聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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602部分:第八十六話 四柱の神々その五
第八十六話 四柱の神々その五
「この世では無理でもだ」
「あちらでだな」
「そして生まれ変わってもだ」
その場合もだというのだ。彼等はそのことを確かに信じていた。
「その時にまた飲める時が来る」
「そうじゃな。できればわしはじゃ」
「どうだというのだ?」
「あの者達とも飲んでみたいのじゃがな」
言葉は期待するものになっている。その言葉で続けるのだった。
「それも無理かのう」
「そうだな。それもだ」
「来世になるかのう。まあよい」
「いいのか」
「聖戦はこの戦いだけではない」
このことを確信していた。それもかなり強くである。
「それもだ」
「そうじゃな。わしが見ているあの者達との戦いもある」
「しかもだ」
さらに言うシオンであった。
「おそらく海皇ポセイドンの戦いもある」
「ポセイドンともか」
「そしてその先にも」
聖戦はさらにあるのだという。聖域の苦難は続くというのである。
「あの神々ともだ」
「ふむ」
それを聞いた男の声がだ。神妙なものになった。その言葉で言うのである。
「いよいよか」
「残念だが私も御前もその時にはいないが」
「それが残念じゃが」
「しかし、続く」
「そうじゃな」
「私達の後もだ」
その遥かな先のことも見ている彼等であった。既に、である。
「戦いは今で終わりではないのだ」
「その通りじゃな。しかしじゃ」
「どうしたのだ?今度は」
「いや、今遂に再び十二人揃った」
「うむ」
男はまずは黄金聖闘士のことを話すのだった。
「それで終わりではないとはのう」
「私もそのことにはだ」
シオンも男のその言葉に応えて言う。
「驚いている、正直なところな」
「あの子供達の中から出て来るのじゃな」
「御前達の後がだ」
「そして御主のか」
「私達が消え去ってもだ」
「後の世代がある」
そのことを感じるとであった。男にしてもシオンにしても心強いものがあった。不思議なまでに落ち着きそうして頼りになるものを感じているのである。
「だからじゃ」
「うむ、託していける」
「まああの者達でも充分にやってくれるがのう」
「頼りにしている」
まさにそうだというのだ。
「あの時からな」
「あの時か」
男の言葉に深い、そして懐かしいものが宿った。
「あの時の戦いではじゃ」
「多くのことがあったな」
「その通りじゃ。多くの者が倒れてしまった」
「彼等もな」
「しかし今こうして集っている」
懐かしさから悲しみ、そして喜びへと言葉は移っていっていた。これは男だけではなかった。シオンにしてもそれは同じであった。
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