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提督はBarにいる。

作者:ごません
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提督と艦娘達の夏休み~BBQ大会編・1~

 早速、収穫した野菜とバーベキューコンロを数台、それにアウトドア用の折り畳み椅子やテーブル、その他諸々必要になりそうな物を手分けして準備。

「あら提督さん、面白そうな事をやってますね?」

 声のかけられた方を見ると、そこには大きな荷物を抱えた間宮と伊良湖がいた。普段と違うのはその出で立ち。2人共いつもの割烹着ではなく、大胆に露出した黒のビキニを着ていた。伊良湖の方は少し気恥ずかしいのか、白いパーカーを羽織っていたが。

「……随分と大胆だなぁ」

「ウフフ、折角の夏休みですから。…それとも、似合ってませんか?」

 少し心配そうな顔をした間宮だが、似合ってないなんて事はない。前からナイスバディなのは知っていたし、顔立ちもその辺のモデルじゃ相手にならん位に整っている。そこに布面積の少ない黒のビキニだ。その辺のウブな提督なら鼻から流血モンだろう。

「いやいや、流石は間宮。俺の体調が万全なら是非ともお相手願いたい位だよ」

「あら♪嬉しい。でも昨日は『お楽しみ』だったみたいですから、また今度にしますね♪」

 ニッコリと微笑んだ間宮は俺の耳元に口を寄せると、

『でもその時は、伊良湖ちゃんも纏めて頂いて下さいね?あの娘“も”提督さんに気があるみたいですから♪』

 そう言うと間宮は伊良湖と共に天龍達の方へと離れていく。……あぁ神様、側室候補がまたも2人増えそうです。助けて下さい。

「おぉい提督~、間宮さん達がおにぎり持ってきてくれたぞ~!」

 2人の持ってきた包みの中身を確認して、嬉しそうに天龍が叫んでいる。さっきの会話は置いといて、間宮と伊良湖の差し入れはおにぎりとよく冷えた麦茶だった。収穫作業の差し入れに、と考えて持ってきてくれたらしいが、おにぎりならばバーベキューにもうってつけだ。

「んじゃ、分担して仕事をしよう。第六駆逐隊は執務室に行って肉を取ってきてくれ。大淀か早霜に聞けばやり方は解る。第七駆逐隊は山城と協力して、酒保からポリバケツと氷、それから塩も持ってくるように」

「第八駆逐隊は食堂から寸胴鍋と蒸し器、それからカセットコンロに包丁やらまな板なんかの調理器具を借りてきてくれ」

「伊勢と日向は炭を持ってきて火おこし、手の空いてる奴らは飲み物やら紙皿、割り箸なんかの細々したものの準備を頼む。以上、かかれ!」

 俺の号令で一斉に駆け出していく艦娘達。こういう時のウチの連中の連携の良さは侮れない。

「それじゃあ、私と伊良湖ちゃんはお店に戻って調味料を取ってきますね♪」

「提督さん、失礼しますっ!」

 間宮と伊良湖も居なくなって、俺は一人取り残されてしまった。まぁ、今の内に出来る仕事をこなすか。野菜の皮剥きやら泥落とし位は出来るだろう。よっこらせ、と立ち上がると

「ツレないじゃあないか、提督よ」

 背後から聞き覚えのある声が聞こえたので振り返ると、案の定昨日の晩によく見た顔が並んでいた。







「中々面白そうな事をやっているじゃないか、提督よ」

 と語るのは武蔵。昨夜人から5回も搾り取ったお陰か、肌艶がいい。

「このキュウリの瑞々しさ……味噌が欲しくなるな!」

 こっちは長門。こっちは3回と武蔵よりは少ないが、人の左腕を枕にしていてくれたお陰で、起きた時に腕が痺れてたぞチクショウ。

「こっちは……まぁ、とうもろこし!みっちり詰まっている感じがするわ」

 そう言ってポンポンととうもろこしの房を叩いているのは大和。昨夜の『パーティ』には錬度の関係で参加できていないが、その錬度は98。間もなくケッコンカッコカリの予定であり、嫁艦連合の仲間入りは確実だ、とは妹の談。

「早速茹でて食べよう」

武蔵がこう言うと、

「え?焼きもろこしでしょう?」

( ゜Д゜)ハァ?という顔をしながらそう言ったのは大和。

「いやいや、バターコーンだろう常識的に考えて」

お前達は何を言ってるんだ、という顔をしてそう宣ったのは長門。3人が3人拘りの食べ方があり、それを譲るつもりは無いようだ。

「何を言ってるんだ2人共、バターやら醤油なんて使ったら味が変わってしまうじゃないか!使っても精々が塩、素材本来の甘味や旨味を楽しむのが正道だろう!」バン!

「何言ってるのよ武蔵!敢えて焼いて醤油を塗って、更に焼いて焦がして香ばしくするのがいいんじゃない!」バン!

「何を言うか!バターとコーンのコンビネーションは無敵なんだぞ!?それこそ私と駆逐艦のように……」

「「はぁ?(威圧)」」

 はぁ、こいつらは。調理の準備も整っていない状況でどうやって食うかなんて話をしやがって。

「オイてめぇ等」

「「「何だ!?」」」

「俺が怒る前に……やめた方がいいと思うが?」ゴゴゴゴゴ……

 そう言いながら俺は右手に握っていたジャガイモを握り潰してみせた。勿体無く思えるが、モグラか何かにかじられて腐りかけの奴だったから、勘弁してもらおう。途端に青くなる3人。

「「「すいませんでしたああぁぁぁ!」」」

 美しい土 下 座である。ったく、折角の夏休みだってのにイライラさせんなっての。さて、こんな茶番劇をやってる間に頼んでおいたお使い組が続々と戻ってきているな。そろそろ支度を始めようか。





「それで提督さん、どんなメニューを作るんです?」

 調理補助に入ってくれた間宮にそう尋ねられた。

「そうだなぁ……定番のバーベキュー料理は一通り作るとして、折角の山雲農園の新鮮野菜があるからな。野菜をふんだんに食べられるメニューをいくつか作ろうかな」

 バーベキューといえば様々な焼き野菜をイメージするが、それ以外にもサラダを始めオシャレで美味しい野菜を使ったメニューは多い。

「ではまずは何を?」

「片手でも食べやすいスティックサラダだ。何種類かソースを用意して、味に変化を付けるぞ」

《夏バテ解消にも!15種類のソースでスティックサラダ》

・お好きな夏野菜:食べたいだけ

野菜の種類としてはニンジン、キュウリ、大根、セロリ、パプリカ、ラディッシュやブロッコリーなんかもいいな。太さや長さを出来るだけ揃えて、切っておこう。そしてスティックサラダの要・ディップソース。今回は手軽に作れて美味いソースを15種類、紹介させてもらおう。


(ピリ辛コチュジャンマヨ)

・マヨネーズ:大さじ3

・コチュジャン:小さじ1

 混ぜるだけの簡単ディップソース。買っても余りがちなコチュジャンを有効利用した。コチュジャンは辛味噌に近いので味噌マヨっぽい雰囲気も楽しめる。小さじ1と書いたが、量は好みで調整してくれ。



(マイルドな味わい!胡麻マヨソース)

・マヨネーズ:大さじ4

・白すりごま:大さじ1

・めんつゆ(3倍濃縮):小さじ1/2

・プレーンヨーグルト(無糖):小さじ1

・タバスコ:お好みで3~5滴くらい

 こいつも混ぜるだけの簡単ディップ。タバスコ入れなくても美味いが、断然入れる事をオススメする。ピリッとして味に締まりが出る。



(野菜をソースに!?ブロッコリーマヨ)

・ブロッコリー(小房の部分):30g位

・塩:少々

・胡椒:少々

・マヨネーズ:大さじ1.5

 こいつは少しだけ手間がかかるぞ。小房に分けたブロッコリーを、塩を入れた沸騰した鍋で柔らかくなるまで茹でる。普通に茹でてマヨネーズ付けて食べるときよりも柔らかくなるまでな。お湯からあげて水気をよく切り、原型が残らない位まで細かく刻む。

 ブロッコリーが準備できたら、ボウルにマヨネーズ、刻んだブロッコリー、塩、胡椒を振ってよく混ぜたら完成。お好みで玉ねぎのみじん切りを入れても美味いぞ。



(手軽で本格!甘辛マヨソース)

・マヨネーズ:大さじ2

・スイートチリソース:大さじ2

・市販の玉ねぎ系ドレッシング:小さじ1

 これも混ぜるだけ。隠し味程度に入れる玉ねぎドレッシングが、いい仕事してくれるんだよなぁ。



(焼いても美味しいよ♪ハーブマヨソース)

・マヨネーズ:大さじ2

・イタリアンパセリ(生)

・スイートバジル(生)

※ハーブ類は合計で大さじ1.5

 これもハーブをみじん切りに刻んで混ぜるだけ。他の種類のハーブを混ぜてもいいが、何種類入れてもハーブの分量は大さじ1.5まで。入れすぎるとくどくなるぞ。そしてこのソース、下味を付けた魚介に塗ってトースターで焼いたり、パンに塗って、トーストにしても美味いぞ。



(ヘルシーに!酢味噌ディップ)

・白味噌:大さじ1

・酢:大さじ1~1.5

・ごま油:小さじ1/2~1

 マヨネーズがベースばかりじゃ飽きるだろうから、気分を変えて。生野菜と酢味噌の相性の良さは、皆さんご存知だろう。



(万能味噌だれでスティックサラダ!)

・味噌(赤味噌系推奨):大さじ3

・砂糖:大さじ2

・みりん:大さじ1

・醤油大さじ1

・豆板醤:小さじ2

・ハチミツ:少々

 お次も味噌ベースのディップソース。耐熱容器で全ての材料を混ぜ合わせ、ラップをかけて500wのレンジで1分位チン。バーベキュー等に持っていくなら予め作って持っていこう。



(新たな甘辛!?マーマレード味噌)

・合わせ味噌:大さじ3

・マーマレード:大さじ2

・水:大さじ1/2

 味噌とマーマレード!?と先入観で敬遠する事なかれ。柑橘の爽やかさとジャムの甘味が、さながら柚子味噌のような雰囲気を醸し出す。マーマレードは柚子と違って年中手に入るからお手軽だぞ。全ての材料を鍋に入れて火にかけ、弱火で焦がさないように加熱。1分位すると沸々と沸き始めるのでそこで火を消してあら熱を取り、冷蔵庫で冷やして完成。



(お酒が進む!アレンジ味噌マヨ)

・にんにく味噌:大さじ1

・マヨネーズ:大さじ1

・クリームチーズ(ソフトタイプ):大さじ1

 普通に味噌とマヨネーズを混ぜただけの味噌マヨも美味いんだが、ちょっと洋風にアレンジ。にんにくとクリームチーズの風味が聞いて、洋酒にも合う仕上がりになるぞ。



(濃厚!胡麻味噌マヨ)

・合わせ味噌:大さじ1

・砂糖:大さじ2

・マヨネーズ:大さじ4

・白すりごま:大さじ4

 これまた混ぜるだけのお手軽ソース。ポイントとしては先に味噌と砂糖を合わせてよく練ってからマヨネーズとすりごまを加えましょう。



(マヨネーズをあまり使いたくないアナタに!ヨーグルトディップ)

・水切りヨーグルト:大さじ4

・たらこ(または明太子):1/2本

 水切りヨーグルトは知ってるよな?アレを使うとさながらマヨネーズを使ったかのようなディップソースが出来る。今回はたらこマヨ風にしてみた。といっても、たらこの粒を皮からしごきだして水切りヨーグルトと和えるだけなんだが。この他にもパセリや茹で玉子、刻み玉ねぎを加えてタルタルソース風とか、味噌と混ぜて味噌マヨ風とか。使い方は幅広い。……ただ、モノによっては多少マヨネーズを加えないと味気ない時もあるがな。



(新たな可能性!アボ味噌ディップ)

・アボカド:1/4個

・味噌:小さじ1

・牛乳:小さじ1

・おろしにんにく:小さじ1弱

・塩コショウ:少々

 野菜を使ったディップソース第二段。アボカドのマイルドさと味噌の塩気が絶妙にマッチ。森のバターの異名を持つアボカドだけに、味噌バターのような雰囲気も味わえる。アクセントのにんにくも〇。よく熟れたアボカドを使い、綺麗なビニール袋に全ての材料を入れてアボカドを揉み潰すように混ぜる。ペーストになったら完成。




(チーズを味わおう!クリームチーズディップ)

・Kiriのクリームチーズ:2個(20gくらい)

・おろしにんにく:小さじ2

・塩麹(無ければ塩):ひとつまみ

・刻みパセリ:ひとつまみ

・黒胡椒(粗挽き):ひとつまみ

・レモン汁:小さじ1

 クリームチーズの味で野菜を食べたい人に。塩麹だと塩味に角が立たないのでオススメ。混ぜる前に、クリームチーズを500wで20秒ほどチンするのを忘れずに。



(おつまみで新たなおつまみを!ミックスナッツソース)

・ミックスナッツ:軽く一握り

・マヨネーズ:大さじ2~2.5

・酢:大さじ1弱

・オリーブオイル(ごま油でも可):大さじ1弱

・ケチャップ:小さじ2

・黒胡椒:少々

・粉チーズ(お好みで):少々


 昔食った事のあったナッツ入りのドレッシングの再現レシピ。ナッツはミルで砕いてもいいが、手でやって不揃いの方が食感が楽しい。ナッツを袋に入れて、麺棒や厚底のガラス瓶等でガリゴリ砕くのが手でやるには楽かな?

 ナッツが砕けたら、後は全ての材料を混ぜ合わせるだけ。おつまみ用のナッツを使うと、既に塩が入っているので味の濃淡は自分の好みで調整してくれ。



(サラダやチキンソテーに!ガーリックトマトソース)

・カットトマト缶:2缶

・玉ねぎ:1個

・おろしにんにく:大さじ3~4

・バジル(出来たら市販のバジルソース):大さじ2~3

・固形コンソメ:2個

・オリーブオイル:大さじ2

 最後は作り置きにも向いてるソースを1つ。玉ねぎをみじん切りにしたら、フライパンにオリーブオイルとおろしにんにくを加えて香りが立つまで炒める。そこに刻み玉ねぎを入れて、焦がさないようにきつね色になるまで炒める。そうしたらトマト缶と固形コンソメ、バジルを加えて水分が飛ぶまでかき混ぜながら煮詰めていく。

 以前煮込む料理にはホールトマトがいいと言ったが、今回はトマトの酸味をソースに活かしたいので酸味の強いカットトマトをチョイスした。



さぁ、スティックサラダは出来たぞ。次回からは本命のバーベキュー料理へと移ろうか。

 
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