遊戯王GX~鉄砲水の四方山話~
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ターン63 蹂躙王と荒廃のHERO
前書き
あけおめです。ことよろです。
前回のあらすじ:壊獣使い清明と幻影騎士団長ケルトの戦いは、清明が辛うじて勝利を収める。覇王との連戦を前に、ケルトは必ず生き延びることを清明に誓わせて散っていった。
覇王が1歩、また1歩と歩を進める。やがて僕の正面で立ち止まり、これまで影に覆われていたその顔が明らかになる。目の色は黄色と、僕の知る彼のそれとは違う。それに彼は、あんな冷たい全てを見下すような目をしたことはなかった……いや違う、僕はあんな顔をした彼を見たことがある。正確には夢で、だが。だから断言できる、それに親友の顔なんて見間違えようがない。
「やっぱり……十代!」
なぜ十代がこの世界に来ているのか。その恰好はなんなのか。色々と聞きたいことが頭の中でごちゃ混ぜになり、その名前を呼ぶだけで精一杯だった。だが覇王、いや十代は僕の叫びに耳を貸さず、それどころか表情ひとつ変えることなくその鎧に付いた回転式デュエルディスクとでもいうべき禍々しい機械を起動させる。そして口を開くと、これまた十代の声から冷酷な声音が発せられる。
「貴様ら。それを片付けておけ」
それ、と言いながら覇王が指差したのは、主を失いその場に転がったままのケルトのデュエルディスクとローブだ。すると慌てて走ってきた何匹かの悪魔がそれを抱え上げ、後ろの門を通って運び出していった。
「片付けるって……どこにやる気なのさ!?」
「どうやらこの人間は、ここに来るとき周りもよく見ていなかったようだな」
僕の質問に、真上からベージの声が覇王の代わりに答える。そちらを睨みつけるとわざとらしくおお怖い、と震えて見せた後、教えるのが楽しくてしょうがないといった様子でケルトの形見が運ばれていった方を手で示した。
「それじゃあイチから話すとだな、この闘技場のあっち側は崖になっているんだよ。それも下まで50メートルはある断崖絶壁、おまけに底には馬鹿みたいに深い急流が流れているせいで俺たち悪魔でも無策で突っ込んだらただじゃあ済まないほどのな!」
先ほどの、闘技場の司会者としてのわざとらしい敬語はすっかり鳴りを潜め、恐らくこちらが素の性格なのであろう口調で意気揚々と喋るベージ。それは別にどうでもいいのだが、その内容は聞き流すわけにはいかなかった。そこまで聞けば、最後まで聞かずともその先は予想できる。
「それじゃあ、ケルトの道具は……」
「今頃は魚の餌だろうなあ!それとも、海竜にでも食われたか?」
「この……!」
「茶番はもういいだろう。貴様も構えろ、この覇王が直々に相手してやる」
ついカッとなってベージに突っかかっていこうとした僕の背に、覇王の言葉が冷たい氷の刃のように突き刺さる。そうだ、今はあの雑魚を相手にしている場合じゃない。
ドクン、と胸の奥で何かが身じろぎするのを感じた。その正体はわかっている。この覇王の持つ、こうして向かい合っているだけでもわかる恐るべき力に僕の心の闇が反応しているのだ。戦え、倒せ、そう何度も繰り返し求め続ける声が聞こえてくる。
そしてそれと同時に目の前で消えていったケルトに対するやりきれない思いや悲しみが次第に退いていき、その代わりに僕の心を戦闘への高揚感が満たしていく。後ろ向きな感情は、戦うためにはふさわしくないからだ。効率よく敵を圧倒するためには、僕の感情すら塗り潰され書き換えられていく。
「くっ……!」
みるみる高まる衝動を感じながら、ケルトの最後の願いを思い出す。あの時ケルトは消える直前、僕に生き残れと言った。それはつまり、あの瞬間にケルトは正気に戻れたということだ。まるで、斎王を倒したらその体に取りついていた破滅の光が消えていったあの時のように。つまり、今回のあの隕石による赤い光が破滅の光と関係している……?いや、そう考えるにはいくらなんでもまだ少し早いだろう。だがあの時のように、洗脳された相手を倒せば正気に戻せるのはまず間違いないと見ていいはずだ。
……この思考も、本当は誰のものなのかわかったものじゃない。この僕『遊野清明』が考え付いた希望の光なのか、それとも何でもいいからただデュエルすることだけを求める破壊魔の『僕』が、僕から躊躇いを消すためにでっち上げた出まかせの方便なのか。
だけどどちらにせよ、僕はこの誘いに乗ることを決めた。斎王をはじめとする光の結社のことを思えば実際分の悪い賭けでもないし、そもそもここでこのデュエルを受けなければこの闘技場から出ることは不可能だろう。自力で逃げ出すことも精霊の力を借りることもできないのなら、目の前の覇王を元の遊城十代に戻して扉を開かせるほかにできる事はなさそうだ。
「勝負だ、十代!こんなところで会うとは思わなかったけどね、それじゃあデュエルと洒落込もう!」
「十代?我が名は覇王。それがこの世界を統べる者の名、そして今から貴様を永劫の闇に突き落とす者の名だ」
「……あ、そう。ふざけたことばっか言ってないで、アカデミアに帰るよ!」
「「デュエル!」」
先攻はまたも僕。このデッキに先攻はとことん向いていないが、こうなった以上やるしかない。
ただ心配なのは、僕のデュエルディスクだ。先ほどのケルト戦が始まった時からすでに怪しかったが、あのデュエルでの衝撃のせいでますます不調がひどくなってしまったらしい。ディスクの中心に位置する青い球体は不規則に点滅を繰り返し、耳を澄ませば先ほどよりひどくなった異音が断続的に聞こえてくる。
そういえば、先ほどのデュエルではちょいちょいヤジを飛ばしてきた観客も今は大人しい。それだけ、覇王に期待しているのだろう。愚かにも覇王軍に敵対した僕と言う贄を、自らのトップである覇王が完膚無きまでに蹂躙する様を一瞬たりとも見過ごすまいとしているのだろう。
「アウェー上等、やれることをやるだけ、か。カードを2枚セットしてターンエンド」
「ドロー。永続魔法、守護神の宝札を発動。手札5枚を捨てることでカードを2枚ドローする。E・HERO クレイマンを召喚」
E・HERO クレイマン 攻800
やはり、と言うべきか。何度も十代が……この『覇王』ではない、僕の知る『遊城十代』が壁として融合素材としてそして時にはアタッカーとして愛用してきた、大地の力を持つHERO。本当に、このモンスターをまさかこの世界で見ることになるとは思わなかった。
「バトルだ。クレイマンでダイレクトアタック、クレイ・ナックル!」
巨体が闘技場の大地を踏みしめて動き、重い拳が無防備な僕に叩き込まれる。
E・HERO クレイマン 攻800→清明(直接攻撃)
清明 LP4000→3200
「この程度のダメージで……!」
「だろうな。この程度で倒れるようでは、とてもこの俺の相手は務まらんぞ」
余裕ぶっこいてはいるが、今の覇王の攻撃はどう見てもミスだ。確かに効いたことは効いたけど、致命傷には程遠い800ダメージのためにわざわざこちらのリリース先を呼び出してくれたんだから、これはむしろ感謝してもいいレベルだろう。
だが、そんなことを考えていられるのもそこまでだった。攻撃を終えて覇王のフィールドに帰還したクレイマンの姿が光に包まれ、足元から消えていったのだ。
「え!?」
「メイン2に魔法発動、馬の骨の対価を発動した。これにより俺のフィールドから通常モンスター1体を墓地に送り、カードを2枚ドローする。カードを伏せ、ターンエンドだ」
「墓地に送り……またフィールドが空に……!」
最初から、全て計算づくだったってわけか。たとえクレイマンの攻撃力であっても僕の場ががら空きな以上ダイレクトアタックは可能だし、攻撃が終われば用済みどころかむしろこちらの起点になるからさっさと墓地に放りこむ。確かにこちらの手の内が割れている以上最も効率のいい、リスクを最小限に抑えつつ最大限のダメージを出せる動きだ。しかも守護神の宝札によるたった2枚のドローだけでピンポイントにクレイマンと馬の骨の対価を引くあたり、引きの強さは十代のころからまるで変わっていない。
こりゃあ、ひどい相手にぶつかったものだ。とてもじゃないが一筋縄では行きそうにない。
清明 LP3200 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:2(伏せ)
覇王 LP4000 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:守護神の宝札
1(伏せ)
「僕のターン、ドロー!」
覇王はリリースを警戒してモンスターを残さない戦術をしている……逆に言えば、先ほどの埋葬されし生け贄のように手札の壊獣を自身の効果に頼らず場に出すためのカードを引けば、モンスターのいない覇王にはダイレクトアタックが直撃する。
の、だが。駄目だ、この手札だとまだ動けない、今欲しいのは防御のカードじゃなくて反撃のカードなのに。
「……さらにカードを1枚セットして、ターンエンド」
「俺のターン。この瞬間守護神の宝札のさらなる効果が適用され、このカードが存在する限り俺が通常のドローで引く枚数は2枚となる」
先ほどのドローと合わせ、覇王の手札は既に3枚。つい先ほど5枚もの手札を捨てたことを考えると、信じられないほどの枚数だ。
「来い、バーストレディ。そのまま攻撃しろ、バースト・ファイヤー!」
「このカードはまだ……ぐわっ!」
バーストレディの攻撃力は1200。クレイマンよりは上だが、いくらなんでもこの攻撃に対しこのカードを使うのはもったいなさすぎる。
E・HERO バーストレディ 攻1200→清明(直接攻撃)
清明 LP3200→2000
「ぐっ……」
自分で通すと決めた攻撃とはいえ、やはり食らうと結構痛い。服の端に火が燃え移ったのをもみ消す僕を見て、覇王が心の底から馬鹿にするようにため息を漏らした。
「随分期待外れな相手だな。ジム・クロコダイル・クックとかいったか。奴の方が貴様より遥かに楽しめた」
「ジム!?どういうこと、なんでジムの名前が……!」
さすがに今のは聞き過ごせず、慌てて問い詰める。僕の知る限り十代とジムの間に直接の対決はなかったはずだから、もし今の言葉が事実だとすればそれはつまり、どういう経緯かは知らないがジムがこの覇王を相手にしたということになる。そして、今この場にいるのが覇王ということはつまり、ジムは……。
「よ、よくも!」
「だったらどうした?カードを1枚伏せてターンエンドだ。さあ、貴様なりの抵抗を少しは見せてみろ」
清明 LP2000 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:3(伏せ)
覇王 LP4000 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:守護神の宝札
2(伏せ)
「僕のターン、ドロー!」
今の告白を受け、僕の内部でまた少し闇が増える。衝撃も悲しみもすべて燃料とし、怒りと闘志だけがただ高まっていく。もはや僕のライフは残り半分……だがそれすらも、いいハンデだと思えるように思考が書き換えられていく。デュエル前にも同じことが起きたが、重要なのは怯まずに相手に食らいつくこと。ここで弱気な思考は、ただ勝負の邪魔でしかない。
「スタンバイフェイズにトラップ発動、デストラクト・ポーション。俺のフィールドのバーストレディを破壊し、その攻撃力分ライフを回復する」
バーストレディが苦悶の表情を浮かべ、次の瞬間その体が粉々に砕けて消える。これでまたリリース要因が消えた……けど、このカードさえあれば。
覇王 LP4000→5200
「やっと来たの?遅い遅い、何やってんのさ。魔法カード、七星の宝刀を発動!手札からレベル7モンスターの粘糸壊獣クモグスを除外し、カードを2枚ドローする。そして装備魔法、D・D・Rを発動。手札を1枚捨てることでゲームから除外されているモンスターを特殊召喚し、さらにこのカードを装備する。クモグスを特殊召喚!」
空中高くから風切り音とともに大蜘蛛の壊獣が落下し、8本の足を使い着地の衝撃を分散させる。さあ、ここからは僕のターンだ。あのつんと澄ました嫌味な顔に、ジムの分まで一撃叩き込んでやる。
粘糸壊獣クモグス 攻2400
「いくら回復したところで、クモグスの攻撃力はその数値より上!バトル、クモグスでダイレクトアタック!」
粘糸壊獣クモグス 攻2400→覇王(直接攻撃)
覇王 LP5200→2800
「どうだ!」
「温いな。所詮この程度か」
クモグスの一撃をまともに受けても、顔色一つ変えない覇王。張りあいはないが、こちらが有利なことに変わりはないので気にしない。さすがに、今の攻撃だけで正気に戻るだなんて都合のいい展開は最初から期待してなかったし。
「今のうちに言ってな。ターンエンド」
「俺のターン、守護神の宝札により2枚ドロー。魔法カード、闇の量産工場を発動。このカードは墓地の通常モンスターを2体選択し、そのカードを手札に加える。クレイマンとバーストレディを回収し、ダーク・フュージョンを発動する」
「ダーク……フュージョン……?」
「そうだ。手札及びフィールド上のモンスターを素材とし、悪魔族の融合モンスターを融合召喚する」
クレイマンとバーストレディの2体が宙に浮き、上空に生まれた怪しげな黒い渦の中に飲み込まれて混じり合う。通常の融合ならば、あの2体の組み合わせを指定しているのはランパートガンナーだ。だけど覇王は今、悪魔族の融合モンスターと言った。一体、どんなモンスターが目を覚ますというんだか。
「来い、E-HERO ヘル・スナイパー!」
そして僕がその黒い渦を仰ぎ見た瞬間に上空の暗雲を貫いて、紅色の邪悪なHEROが地上に降り立った。素材が同じだけあって女性型モンスター、右腕が巨大な銃になっているなどランパートガンナーに似た部分も存在するが、それでもあれは十代のモンスターではなく、覇王のモンスターだ。なまじ類似点があるだけに、余計にその思いが強くなる。
E-HERO ヘル・スナイパー 守2500
「イービルヒーロー……?だけど、ようやく特殊召喚してくれたね。この瞬間を待ってたんだ、リバースカードオープン!速攻魔法、終焉の地!相手がモンスターを特殊召喚した時に、デッキからフィールド魔法を発動する……KYOUTOUウォーターフロント、発動だ!そして終焉の地のカードが発動後フィールドから墓地に送られたことで、このカードには壊獣カウンターが乗せられる」
KYOUTOUウォーターフロント(0)→(1)
ウォーターフロントが発動され、このデッキもようやくエンジンが回り始めてきた。このカードの力は覇王も知っているはずだが、その表情は依然としてピクリとも動かない。
「ターンエンドだ」
清明 LP2000 手札:2
モンスター:粘糸壊獣クモグス(攻・DDR)
魔法・罠:D・D・R(クモグス)
2(伏せ)
場:KYOUTOUウォーターフロント(1)
覇王 LP2800 手札:2
モンスター:E-HERO ヘル・スナイパー(守)
魔法・罠:守護神の宝札
2(伏せ)
「僕のターン!さて……」
状況を整理しよう。まず、クモグスの攻撃力ではヘル・スナイパーの守備力を越えられない。僕の手札には怒炎壊獣ドゴランのカードがあるからこれでリリースすることはできるけれど、それをやったところでクモグスの攻撃力2400ではドゴランの3000に勝てないからやる意味がない。この伏せカードを使えば話は変わってくるけれど、それはやめておこう。もっと面白い手を思いついた。
「そうさ、このカードがあれば問題ないね。魔法カード、妨げられた壊獣の眠りを発動!フィールド全てのモンスターを破壊し、互いのフィールドに壊獣を攻撃表示で特殊召喚する!」
クモグスの姿が消えていき、それと同時に装備されていたD・D・Rもまた墓地に送られる。だが、ヘル・スナイパーの姿は消えない。フィールドに留まり続け、冷たい銃口をこちらに真っ直ぐ向けている。
KYOUTOUウォーターフロント(1)→(4)
「眠りのカードが効かない?」
「無駄だ。ヘル・スナイパーは、魔法の効果によっては破壊されない効果を持つ」
「そんなピンポイント耐性を……!だけどクモグスが破壊されたことで、リクルート効果の条件は満たした。さあ出番だジズキエル、敵は眼前ラディアンだ!」
僕のフィールドにジズキエル、覇王のフィールドにラディアンの姿が同時に現れる。ヘル・スナイパーを今ので破壊できなかったのは計算外だけど、まだ手はある。流れは僕の方にあるはずだ。
壊星壊獣ジズキエル 攻3300
多次元壊獣ラディアン 攻2800
「さらにリバースカードオープン、スキル・サクセサー!このカードはモンスターの攻撃力をこのターンの間400ポイントアップさせる。僕はこの効果をジズキエルに対して発動……そしてこの瞬間にジズキエルの特殊能力、神鏡を発動!壊獣カウンター3つをコストとしてカード1枚に対象を取る効果を無効にし、さらにカード1枚を破壊する!僕が破壊するのは覇王、お前のヘル・スナイパーだ!魔法カードに耐性があるなら、モンスター効果で破壊するまでさ!」
KYOUTOUウォーターフロント(4)→(1)→(2)
ジズキエルの表面に一瞬鏡のような光沢が走り、表になったスキル・サクセサーから放たれた光線が反射され別の方向に飛んでいく。その先にいたヘル・スナイパーが、回避動作すら取れずその光に巻き込まれた。
「どうだ!」
「墓地からトラップ発動、スキル・プリズナー。このカードは墓地から除外することで自分フィールドのカード1枚を選択し、このターンその選んだカードを対象としたモンスター効果を無効とする。これによりヘル・スナイパーを対象としたジズキエルの効果は無効となった」
「壊獣カウンターは……だめだ、2つじゃもう1回神鏡の能力は使えないか……」
壊星壊獣ジズキエル 攻3300→3700
ジズキエルの効果そのものを止められたことで、スキル・サクセサーの効果がジズキエルをわずかながら強化する。あのスキル・プリズナーのカードは、最初に守護神の宝札で捨てた5枚のうちの1枚だったのだろう。結局この効果でも倒すことのできなかったヘル・スナイパーが、相変わらず片膝をついた姿勢で僕に対して狙いを定め続ける。まさか融合までしておいてできることが魔法破壊への耐性だけなんてことがあるはずもないし、恐らくあのカードにはさらなる効果があるのだろう。だけど、ここでラディアンを残しておいたら返しの覇王のターンで特殊能力である分身を使用、貴重な壊獣カウンターを消費させられるうえに攻撃力2800ものトークンを出されてしまう。ならば、どちらに攻撃するべきか?
迷いはほんの数秒だった。そして一度道を選んだ以上、もう後悔なんてしていられない。
「頼むよ、ジズキエル!ラディアンに攻撃!」
金属製の壊獣が雄叫びを上げ、腕の砲から極太の光線を叩き込む。その衝撃は覇王にも届いたはずだが、やはりその表情は揺るがない。
壊星壊獣ジズキエル 攻3700→多次元壊獣ラディアン 攻2800(破壊)
覇王 LP2800→1900
KYOUTOUウォーターフロント(2)→(3)
「メイン2にウォーターフロントの効果を発動、壊獣カウンターが3つ以上存在することでデッキから2枚目のラディアンをサーチする。これでターンエンド」
「この程度か?ならばスタンバイフェイズ、ヘル・スナイパーのモンスター効果発動!ヘルショット!」
これまで片膝をついたまま沈黙を守ってきたヘル・スナイパーが、ついに動き出す。構えた右腕に闇のエネルギーが集まり、光弾となって放たれたそれがジズキエルの横をすり抜け僕に直接襲い掛かる。
清明 LP2000→1000
「ヘル・スナイパーは表側守備表示で存在するとき、自身のスタンバイフェイズごとに1000ポイントのダメージを相手プレイヤーに与える」
「ま、まだまだ……」
「まだ俺のターンは続いているぞ。魔法カード、戦士の生還を発動。俺の墓地から戦士族モンスター、バーストレディを回収する」
戦士の生還、あれは墓地の戦士族1体のみを対象とするカードのはず。壊獣カウンターは3つあるし、ここでジズキエルの効果を使うべきだろうか。だけどすでに効果を使った以上、ヘル・スナイパーが次にあの凶弾を放つのは次の覇王のスタンバイフェイズ。そんな相手を今更、このタイミングで破壊する価値があるだろうか。
いや、効果の出し惜しみはよくないか。それに、ヘル・スナイパーも融合ヒーロー。ならば墓地に送ってしまえば、融合ヒーローの性としてごく一部の例外を除けばもう蘇生も帰還もできないはずだ。
「ジズキエルの特殊能力、神鏡!戦士の生還を無効にし、ヘル・スナイパーを破壊する!」
覇王が発動した戦士の生還のカードに先ほどジズキエルが身にまとったような光沢が走り、そこから放たれた光が今度こそヘル・スナイパーを撃ちぬき消滅させる。まったく、随分てこずらせたもんだ。
KYOUTOUウォーターフロント(3)→(0)→(2)
場ががら空きになり、サルベージも失敗した覇王。だがその口元には薄い、嘲りを隠そうともしない笑みが浮かんでいた。
「礼を言うぞ、このタイミングでその効果を使ってくれて」
「え……?」
囮。その言葉が脳裏をよぎる……が、もう手遅れだ。
「速攻魔法、コズミック・サイクロンを発動。1000ライフを払うことで、フィールドの魔法または罠を1枚除外する。俺が除外するのは当然、KYOUTOUウォーターフロントだ」
「しまった!」
ウォーターフロントは自身の壊獣カウンターを使用しての破壊耐性があり、さらに対象を取る効果に対しては牽制のできたジズキエルがいる。そのおかげで油断していたけど、覇王の狙いは最初からウォーターフロント一択。
こうして壊獣カウンターを乗せるカードがなくなってしまった以上、もはやジズキエルもただ攻撃力が高いだけのバニラモンスターに過ぎない。そして攻撃力だけで安心できるほど、この男は甘くない。
覇王 LP1900→900
「やってくれるじゃん……!」
「さらにトラップ発動、ヒーロー・ブラスト。俺の墓地から通常モンスターのE・HEROを1体回収する。俺が手札に戻すのはクレイマンだ。この後でさらに別の効果があるが、今はその条件を満たしていないので使えないな」
この状況でクレイマンを手札に戻すだなんて、まさか壁にするつもりでもあるまい。また手札にあるのだろう、融合召喚を行うためのカードが。その思考を裏付けるように、先ほども見たあのカードを再び覇王が発動させる。
「魔法発動、ダーク・フュージョン。手札のスパークマンと、クレイマンの2体を融合させる!」
再び空に暗雲よりもさらに暗い渦が生じ、その中に2体のモンスターが吸い込まれていく。あの組み合わせを指定するのは通常ならサンダー・ジャイアント、それが今度はどう生まれ変わるというのか。
その疑問に答えるかのごとく、そのサンダー・ジャイアントと瓜二つと言ってもいいほどよく似たシルエットの巨体が渦の中から大地に降り立った。そう、カラーリングは似ても似つかないとはいえシルエットだけならこの2体は意外なほど……ランパートガンナーとヘル・スナイパーの時よりも基となったヒーローによく似ている。これはもしかして、少しずつ十代としての人格が目を覚ましつつある影響……とかだったりするのだろうか。
「来い、E-HERO ライトニング・ゴーレム!」
E-HERO ライトニング・ゴーレム 攻2400
攻撃力だけで言えば、ジズキエルの方がはるかに上。だけど、覇王がそんなミスするはずがない。
「ライトニング・ゴーレムは1ターンに1度、相手モンスターを破壊する。ボルテック・ボム!」
「ジズキエル!」
ライトニング・ゴーレムが合わせた両掌の間に灰色の球体を作り上げ、それをジズキエルに飛ばす。ジズキエルの全長からすればはるかに小さいそれには、一体どれほどのエネルギーが込められていたのか。食らった箇所を中心に火花やプラズマが走り、ダメージコントロールすら間に合わずに巨体が悶えてその場に崩れ落ちた。
「やれ、ライトニング・ゴーレム。ヘル・ライトニング!」
「まだだ!トラップ発動、イタクァの暴風!フィールドを暴風が掻き回し、全てのモンスターの表示形式は変更される……!」
E-HERO ライトニング・ゴーレム 攻2400→守1500
ここでダイレクトアタックを喰らえば終わりだ、これ以上このカードを出し惜しみする理由もない。ライトニング・ゴーレムの巨体でも風の力には抗えず、手をついて防御姿勢を取る。
「ほう?ならばこのターンは待ってやろう。ターンエンドだ」
清明 LP1000 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:なし
覇王 LP900 手札:0
モンスター:E-HERO ライトニング・ゴーレム(守)
魔法・罠:守護神の宝札
1(伏せ)
「僕のターン、ドロー!よし、これならギリギリ行ける!永続魔法、怪獣の出現記録を発動。そしてライトニング・ゴーレムをリリースして覇王、お前のフィールドに怒炎壊獣ドゴランを特殊召喚する。さらにその壊獣の存在に反応して、手札に眠る多次元壊獣ラディアンを僕のフィールドに攻撃表示で特殊召喚!」
ライトニング・ゴーレムの姿をかき消し、再びフィールドに君臨する2体の壊獣。これ以上は流石に余裕がない、なんとかこのターンで終わらせてやる……!
怒炎壊獣ドゴラン 攻3000
多次元壊獣ラディアン 攻2800
「怪獣の出現記録は、手札か墓地から壊獣が特殊召喚されるたびに壊獣カウンターが乗せられる。この2つのカウンターを消費してラディアンの特殊能力、分身を発動!攻撃力2800、ラディアントークンを僕のフィールドに特殊召喚する!」
怪獣の出現記録(0)→(2)→(0)
ラディアントークン 攻2800
空間を突き破って腕を出し、そこからにゅるりとフィールドに現れるラディアンのそっくりさん。ここでさらに念を入れて壊獣の出現記録の効果を使い、あのガダーラをもっと攻撃力の低いガメシエルあたりに入れ替える手もある。だけど、気になるのは覇王のあの伏せカード……あれは確か、かなり最初のうちから伏せられていたカードのはずだ。何かはわからないが下手に動いて発動条件を満たしたりでもしたらまずいし、いらないことをわざわざする必要はまあ、ないだろう。
「バトル、ラディアントークンでドゴランに攻撃……と同時にこのダメージステップ、墓地からスキル・サクセサーの更なる効果を発動。このカードを除外し、モンスター1体の攻撃力を800ポイントアップさせる!行け、ラディアントークン!」
ラディアントークン 攻2800→3600→怒炎壊獣ドゴラン 攻3000(破壊)
覇王 LP900→300
「ラディアンで追撃、これで終わりだ!」
ラディアンがその拳を振り上げ、眼下の覇王に叩き付ける。派手な激突音とともに砂煙が発生し、視界が完全に塞がれてしまったが、でもこれで全てにけりがつく。
そしてその砂煙の向こうから、覇王の声が闘技場全体に響き渡った。
「墓地からネクロ・ガードナーの効果発動。このカードを除外し、攻撃を無効とする」
「なっ!?」
次第に視界が晴れてくる。そこで僕が見た光景は、半透明の戦士がその身を盾にしてラディアンの拳から覇王を庇っているところだった。
「どうした?まだ何かすることがあるならば、気が済むまですればいい。その全てを打ち砕いてくれる」
「ターン……エンド……」
ネクロ・ガードナー。あれもまた、最初に守護神の宝札で墓地に送ったカードの1枚なのだろう。あと一撃、あと一撃で終わるはずなのに、残ったリソースすべてを使い切ってもなお、その一撃が届かない。
「俺のターン。トラップ発動、無謀な欲張り。カードを2枚引く代わり、その後2ターンの間俺のドローフェイズはスキップされる。そして墓地からグローアップ・バルブの効果を発動。デッキトップを墓地に送り、このカードをデュエル中1度だけ蘇生させる」
「無謀な欲張り……!」
そりゃ守護神の宝札で毎ターン2枚ドローできるなら、わざわざデメリットのキツイ無謀な欲張りなんて発動を控えるわけだ。だけど、そんな考察はどうでもいい。
それより何より問題なのは前の僕のターン、覇王のフィールドにも墓地にも防御札はネクロ・ガードナー1枚しか存在していなかった、その点だ。あの時に躊躇わず壊獣の出現記録で覇王のドゴランをガダーラなりガメシエルなりクモグスなりに入れ替えておきさえすれば、スキル・サクセサー込みの攻撃で覇王のライフを0にすることができていたはずだ。僕のミスのせいで、最後の最後に詰めの一手を読み間違えたせいで、このデュエルを終わらせることができなかった。何が一撃が届かない、だ。デッキは僕に十分応えてくれていた、その力を持て余したあげく自分から勝利を遠ざけたのは、僕以外の誰でもない……!
グローアップ・バルブ 守100
「グローアップ・バルブをリリースし、E-HERO マリシャス・エッジをアドバンス召喚。このカードはレベル7だが、相手フィールドにモンスターが存在するならばリリース1体でアドバンス召喚できる」
エッジの名を持つものの、全身を黄金の鎧に包んだヒーローである本家エッジマンとは真逆のスマートな体に長い鉤爪を持つ悪のヒーローが覇王の場に召喚される。僕の目にはそのエッジマンとは似ても似つかぬ姿がヘル・スナイパー、ライトニング・ゴーレムと闇堕ちとはいえ順調に本家に近づきつつあった流れの中で、また十代が遠ざかってしまった象徴であるかのようにように映った。
E-HERO マリシャス・エッジ 攻2600
「この俺との勝負から逃げ出さなかった褒美として、貴様にはジムとかいう男と同じやり方でとどめを刺してやろう」
「え?」
そう言う覇王の手札にある、ここから見るだけでもわかるひときわ濃い闇のオーラを放つ1枚のカード。そのカードをかざし、デュエルディスクに叩き付けるようにして発動した。瞬間、そのカードめがけ全てのものが吸い込まれるような力が発生し、その場に全力で踏ん張っていないとまともに立っていられないほどの吸引力に体が持っていかれそうになる。
「な、何なのさもう!」
「見せてやろう!心の闇が作り出した、最強の力の象徴!絶対無敵!究極の力を解き放て!発動せよ!超融合!」
「超……融合……?」
超融合。その名を宣言すると同時に、カードの力がさらに膨れ上がる。この力、この壊獣たちが束になったのと同等、下手すればそれ以上のものを感じる。
そしてその吸い込む力が限界を超えた時、これまで防御姿勢を取って耐えていたラディアントークンが飛ばされて吸われていった。同時にマリシャス・エッジも飛び上がり、自分からその流れに飲み込まれていく。
「超融合は、俺の手札を1枚捨てて発動する。そして互いのフィールドから融合素材を墓地に送り、その融合モンスターを融合召喚する」
「僕のフィールドから融合!?そんな無茶苦茶、通るもんか!」
「人のモンスターをリリースして戦う貴様がそれを言うか?所詮俺も貴様も同じ穴のムジナ、その間に違いがあるとすればそれはひとつ。俺はこの世界を統べる者、覇王となることを選択したということだ!俺は俺自身のマリシャス・エッジと、貴様のレベル6以上の悪魔族モンスター、ラディアントークンを素材として融合召喚!出でよ、E-HERO マリシャス・デビル!」
マリシャス・エッジの姿をベースにラディアントークンの力が取り込まれ、その背には漆黒の翼が生える。両腕の鉤爪はさらに深く鋭く長くなり、無駄なパーツは取れてむしろその全体像はよりシャープに変化していく。闇の炎が最後にその全身をひと撫ですると、後に残ったのは覇王と同じ冷たい目をした悪魔そのものだった。
E-HERO マリシャス・デビル 攻3500
「魔法カード、破天荒な風を発動。マリシャス・デビルの攻守を、さらに1000ポイントアップさせる」
たった1人で戦場に立つHEROを、旋風が包み込む。その風に乗って、マリシャス・デビルが翼をゆっくりと広げ飛び立った。
E-HERO マリシャス・デビル 攻3500→4500 守2100→3100
「これで終わりだ。マリシャス・デビルでラディアンに攻撃、エッジ・ストリーム!」
「う、うわあああっ!」
上空から爪を一閃し、闇の刃を飛ばすマリシャス・デビル。迫りくる敗北の二文字への恐怖からか、ふと気が付けば無意識に自分の左腕を顔の前にかざして少しでも衝撃を和らげようとしていて……その腕の隙間から最後に見えた、覇王の瞳。あの眼を見た時、それまでの予想が確信に変わった。
あの眼に宿る不気味な力、あれは間違いない、破滅の光がこの覇王に何らかの形で関わっている。でも、それが今更わかったところで僕はもう……。
E-HERO マリシャス・デビル 攻4500→多次元壊獣ラディアン 攻2800(破壊)
清明 LP1000→???
「……え?」
「何?」
僕と覇王の声が同時に発せられる。闇の刃はラディアンの体を貫通しそのままの勢いで僕が構えた右腕に、より正確に言えばそこに取り付けられた僕のデュエルディスクに深々と突き刺さっていた。色々と限界が近かった僕のデュエルディスクだが、この攻撃が決定打になったらしい。フィールドゾーンはバチバチと激しい点滅を繰り返し、ライフカウンターは数字にすらなっていないでたらめな文字を示したまま動こうとしない。
実質的にはこのデュエルが僕の敗北で終わったのは間違いないのだが、デュエルディスクのライフ表示が0にならない以上内部処理的にはまだ終わっていない扱いになるらしく、ラディアンとマリシャス・デビルの実体化したソリッドビジョンもまた消えていかない。
「覇王様、ご無事で!」
「おい、早く門を開けろ!」
僕の背後でがやがやと声がする。異常事態を感じ取った観客が、自らの主の無事を確認するためにこちらに押し寄せてこようとしているらしい。だが、その声を聞いて我に返った。僕はまだ生きている、体が消えたりしていない。
そして頭の中で再び蘇る、ケルトの遺言。なんでもいいから、生き延びろ―――――!
「もしかして……ラディアーーン!!」
咄嗟にあることを思いつき、この敵だらけの場において唯一の僕の味方であるラディアンの名を叫ぶ。ラディアンは辛うじて立ってはいるものの、既に虫の息だ。無理もない、普通のデュエルならばとっくの昔に破壊されているほどの攻撃を喰らったのだから。それでも多次元壊獣は僕の意思に応えるため最後の力を振り絞り、ちょうど開いた闘技場の門めがけてその剛腕を叩きつけた。すると鉄の門が跡形もなく吹っ飛び、近くにいた悪魔どももまとめて吹き飛ばされる。派手に地面がえぐれ、またもや土煙が周辺の視界を遮った。
「ぐわーっ!」
「は、覇王様!」
やはり、今のタイミングならケルトの言っていた、モンスターをわざと暴れさせて脱走を図るものを止めるためのシステムも作動していないらしい。少し考えれば当たり前だ、もしそのシステムが生きたままならばあの悪魔どもだってここに入れるとは思い難いのだから。恐らく誰かがここに入るために、そのスイッチを切ったのだろう。
「そうと決まれば……ありがとう、ラディアン!」
何でもいいから生き延びる。そのためにはどんな恥だろうとも、まっすぐ胸張って受け止めてやる。たとえそれが、デュエルディスクの故障にかこつけて負け確定な勝負を放り出して逃げ出すような手であってもだ。この屈辱は必ず利子をつけて返してやるとして、早くしないとこの土煙もすぐに晴れてしまう。今はそれまでになるべく遠くに逃げるんだ。
幸い妨害も受けずどうにか外に出ると、目の前にはほんの数メートルのところに一面崖が広がっていた。下を覗き込むと気が遠くなるような距離を隔ててごうごうと轟く水の音がして、最初にベージが言っていた崖の話を思い出す。でたらめに走ってどうにか外に出たと思ったら、一番最悪なルートを選んでしまったらしい。
「も、もう……!」
だけど、今更引き返す時間はない。すでに背後からは、追手の足音やら羽音やらが聞こえ始めている。恐らくこのまま闘技場の縁を周っていけばこの崖以外の場所に出れるのだろうが、そんなことをしていてもあっという間に捕まってしまうだろう。
と、なるともう、残された道はここしかない。まだアドレナリンが体に満ちているせいか、不思議とここで死ぬとは思わなかった。にもかかわらず足を踏み出す勇気が出ないのは、僕に残った人間性の表れだろうか。
「いたぞ!」
「馬鹿な奴だ、よりによってここに出るとはな」
やはり地の利はあちらにあるようで、早くも外に出た追手が早速僕を見つけたらしくそんな会話が聞こえてくる。
……タイムアップだ。深呼吸して意を決し、助走をつけて崖の端から宙に躍り出る。ほんの一瞬の浮遊感の後、重力に従い猛烈な勢いで体が下に引っ張られた。加速の最中に両手両足を体に引き付けるよう縮め、頭を守るように空中で姿勢をできるだけ整える。ちらりと下を見るとぐんぐんと水面が近づいてきていて、最後の瞬間に大きく息を吸い目を閉じた。
次の瞬間、脳を揺さぶるような衝撃をまともに受けて視界が真っ白になった。
後書き
ここまで読んでくださった皆様、言いたいことはわかってます。確かに超融合でデビルは出せません。でも、でもせっかくの覇王回なのに超融合無しで終わらせるとかそっちの方がやりたくなかったからこれは仕方ないんです……!
まあ真面目な話、ひとつだけ言い訳するならばあのシーンは超融合+手札コストの部分を精神操作で奪ってダーク・フュージョンしたと読み替えていただければOCG的にも問題はないですのでそう補完しておいてくださると幸いです。
相変わらず今年もこんな感じの演出重視でやっていきますが、お付き合い下さると幸いです。
……ただ、この回は去年の最後にやっておきたかったなぁ。これじゃ年末落下じゃなくて年始落下じゃん。
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