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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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676部分:第九十七話 降臨への儀式その四


第九十七話 降臨への儀式その四

「御前の武器を使わざるを得なかった程だ」
「今度はどうじゃろうな」
「御前が使わなくてはならない」
 だがシオンはここでこう言うのだった。
「それはないな」
「それでいいのじゃな」
「よい。あの者達にはそうした心配は無用だ」
 言い切ってみせたのだった。
「全くな」
「あの時よりもさらに強くなっておるしのう」
「幾多の戦いをその輪廻の中で経てきている」
 その彼等のことを話すシオンだった。
「だからだ。例え御前のその武器がなかろうともだ」
「勝利を得られるか」
「必ずやってくれる。アーレスも封じる」
「それではじゃ」
「時が来れば出る」
 強い決意そのものの言葉だった。
「必ずだ」
「ではじゃ」
「戦いに備えておいてくれ」
 こう童虎に告げた。
「御前もだ」
「うむ、既にそうしておるぞ」
 童虎はそれはもう既にというのだった。
「抜かりはない」
「そうしてくれているか」
「ではな」
 ここでその思念が消えていく。
「その時にまたな」
「会おう。そしてだ」
「アテナと。そして人間の為にじゃ」
「勝つとしよう」
 こう話したうえで童虎は消えシオンも場を後にした。夜空にはその赤い星がさらに輝きを増してきていた。
 それは黄金聖闘士達も見ていた。そのうえで言い合うのであった。
「あの赤い星は」
「そうです」
 シャカがムウに応える。彼等は今それぞれの宮にいる。その前でその赤い星を見ているのであった。
 そしてだ。シャカは言った。
「アーレスです」
「ああ、わかってるさ」
 デスマスクも何時になく真剣である。
「あの星はな」
「何という星だ」
 アルデバランの顔も強張っている。
「火星があれだけ禍々しいとは」
「そして火星が禍々しく輝く時だ」
 カミュも言う。
「アーレスの力がとりわけ強くなると言われている」
「アーレスがいないならばだ」
 シュラも見ていた。
「それでもだな」
「彼に従う者達の力も強くなる」
 アフロディーテも述べる。
「そういうことですね」
「間近いな」
 ミロの目も強張る寸前だった。
「その復活は」
「出て来たその時か」
 アイオリアも覚悟を決めている顔だった。
「トラキアに」
「あと数日のうちだ」
「そうだな」
 アイオロスとサガも言い合う。
「アーレスがこの世に戻る」
「降臨する」
「その通りですね」
 ムウも真剣な顔である。いつもの穏やかな微笑みはない。
「ではその時は」
「へっ、あの蝿野郎か」
 デスマスクも軽口を言いながらも目は全く笑っていない。
「あいつは俺がやるからな」
「俺はモロクか」 
 アルデバランも己の相手のことを考えていた。
「あの男と決着をつけるか」
「決める」
 シュラは一言だった。
 
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