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Three Roses

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第二十六話 叔父として王としてその四

「私は最早」
「はい、それでは」
「そうさせて頂きます」
「そしてそのうえで」
「何とかしてです」
「四国を統一しましょう」
「我々が軸になり」
 側近達も王に次々と言った。
「少なくとも王子が即位されれば我が国と北の王国は連合王国となります」
「同じ王を戴く」
「そしてそれがですね」
「その為にですね」
「そうだ、まずはこの二国だ」
 四国の中で第一の国力を持つこの国と第二の国力である北の王国がというのだ。だが第一と第二といってもその国力差はかなりの開きがある。そこから島国が北の王国からやや落ちて半島は島国の四分の一程だ。
「これでかなり違う」
「島国と半島を圧倒します」
「これでかなり統一が進みますね」
「では今度は」
「島国、半島も」
「その為に二人を嫁がせたのだ」
 王は天井を見つつ話した。
「マリアとセーラをな」
「それぞれの方をですね」
「島国と半島に」
「融和の為でもあり」
「統一も睨んで」
「三国の王家は当家と縁者でありだ」
 そのエヴァンズ家とだ。
「どの家も分家筋になるしな」
「四人の王家はそうでしたね」
「かつては一つの家でした」
「そして再び一つになる」
「そうなのですね」
「しかしそれぞれの王家に爵位は必要だ」
 国は統合してもというのだ。
「それ自体はな」
「では大公に」
 側近の一人が王に言った。
「それぞれの王家の方は」
「そうだ、王家ではなくなるが」
 国を統合するからだ、王は一つの国に一人であり王家も一家だ。天に二日はいらないというのはどの国でも同じだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「それぞれの王家にはですね」
「高い爵位が授けられ」
「そのうえで」
「王家の分家筋となる」
 元々そうであったが王家の中においてというのだ。
「そうなる、だが問題は民だ」
「彼等ですか」
「問題は」
「我が国はいささか王国、そして大陸の血が濃い」
 この国はというのだ。
「王家が元々王国の諸侯でもあったしな」
「はい、かつては」
「長い戦争の結果我々は王国での領地も爵位も失いましたが」
「それでもですね」
「王国の血が入っていますね」
「民達にも」
「しかし他の国々は違う」
 北の王国、島国、半島はというのだ。
「どうしてもな」
「元々の血が濃いですね」
「三国にも僅かに王国、大陸の血が入っていますが」
「それは薄いですね」
「我が国に比べて」
「この国には古の帝国の頃から大陸から人が来ていた」
 かつて大陸を一つにしていたこの国の時代からだ、長く強大で栄えた国であった。
「だからそちらの血も濃いが」
「三国は違い」
「どうしても薄いですね」
「その違いがありますね」
「民達にとっては」
「その違いが気になる、だがやはりかつては同じ王家であったからな」
 王家同士はというのだ。 
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