聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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601部分:第八十六話 四柱の神々その四
第八十六話 四柱の神々その四
「一体」
「いや、こうしてここでいるのはのう」
「それがどうしたのだ」
「御主と飲みたい思ってもじゃ」
言葉に苦笑いが入っていた。それと共の言葉である。
「それができぬからのう」
「仕方ないな。それは私も同じだ」
「そうじゃな。聖域から滅多に離れられんな」
「そうだ。だが」
「だが?」
「やるべきことは果たさせてもらう」
それはだというのだ。絶対にだ。
「その通りだ」
「そうか。それはか」
「私も一人では飲んでいる」
そうしているというのである。
「どうもな。教皇という手前中々公にはできないが」
「ふぉふぉふぉ、それは仕方ないのう」
それはだというのだ。それは彼にだけ向けた言葉ではないのだ。
「まあ飲めるだけでもよいか」
「御前はどうなのだ?」
「わしか」
「そうだ。時折息抜きをしているのかのう」
「うむ、時々な」
こうシオンに対して返すのだった。
「飲んだりしておるぞ」
「そうか」
それを聞いて少し安心したような声を出すシオンであった。
「ならばいい」
「左様か」
「そうだ。それならばいい」
それでいいというのである。
「御前もそうしているならな」
「左様か」
「そうだ。さて、私もだ」
「どうするのじゃ?」
「まずは風呂に入るとしよう」
そうするというのだった。彼はまずは風呂に入ることにしたのである。
そうしてである。さらに言うのだった。
「それからだ」
「飲むのじゃな」
「ワインがある」
この辺りはやはりギリシアであった。ギリシアでは古代からワインを飲んできている。ワインはギリシア、そしてローマとは切っても切れない関係にある。
そのワインを話に出してだ。そうして言うのだった。
「それを楽しむ」
「左様か」
「そちらにも送ろうか」
「いやいや、こちらにもワインはあるぞ」
「むっ!?」
それを聞いたシオンは少しだけ驚いた様な声をあげた。それは意外だといったようにである。しかしすぐに思いなおして言うのであった。
「そうだったな」
「思い出したのじゃな」
「詩にもあったな。それは」
「そうじゃ。葡萄のじゃ」
男はさらに言ってきた。
「美酒じゃよ」
「そうだったな。迂闊にも忘れていた」
シオンは少しだけ微笑んだ声を出した。
「唐の詩でもあったな」
「うむ。それを飲んでおる」
「他の酒も飲んでいるな」
「無論じゃ。酒には案外困っておらん」
「ならばいい」
それを聞いて安心した声を出すシオンだった。ここまで話してである。
「それならな」
「左様か」
「御前と飲むのはだ」
「何時になるのかのう」
「ふふふ、そうだな」
こう前置きしてからである。そのうえでの言葉である。
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