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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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641部分:第九十二話 神の力その三


第九十二話 神の力その三

「私の目が開かれるその時は」
「我等アーレス様の僕達の信条を教えておいてやろう」
「その信条とは」
「泣かぬなら」
 まずはそこからだった。
「殺すか。若しくはだ」
「鳴かせるかですね」
「待つという言葉はない」
 それがまさにアーレスだというのである。
「それは言っておく」
「そうですか」
「それではだ」
 そうしてだった。その構えのままでだ。
「このケーレスのさらなる技を見せよう」
「来るのですね」
「これで倒す」
 言いながらであった。今まさに攻めようとする。シャカもそれを受ける。二人の闘いはさらに激しいものとなろうとしていた。
 そしてだ。シオンとエリスの睨み合いもだ。さらに激しさを増していた。
 赤い矢での無数の攻撃は防がれた。シオンはそれに対しても備えを置いていたのだ。その張っていた結界で防いだのである。
『またしてもか』
「さて、また私の読みが当たった」
 シオンは忌々しげに言うエリスの声に応えていた。
「その様だな」
『しかし言った筈だ』
 それでもだった。ここでエリスはまた自信に満ちた声で言ってきた。
『こうしてだ』
「こうして?」
『その結界を破ってみせよう』 
 何と無差別攻撃を浴びせてきたのだ。無数の赤い矢を放ってそれで結界を崩そうというのである。まさに絨毯爆撃だった。
「これは」
『さて、これならだ』
 また自信に満ちた声で言ってきた。
『汝の結界もだ』
「破れるというのか」
『違うか?』
「いや」
 嘘はつかなかった。しかし同時に冷静であった。
「それはその通り」
『ではこのまま我が攻撃を受けて死ぬがいい』
 エリスの声はもう勝ち誇ったものになっていた。
『教皇を倒せれば大きい』
「しかしです」
 ここでもであった。また言ってきたシオンだった。
「教皇というものは」
『またそれか』
「その通り。神の先の先を読んでこそ」
 この言葉であった。
「教皇なのだから」
『左様か』
 それを聞いたエリスは今度はかなり冷静であった。
『まだそう言えるのだな』
「如何にも」
『わかった』
 そして納得した言葉で頷くのであった。
 それからだった。また言うのだった。
『さすればだ』
「どうすると?今度は」
『その命預けておく』
 引き下がるというのだった。
『今はだ』
「ここで下がるというのか」
『気が変わった』
 今度はこう言ってきた。心変わりだというのである。
『聖域を滅ぼすのは今でなくともよい』
「それでは」
『アーレス様が戻られてからだ』
 それからだというのである。
 
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