Three Roses
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第二十六話 叔父として王としてその五
「出来る限りだ、言葉も違うが」
「それでもですね」
「民は一つですね」
「同じに扱いますか」
「彼等は」
「そうしなければならない」
必ず、というのだ。
「平民としてな」
「同じくですね」
「そうしていかれますか」
「彼等についても」
「その様に」
「婚姻、貴族達もそうだが」
そちらもというのだ。
「自由としよう」
「四国の融和ですね」
「同化を進めていくのですね」
「相互の」
「それを」
「そうだ、完全に一つに戻るのだ」
四国はというのだ。
「国家的にな、もっとも我々は半島はともかく北の王国や島国を領土としたことはない」
「はい、そのこと自体は」
「分家筋が王に入っただけです」
「それぞれの国の」
「それだけでした」
その頃は王ではなく大公や公爵だった、そこから独立して王になったのだ。それが北の王国や島国の国家としてのはじまりだったのだ。
「だからこそですね」
「両国については」
「領土としてははじめてですね」
「我々のところに入るのですね」
「我が国に」
「そうなる、しかしだ」
それでもとだ、王は何とか言葉を出した。
「家としてはな」
「はい、一つに戻る」
「だからこそですね」
「統一になる」
「再統一ですね」
「そうなるのだ、再統一と同化を行い」
この二つの政策をというのだ。
「この国はより栄えるのだ」
「王国にも負けないまでの」
「それまでのですね」
「国になる」
「それが我が国の望みだからこそ」
「それを適えるのだ」
この国の願い、それをというのだ。
「私の後にな、その為にだ」
「王子、次の王を盛り立て」
「そしてですね」
「マリー様とマイラ様のお話を聞き」
「そのうえで」
「この国を治めていくのだ」
王は側近達に言った、それから。
言葉はなかった、目を閉じたまま眠りだした。
王の状況はマイラも聞いていた、マイラは王の言葉を聞きまずは宮殿にある礼拝堂に赴きそこで目を閉じて神に祈った。その祈りはというと。
「王のですね」
「はい、穏やかな最期とです」
「ご冥福を」
「祈りました」
司教に答えた。
「そうさせて頂きました」
「左様ですか」
「神のご加護があらんことを」
今もこれからもというのだ。
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