病みそうにない艦娘が病んじゃったお話
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プロローグその2
前書き
前回のあらすじ
とある鎮守府の木曾を紹介した。
あとちゃんと続くか不安になってきた。
まずなぜ木曾がヤンデレになってしまったのか。
まずこの世界の過去をさかのぼろう。
この鎮守府は、元々ブラック鎮守府と呼ばれておりそれは艦娘をいくらでも造れるという理由などで休ませなかったりまともな補給や食事をとらせない、また職権乱用をして艦娘の弱みを握りまるで玩具のように扱うといったまさに本当の屑提督が仕切っていた鎮守府であった。
木曾はその鎮守府にそれほど大きくなかったときに配属されていたが、当時から扱いがひどいものだった。
あまりにもひどい仕打ちに腹をたて殴り掛かろうとしたが、憲兵を何人も雇っており、その上他の艦娘にもまで迷惑をかけてしまう可能性が確実にあるため木曾は何もする事が出来なかった。
改二にもなって木曾の我慢の限界がきそうになったその時に突如その屑提督の前に立ちふさがった一人の青年がいた。
名前は『実松 響』。
第六駆逐艦の二番艦と同じ名前を持った一見ごく普通の人間だった。
彼は鎮守府の近くの町にたまたまよっていたらその噂を地元の人達から聞いた。
正確にいえばその町に親戚がいたため会いに来ただけだったがその親戚と鎮守府の近くを歩いていたら一人の少女が飛び出してきた。
親戚はその少女をすぐに艦娘と分かったが直後に憲兵達に捕らえられた。
しかもその捕らえ方がひどくその艦娘を手荒く倒し何人もの憲兵がたった一人の無抵抗の少女を叩きのめすものだった。
その光景を見た実松は一気に頭に血が登りその憲兵達に殴りかかった。
憲兵達は武器も持っていたのでどうみても不利なのだが実松は小学生のときいじめられたのを切っ掛けに
中、高校生のときは喧嘩をよくやっており天性とセンスと沢山の努力のおかげで誰にも負けない強さをもった。
高校卒業後はさすがに喧嘩だけでは生きていけないと思いまともな職場に就き数年たったが当時の強さは一切衰えておらず憲兵達を瞬く間に無力化していった。
実松は終わったあとすぐに少女を近くの病院まで運んだ。
治療が終わったあとその少女に話しを聞くとその鎮守府の提督は本当にひどい人間だということを少し長い間話しを聞いていた。
再び血が登った実松は、話しの途中で鎮守府に走りだした。
理由は当然そこの憲兵と核である提督を潰すために。
親戚も後を追ったが歳のせいか時間がかかってしまい着いたときには既に全ての憲兵が倒されていた。
そして実松はというと提督を片方の膝で床に抑えつけひたすら殴っていた。
流石にやりすぎだと思った親戚は実松を止めようとしたが理性が切れていたせいか反射的にこちらに触れてきた親戚を殴り飛ばした。
その事に親戚までもが頭にきて何故か二人が喧嘩をし始めた。
元々実松に喧嘩を教えたのは、この親戚で彼もまた若い頃に随分と暴れていた。
ちなみにだが親戚がこの町に住み始めたのはかなり最近でブラック鎮守府の噂も昨日耳に入ったばかりだという。
両方激怒していたせいか、疲れというものを知らずにしばらくの間その場でひたすら殴り合いをしていた。
周りの艦娘はその光景に呆気をとられていたが、二人共倒れしばらくして自分で立ち上がったとき実松はとぼけた声で「とりあえずどうしようか」と親戚に話しかけた。
その後親戚が(ボロボロの体で)海軍の本部に連絡をとりそこにいた提督と憲兵は連行されていった。
ちなみにだが実松も暴行及び過剰防衛ということで彼も連行されていった。
しばらくして彼は鎮守府の新しい提督として戻ってきた。
既に一部の世間に知らせられていることもあるが、今回の事件の責任、そしてしばらくの間正式な提督が来ないことも切っ掛けに彼が提督になったのだ。
その時に鎮守府の門に彼を待っていた一人の艦娘がいた。
その艦娘こそが木曾だった。
実松が連行される前に木曾は彼に何故こんなことをしたのかを聞いた。
一人の艦娘が逃げていたのでその艦娘に話しを聞いて気が付いたらこんなことをやっちゃった。とのことだ。
実松は開き直って木曾に満面の笑顔を見せた。
木曾はその時初めて本当の笑顔というものを見た。
今までは前提督の冷徹でゴミを見るかのように見下した嘲笑いだったり絶望のあまり逆に壊れた笑いをした艦娘までもを見てきた。
しかし今回見た笑顔は本当に、純粋に、嬉しくて出した笑顔だった。
その顔を見て木曾はまるで光り輝く美しい宝石に見えた。
今まで他の艦娘に八つ当たりをしてしまったせいで、他の艦娘は彼女には若干引きぎみだった。
それゆえ正面から話すことはあまりなく当然笑顔を見ることもなかった。
だが実松はそんな自分にその事を話した後も連行されるまできれいな笑顔を見せてくれた。
木曾は彼が連行させる前に「お前が提督になってくれ。お前でなければ俺は生きていくことが出来ないんだ。」とはっきりといった。
本人もだが周りの艦娘も驚いた。
何せ木曾は強い精神力を持っているため人に頼ることは基本的にないのだ。
しかしそんな彼女が本気でそのようなことをいうのならばそれほど彼に信頼していると言うことだろう。
よく考えれば彼女もまた女性である。
今まで頑張ったのだろうが流石にきつかったのだろう。
身も心も。
彼が提督になるのを知って一番喜んだのは木曾だ。
その為わざわざ門で実松を待ち続けていたのだという。
もう一度あの笑顔を見たい、その一心でずっと待っていたのだ。
実松こと新提督は彼女に会うと再びその笑顔を見せた。
木曾はもう一度その笑顔を見れて心底嬉しかった。
鎮守府内に入ると何人かの艦娘が待っていた。
彼女達は恩人である新提督に満面の笑みで話しかけた。
彼もまた笑顔で彼女達と話した。
木曾はまだかまだかと実松が笑顔で話しかけてこないかと待っていたのだが、彼は他の艦娘に半ば強引に手を引かれそのまま鎮守府の案内に連れていかれた。
その時木曾の心の中に闇が生まれた。
他の艦娘に笑顔をみせた後に自分に笑顔を見れてくれると思ったのに、まるで裏切られたような感情が木曾の心の中に広がった。
何故自分に笑顔を見せてくれないのか、何故他の艦娘に笑顔を見せているのか。
木曾は大いに嫉妬した。
これも初めての感情である。
勿論木曾はこの感情が嫌いになった。
木曾は実松が一人になったところを話しかけた。
丁度案内も終わり執務室で休んでいるところで実松は木曾に話しかけられた。
実松は返事をするとその直後に木曾に両方頬を両手で掴まれた。
いきなりのことに彼は木曾に話しかけようとすると木曾は実松の顔に自分の顔を近づけこういった。
これ以上俺意外の奴に笑顔を見せるな。俺だけに笑顔を永遠に見せ続けろ。
木曾は彼の目を見て本音を語った。
実松は理由を聞いたあと断った。
提督として他の艦娘にも信頼されないといけないといった。
木曾は納得出来なかった。
他の艦娘に大好きな彼の笑顔を見せるのが嫌だった。
何かと自分にしか見せないと反論したが、あまり自己中なことをいうと姉さん方が悲しむぞと言われた。
木曾は球磨型の末っ子で四人もの姉がおり木曾もまた身内は大切にする方だった。
その事にやむを得ず納得をした木曾をみ見て安心した実松は、また木曾に顔を掴まれた。
今度は何かと聞くと木曾は衝撃的なことを言った。
「一番に俺を愛しろ。その証拠に俺の唇にキスをしろ」
あまりにも衝撃的な発言に呆然としたか彼は隙を作ってしまった。
その隙を木曾は見逃さずいきなり彼の唇にキスをした。
しかも只のキスではない。
木曾は唇を重ねた状態で彼の口のなかに自分の舌を入れた。
いきなりのことに彼は頭の中が一瞬真っ白になるが、すぐに抵抗し始めるものの、人一倍の力をもった艦娘である木曾になすすべもなく、そのまま長時間キス付けされてしまうのであった。
ちなみにドアからは木曾の姉さん方である球磨に多摩、北上と大井にがっつりと覗き見をされていた。
球磨と大井に関しては除いた状態で気絶していたのだという。
後書き
なんかすげぇ長く作ってしまった・・
これ本当に続くのか?
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