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オズのビリーナ

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第五幕その三

「そうならない筈がないよ」
「実際最初にビリーナが行った時にあの時のノーム王は怯えきっていたね」
 神宝はその時のことをお話に出しました。
「それで難を逃れられた位だし」
「そうよね、だからね」
 恵梨香は鶏さん達が箒で道にある羽毛を集めるついでにお掃除もしてお国を奇麗にしているのを見ながら言いました。
「それはね」
「ないわね」
「こればかりはね」
 ノームの人達とのお付き合いはというのです。
「僕達にはないね」
「やっぱりそうよね」
「これは仕方ないね」
「ノームの人達にとって卵は天敵だから」
「どうしてもね」
「そういうことね、わかったわ」
 恵梨香もここまで聞いて納得しました。
「そのことはね」
「うん、それとね」
「それと?」
「狐とはね」
「あっ、狐は鶏肉が好きだから」
「僕達はお付き合いしたくないね」 
 鶏の方からというのです。
「最近まで交流はなかったし」
「今はあるの」
「少しだけれどあるよ」
 そうだというのです。
「あちらが鶏よりも好きな食べものが出来たから」
「揚げね」
 それが何かです、ナターシャが言いました。
「それね」
「そう、日本から入ってきたらしいね」
「揚げは狐に凄くいい食べものみたいね」
「油揚げさえあればみたいだから」
 狐さん達はというのです。
「満足出来るみたいだね」
「そうだね、狐君達の主食になっているね」
 キャプテンも言います。
「油揚げは」
「煮ても焼いても食べているわね」
 トロットも言います。
「私もあの国に何度も行ってるけれど」
「きつねうどんも食べてるし稲荷寿司もね」
「いつも食べてるわね」
「そういうのを見るとね」
「本当に好きなのね」
「そうね、好き過ぎて」
 それでなのです、揚げが。
「鶏肉が主食じゃなくなったわね」
「だからね」
 それでとです、王様も言います。
「あちらとの交流も出来る様になったわ」
「そうなのね」
「揚げはオズの国になかったよ」 
 王様はナターシャにお話しました。
「日本の食べものでね」
「日本からアメリカに入ってよね」
「オズの国にも入ったんだ」
「そうだったわね」
「そうした食べものでね」
「狐さん達に会って」
「主食になったんだ」
 まさにそうなったというのです。
「あちらのね」
「狐さんっていえば揚げよね」
 恵梨香が言うにはです。
「何といっても」
「それは日本だけだよ」
「日本の狐さんだけだよ」
「他の国の狐さんは違うよ」
 ジョージと神宝、カルロスはその恵梨香に言います。
「狐さん達は色々な国にいるけれど」
「揚げが好きとなるとね」
「本当に日本の狐さん達だけだから」
「揚げが日本にしかないから」
 恵梨香も言います。
「だからよね」
「そうよ、あと日本の狐さん達は」
 ナターシャが恵梨香に言うことはといいますと。
「小さいわね」
「それも皆言うわね」
「ええ、山にいてね」
「他の国の狐さんに比べて小さいのね」
「あと愛嬌があるわね」
「そうなのね」
「童話とかでもよく出て来て」
 そうしたお話の中でもというのです。 
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