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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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642部分:第九十二話 神の力その四


第九十二話 神の力その四

『全てはそれからでよい』
「だから今は下がると」
『左様』
 また言ってきたエリスだった。
『その通りだ。それではだ』
「それでは」
 応えはした。しかしまだ安心してはいなかった。何しろ相手は神である。一瞬でも気を抜けばどうなるかわかったものではなかったからだ。
「また御会いしよう、復讐の女神よ」
『教皇だったな』
 エリスはシオンをこう呼んでみせた。
『聖域の』
「如何にも」
 静かにこう返すシオンだった。
「名をシオンという」
『わかった。教皇よ」
 シオンをこう呼ぶのだった。
『それではだ。また会おう』
「ではまた」
 それに応えて言葉だけで頷くシオンだった。
 エリスのまがまがしい小宇宙は消え去った。そうしてだった。
 ケーレス達もまた。戦いを終わらせるのだった。
「ふむ」
「どうされたというのか」
「戦いたいのはやまやまだが」
 こう対峙しているシャカに対して言ってきたのである。
「残念だがそうはいかなくなった」
「去るというのか」
「エリス様が撤退された」
 そうしたというのである。
「ならばこれ以上戦ってもだ」
「意味はないというのか」
「貴様の命預けておく」
 そして彼もこう言うのだった。
「また会おう」
「わかりました」
 シャカもであった。今は積極的に闘おうとはしなかった。それでいいとするのだった。
 そしてそのまま去る。残ったのはシャカだけだった。
 二つの闘いが終わりであった。シオンとシャカはまた教皇の間にいた。そしてそのうえでこれからのことも話すのだった。
「戦いは終わったがだ」
「はい、しかしですね」
「そうだ」 
 まさにそうだと答えるシオンだった。
「どうやら現実味を帯びてきたな」
「アーレスの復活が」
「それが行われる」
 シオンは言った。
「あの神がこの世に戻って来るのだ」
「そしてその時こそですね」
「来る」
 まさにその時だというのだ。
「この聖域にだ」
「そのうえで激しい戦いになる」
「その時こそが決戦ですね」
「そうです。ですから」 
 さらに言っていく彼だった。
「これからはです」
「トラキアでの死闘になる」
「このシャカが思っていた通りのことに」
「なるな」
 まさにそうなるというのだ。
「これからは」
「わかりました」
「してシャカよ」
 シオンの言葉は続く。
「我等としては」
「我々としては」
「アーレスの復活は止められない」
 シオンはそのことは既に諦めている感じだった。
「だが」
「だが?」
「この聖戦に勝つことはできる」
 それはというのだ。
 
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