃をかました。
技量にもよるが、最大5回連続の連続攻撃、烈旋
最後に足元を防がせてここまでは計算どおり。
そして本命の一刀両断 斧重
戦士マスター奥義
烈旋を防いだ後での必殺の一撃もらった~
よし決まったと思った瞬間体が流された。
流された瞬間綾の体は、美由希から見て後ろ向きになり
美由紀の剣が綾の首筋に決まる瞬間綾は、
前転をして事なきを得た。
「は~危なかった。まさかあそこからカウンターがくるとは思いませんでした」
「前転するなんて、こちらもびっくりです」
ってあれを回避するか、ありえないだろう
もともとこちらに分があるハンディキャップなのに。美由希はやはり強い。
なぜなら御神の技を使わず
それでいて今は小太刀サイズの木刀一本で戦っている
それでいつもならこうって体が覚えているのを勝手が少し違うから、何とかやらさしてもらっているがやはり子供の体力だからかスタミナがないような気がする。
こちらの打ち合いは剣で受け流したり
交わしたりするのに対し、こちらは、ガード、受け流し、
交わしと何でもあり
打ち合いでの力比べなんてしたら、多分って言うか完全に力負けする。
絶対にこちらが分が悪い
あんなきゃしゃな体で意外と力が強い
俺は少し距離を置くようにツーバックをしてからの
ダッシュスライディングの感じで動きながらしゃがみだして、
剣を構えて上空攻撃
変形の天駆
戦士の技の上空技
意外性のある行動をしての奇襲攻撃
正統な攻撃はこちらに不利だから、トリッキーな攻撃でと思ったんだが、
これもかわされたので上昇中に空中で一回転をして、天井に足をついて地上に突進をする
戦士技突進攻撃
牙追
それさえもかわされ
ぽんっと首に軽く当てられた。
しゅうりょ~
「はぁ、はぁ 負けました。」
「こちらこそありがとうございました。綾ちゃんすごく強いね」
「ふ~っでも、手加減されてこれじゃ恥ずかしいです」
審判をしていた士郎さんも
「ん、すごいね綾君。僕もまだ見知らぬ技を見て心が躍ったよ。恭也はどうだい」
「ふむ、最初の連続攻撃は多分けん制だったんだと思うけれど、次の行動を考えて動いたから、
そのせいで少し攻撃が遅くなったんだと思う。
もちろん次の攻撃やパターンを考えるのは、いいことだ、
でもそれは行動に移す前のことでまだ経験不足なのかなと感じた。
でもあの前転はびっくりした。」
「そうだよね恭ちゃん私もびっくりして、一瞬何が起きたか理解できなかったから~」
それでかわされてるんだから・・・
「訓練中は恭ちゃんはやめろ」
「はい、恭也師範」
「美由希も変わったことやりだすからあわてすぎと、
いつもと勝手が違うからといって動きが単調だ。
これは少しずつ修正するしかないと思う。
でも最後の攻撃をびっくりしながらもかわし攻撃できたのは良かったと思う。
士郎師範はいかがですか」
「ん~まぁ恭也は厳しいからなぁ。
でも今恭也が言った事を行ったらまた少しあがると思うよ綾君」
「ハイ」
「もし一人で訓練で手が貸してほしいときは言いなさい。模擬戦などをしよう。」
「ありがとうございます」
終わったとき
恭也さんが道場の扉を開いた
そこにはパジャマ姿のなのはが立っていた。
「おと~さん、おに~ちゃん、おね~ちゃん、綾ちゃんおはよう
いつもより少し時間がたっているから、お母さんが呼びにいってって」
「「「おはようなのは 」」」
「なのちゃんおはよう」
「恭也さん、士郎さんさきほども思ったのですが、来ることを知っていたのですか?」
「ん、長年剣で生活していると、わかるようになるんだよ。
まぁなんだそんな訓練ばかりやっていたからなぁ」
士郎さん
「今日はなのはは早く起きたないつもは・・・」
恭也さんがそう言った瞬間
「わわわわ」
なんか大声を出してごまかしてる。
そっか思い出したなのはって寝坊助さんだったっけ
「先にお風呂入ってくるね、行こ綾ちゃん」
「え」
「今日も学校があるから、早めにお風呂入らないと間に合わないから」
「遠慮しますって・・・」
「え~」
美由希さんはすごく驚いていた
けれど、なのはと同じ年齢でしょということで引っ張られてしまった
「遠慮という言葉は」
美由希さんは凄く良い顔で
「ダメ」
言い切りやがった
すごく理性が・・・
いくら今女と言っても
JKの裸だよ
恥ずかしいし理性が
親とも記憶が戻ってから入ってないのに・・・
今度一緒に入ろうねとはなのはのこと
なのはなら恥ずかしくもなんともないのだけど
さすがに年頃の女性の裸身をみるのは
何年たっても恥ずかしい
朝食を食べていると家のチャイムがなって
桃子さんが対応した。
「お邪魔します。はじめまして南條です。
うちの娘がお世話になりました。」
俺も食事を取るのをやめ玄関に移動
「お母さんおはよう」
俺が近づいた瞬間
母親に抱きしめられた。
「大丈夫綾ちゃん。もぅ お母さん道で倒れたと言われて
凄く心配したんだからぁ~」
少し泣き声で抱きしめられたから
「うん、ごめんなさい。多分緊張しちゃって、でもありがとう」
少し俺も涙が出てきた。
高町家が総出で玄関に来たので
少しの間羞恥プレイになったのはいうまでもない。
「お母さんところでどうしたの?」
「どうしたのって、あなた昨日の時間割で学校に行くつもり」
「あ!」
「かばんを持ってきなさい。今日の時間割の教科書とか持ってきているから」
「は~い」
「お母さんが来てくれて良かったね」
ひまわりの笑顔でなのはがそういってくれたから、
反射的に
「うん」
言って2階のなのはの部屋からかばんを持ってきた。
それから少しお母さんと桃子さんが話し終えて
お母さんから夜桜の件は許可をもらった。
そしてなのはと一緒にスクールバスに乗ったら、
アリサとすずかからなんでなのは (ちゃん)と一緒に来てるのとの事で、
バスの乗っているときに説明
教室に着いたら案の定
神威が来ても女性陣は取り巻きにならなくて、
普通の男子生徒になっているので安心
でもアリサとすずかから視線
特に何かやったでしょうという目線と、話しなさいよという目線をアリサから受けてしまった。
手紙を渡してもらいなのはの前では話せないとの事と、
多分神威は嫌がらせは起こらないから安心してとの事を伝えた。
もう一人興味深そうに見ている人物がいた
それはサイツも真剣にこちらを見ていた。
おまえがやったんだろって言われている感じがした。
あれから教室はとりあえず平和だった
あのオリ主とか言っていた神威もおとなしくなっている
まぁ横着ではあるが年相応なもの
女性を常に置くことはない
あれは男性にもかかっていたみたいで
すべてにおいて異常な教室だったんだなぁと確認
まぁ変なオッドアイだか、顔はいいからもてることはもてているそうだ
サイツはまぁいまのところ静かで不気味は不気味
でもよく武勇伝は聞く
たかりゆすりのグループをつぶしたとか
弱いものいじめをしていたやつにいじめ返すとか
まぁ任侠に生きているみたいだ
今日は待ちに待った花見
俺の家族も誘われたが
父親が仕事で遅くなるから桃子さんに
お願いしますといっていたそうだ
今日も高町さんの家にお泊りが決定
昼食のときに
アリサから「あれを見ないなんて人生の半分は損をしている」
といわれ
すずかからは「あそこはさくらお姉さんの場所だからね~」
なのはも「うん、もうおとぎの世界だよ」
3人娘から絶賛というわけで行く前から
わくわくしている
でも夜桜だから
お酒を飲みながらめでるのがいいんだけど
まぁダメだよな
生前は良くやっていたけれど
アパートの窓から半のりしてするめを食べながら
桜と月を肴にして良く飲んでた。
そういえば家族以外の人と
一緒に花見をするのはいつぐらいだろう?
そう思い煩いをしているとまだ会っていない人
おっとり茶髪の女の子が歩いてきて
何もないところで転びだした。
「わぁあ」
「えっと大丈夫ですか?」
手をかざしてそういったら
「あははは、慣れてますから」
テレながら返事をしてくれた
リアルに何もないところで転んだよこの人
いうかなれてるって・・・
神咲 那美さん美由希さんの友人で
とらハ本編にも出てきたヒロインの一人
こう見えても鎮魂を得意としている退魔士
このどじっ娘がと思うけど
結構なヒーリング能力は高い凄腕の退魔士です。
美由希さんも外に出てきて
一緒にわいわいしている
ちょうど全員集まるぐらいに
本日のバスが来ました。
運転手は、
月村家メイドノエルさん
「ノエルさん、今日はよろしくお願いします。」
「どうぞぜひお楽しみください 綾様」
アリサとすずかがこちらに手招きしている
月村家から高町家の通り道にバニングス家があるみたいで
こちらに来る前に合流したみたいだ
降り立った瞬間の感想は、
世界は、幻想に満ちていた。
ピンク色の花びらが輝きをまとい、幻想的な夜桜。
ピンクの流れる滝のごとく、
枝いっぱいに薄紅色の花を咲かせている。
見渡す度に表情が変わり、
日本人の心とも言うべき桜
幻想的で美しい季節の到来。
ライトアップされた桜は、
満月の光に当てられて
誰もが魂を洗濯するぐらいの感動を与えてくれた
「ふハァ・・・」
誰もが、息を呑んだ。
忍さんの案内で、私有地内へと案内された俺たち。
何回も来ている皆も声もが出せず、
歩きながら華やかに咲き誇る桜に目を奪われている。
普段は人もいっぱいの花見もここは私有地
今日だけは俺たちだけの贅沢な空間となっていた。
花見ってここまで感動するものだったんだなぁと改めて思ったよ。
アリサとすずかが言った意味が良くわかる。
「どう? 綾ちゃん。我が家の自慢の桜は」
「忍さん、桜ってこんなに美しかったんですね。
またみんなもそれをドレスコートしているみたいに綺麗で見惚れてしまいました」
「確かにな 桜の花びらが落ちてきて一段とかわいいのが余計にかわいい
特に桃子はもう世界一かわいいな」
「もう士郎さんったら」
ハイ万年バカップルは捨てておいて、本当に心から思った
艶やかな花びらが目の前を舞うにつれて、気持ちが安らいでいく。
俺は息を吐いて、隣を歩くなのはの――手を握った。
またなのはに甘えてしまったのかもしれないが
「ほんの少しだけ良いかな」
「うん・・・」
最近の俺は人が恋しくなる。
しっかり握り返してくれるなのはの手は、
冷たくて気持ち良かった。
心地良い夢から目が覚めたのは、目的地についてからであった。
現出するピンクの絨毯を背景に、シートを敷いて全員の座る場所を確保。
私有地なので、最高に眺めの良い場所でくつろげる事が出来た。
用意される美味しそうな弁当類に、飲み物。
弁当って言うよりご馳走に見える
これは春の楽園なんだろうかと思えるほどだ
今週の初めまで争いをしていたなんて、はるか昔のように感じていた。
乾杯の音頭は桃子さんが取り、高町家&月村両家主催のお花見が始まった。
残念ながら俺はお酒ではなくオレンジジュースだったりする
しかも美味しく感じる
多分味覚も子供化しているから
きっとお酒飲んでも美味しく感じないんだろうなぁ
満天の夜空と、綺麗な桜。
美味しい料理に楽しい会話と、心地良い雰囲気の中で皆明るい笑顔を見せている。
本当に、ここの世界はやさしすぎる。
楽園かと思えるほど
俺は少し離れた場所で、桜の木を背に腰掛ける。
雰囲気に酔ってしまったのかも・・・桜の花びらが舞う。
静かで、心が透き通っていく。
何も考えず、何かを気にせずに時間を過ごせる。
たまに来る風が気持ちいい
実は今までのがすべて夢じゃないのかと思うぐらいだ
耳元に届く喧騒。
凄くいいBGMだ
でも俺はあの中に入りづらい
どのように会話をしていいかわからないからだ
まるで舞台を見ているような感じ。
そのなかでどうしても違和感を感じた。
ずっと見ていておかしいところを、
いびつな人間関係を知ってしまった。
いびつと言ったらおかしいかもしれないが、
高町夫妻は仲のいい夫婦
恭也さんと美由希さんは仲のいい兄弟
恭也さんと忍さんは仲のいい恋人同士
アリサとすずかは仲のいい友人
美由希さんと那美さんはこちらも仲がいい友人
ノエルとファリンは仲のいい姉妹メイド
これを見ると別におかしくはないのだが
なのはだけ浮いてるように見えるのは気のせいだろうか
少し考えてみよう
高町家は基本的に皆で仲が良い。
笑顔が絶える時間なんて
この家ではほとんど存在しない。
明るく優しさに満ちた、理想的な家族
古きよき昭和のような優しい家族
こういうのは近くにいた人間ではなく
外部に気づく場合が多い
今回もそれなのだろうと思う
なのはの立ち位置だ。
士郎さんと桃子さん
夫婦で行っている喫茶店
さきほどのバカップル並みの夫婦
お互いが心で繋がっている夫婦
とてもすばらしいと思う。
恭也さんと美由希さん。
早朝から稽古、日中は学校、夜は鍛錬。
兄弟としてもだけど兄弟弟子として
剣の道で繋がっている
アリサとすずか
この二人もやはり資産家の令嬢だけ会って、
何かと一緒にいることも多い。
今日も同じバスだったり、
同じ習い事も多いと聞く
ではなのはは?
別に、なのはが嫌われているのではない。
なのはは愛されている、それは間違いない。
家族にも友人にも本人も、それは分かっている。
ただ傍目から見ていて・・・浮いているように見える。
今も家族の会話に入ったり、友人の会話に入ったりしているが
なんかいびつな風景に見える
今回那美の事を抜かしたら
基本なのはの周囲は7人になる
七人なんだから、二人組になれば一人は確実に余る。
極端に言えば、なのはが一人余っている。
なのはは小学生なのにしっかりしているが、それでも子供だと思う。
なのははもしかして寂しいのではないのだろうか?
クロノが現れてから結びつきが強かったのはこういう事かな
久遠とも仲が良く結びつきが強いのも?
これは勝手にそう見えただけでそうとは限らないが
あっアリサに見つかってしまった。
「なんであんたは一人で飲んで食べているの」
「いやねアリサさん、花見とは花を愛でて楽しむものですよ」
少し目くじらを立てているアリサにそういったら
「そんなこと知っているわよ。じゃなく一緒に来なさいって事」
「アリサちゃんみんなと一緒にお話とかしたいんだって」
アリサに絡まれ、すずかとなのはにつき合わされ、
何だかんだやっている内に、最初以外ひとりになれる時間はなかった。
その後でカラオケ大会とか開催までして、
桃子さんより強制参加。
カラオケが好きらしく、
始終テンションが高まりっぱなし。
マイクを向けられて歌は知らないといったら、
なのはとデュエットさせられた。
こちらに来てからあまり歌は聴いていないので
歌える自身がなかった。
さすがはハイスペック高町家、
歌唱力は凄かった。
やはり高町家全員うまかった。
点数付のカラオケを持ってきたのがあれだった。
――気づけば、カラオケ対決。
実際にみんな80点以上ってドンだけなんだろうと思う
90点以上もばしばし出て
みんな歌手目指したらって言いたくなるばかりだった。
歌って疲れるものなんですね
凄く疲れた
色々な意味で騒がしかった花見は、終わった。
大人たちは後片付けをしていた。
子供たちはぐっすりご睡眠
言うわけでノエルさんから鍵をもらい車をあけ
抱っこをして乗せていくことにした。
最初にアリサ、次にすずか
今はなのはをお姫様抱っこで車まで連れて行っている
少しだけ身体強化の呪文を使い
送っていった。
まぁみんな寝顔は天使だね
今回はすごくはしゃいだから
後片付けも時間がかかったみたいだった。
俺が車から戻ってくるころには
ちょうど後片付けが終わったみたいだ
「みんなを運んでくれてありがとう」
士郎さんがそういってくれたので
素直にハイとだけ言った。
みんな重くなかったと聞かれたら
実際みんな軽かったので羽のように軽かったですといっておいた。
「凄く力持ちなんですね」
那美さんがそういってくれたので
「ちょっとだけ武道をやっているからだと思いますよ」
そういってから高町家について
「今日はお世話になります」
そういってから高町家に入った。
深夜。
寝静まった高町の家で一人、俺は起きていた。
多分気づいている人物もいると思うが
俺は1階の縁側で座っている
灯りは完全に落とされ、家の中は真っ暗である。
今日の花見では桜を愛でて楽しむより、
結局は馬鹿騒ぎで時間が過ぎてしまった。
あれはあれで楽しかった
心が洗われたみたいに楽しかった
暖かい布団に横になれば
すぐに寝れると思ったんだが、眠れない
なんか寝たらあしたは生前の生活になるんじゃないかと
少しだけ恐怖を感じてしまう。
瞼を閉じても眠気は訪れず、
意識ははっきりしていた。
先ほどの花見でもらった
缶ジュースを隠し持っていて
縁側で俺は夜を堪能した。
「・・・ふぅ」
高町の家は郊外で、車通りも少ない。
一人でいるのはやはり落ち着く。
以前もよく一人が多かった
「俺は弱くなったのだろうか?」
答えは返ってくるはずもなくそうつぶやいている
その瞬間この場で似合わない声が聞こえてきた
「・・・ふにゃ~ぁ」
振り返らんでも誰か分かる。
もちろんこの家の末っ子なのはである
「んー・・・だれか・・・呼んだ?」
歩きながら寝言とは器用だ
起きてるかもしれないから一応聞いてみよう
「?どうしたのなのちゃん」
パジャマ姿のなのはが寝ぼけた顔で立っている。
余程眠いのか、しきりに目を擦っていた。
「さっき・・・男の子の声が聞こえたんけど~」
「夢でも見たんじゃないかな」
なのははとろんとした顔で続ける。
「う~ん!綾ちゃんは何してるの?」
間延びした声で返事をして、なのははとことこ戻る。
「うん余韻を楽しんでいたの すぐに戻る。眠いでしょなのちゃん」
「おやすみなさい」
そういってなのはは目をこすりながら上に戻っていった
俺も戻って眠るとするか
俺も今回もなのはの部屋で睡眠です
まぁ小学生なんてそんなもんだ
次の日は日曜日でもあり
朝起きたらそれでも早くおき
この間と同じ
模擬戦をやらしてもらった。
基本的な魔法を使わないと勝てないことが判明
今回はガードを強くしていたら
貫をやられてしまった。
貫とは御神流基本の技で
防御の隙をついての攻撃なのだが
受けたほうはガードをすり抜ける感覚に
思ってしまう
優れた技
運よくかわしたのだけど
体が崩れてしまい
追撃で敗北
体術だけで何でもありにしたら
多分勝つことがどんどん厳しくなると思う
しかもまだ御神の奥義なんてひとつも出させていない
前回よりは今回はひとつ出させたから進歩したのかな
密室内なら魔法を使っても勝てないような気がしてきた
実は攻撃魔法ってそんなにいい攻撃手段ではない
爆発の余波
被害
いろいろあるから威力が高くなればなるほど、制限がブレーキがかかる
結論完成している御神は人のスペックを超えている
そんなわけで朝の鍛錬が終わり
家に帰って久しぶりに休日を堪能した。
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