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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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638部分:第九十一話 聖域への攻撃その八


第九十一話 聖域への攻撃その八

「そう来たか」
『まさかと思うが』
 声はエリスのものだった。それを出して言ってきたのである。
『我が気配を察していたというのか』
「如何にも」
 そのエリスの声に応えるシオンだった。そしてそのうえでまた言うのである。
「既にだ」
『まさかその様なことがだ』
「神の先の先を読む」
 彼女に対しても言うのだった。
「それが教皇だからこそ」
『人でありながら神を読むというのか』
 エリスもまた怒りを見せてきた。
『戯言を』
「戯言ではない」
 それを否定する。そうしながらだった。
 玉座から立ってだ。そのうえでさらに言うのだった。
「その証拠にだ」
『何だというのだ』
「既に結界も晴らせてもらった」
 それもだというのだ、
「貴女が攻撃を出す前にだ」
『結界をだというのか』
「この札によって」
 言いながら懐から札を出してきた。数枚ある。
「教皇の間にだ」
『確かにな』
 それを自分でも察したエリスだった。
『私が中に入られないとは』
「実体では入られないというのだな」
『今はその時ではない』
 だからこそだというのだ。
『貴様等を直接滅ぼすのはだ』
「違うというのか」
『その通りだ。だがそれでもだ』
「それでもだというのか」
『そうだ』
 その通りだといってだ。また小宇宙を放ってきたのだ。
 それで教皇の間に攻撃を浴びせる。今度は一発ではなかった。
「続けてだというのか」
『これはどうじゃ?』
 エリスの笑みは不敵なものになっていた。
『汝に防げるか』
「防げると言えば?」
『戯言を』
 またこの言葉を出すのだった。
『私のこの攻撃を防げるというのか』
「何度も言った筈」
 シオンも負けてはいなかった。
「神の先を読んでこそ」
『左様か。さすれば』
「さすれば?」
『私も読んでみせよう』
 攻撃を放ってからの言葉だった。
『貴様の先をな』
「それでは」
 シオンはその言葉を聞いて述べた。
「どちらが勝利を読めるか」
『神を侮るその言葉許しはせぬ』
 シオンとエリスの言葉はそれぞれ違っていた。その見るものもである。
『決してだ』
「さすれば」
 彼等の闘いもはじまった。聖域に残る彼等も死闘に入る。聖域とトラキアの闘いは神まで出て来てさらに続くのであった。


第九十一話   完


                 2010・2・2
 
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