オズのビリーナ
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第五幕その二
「皆家族よ」
「そうよね」
「だから結束も固いわよ、それこそね」
「それこそ?」
「誰か一羽でもいなくなったら」
それこそというのです。
「大騒ぎになるのよ」
「じゃあ昔の私みたいにつまみ食いなんかしたら」
「大変な騒ぎよ」
まさにとです、ビリーナはエリカにすぐに答えました。
「それこそね」
「やっぱりそうよね」
「そんなことはしないわね」
「今の私はしないわ」
「だといいけれどね」
「今日のお昼はお刺身よ」
このことは絶対だというのです。
「だから間違ってもね」
「鶏もなの」
「食べないわよ」
それこそというのです。
「絶対にね」
「だといいけれど」
「ええ、ただ一羽でもなのね」
「いなくなるとね」
それこそというのです。
「大騒ぎよ」
「そうなるのね」
「毎朝家族単位でチェックしてね」
誰がいるかとです、ご主人が答えます。
「異常がなかったら家長が鳴くんだよ」
「コケコッコーーとよね」
ガラスの猫が応えます。
「そう鳴くのね」
「そうなんだ、若しいない家があれば」
その時はといいますと。
「泣かないからわかるんだ」
「どの家の家族がいないか」
「そうだよ」
まさにというのです。
「それでわかるんだ」
「そういうことね」
「まあ大抵は皆いるよ」
「心配無用なのね」
「若し誰かいなかったらわかるしね」
「あと私達の国にはノームは来ないわよ」
ビリーナはこのこともお話しました。
「皆が皆卵を産むからね」
「鶏だから」
ナターシャが応えます。
「そうなるわね」
「そうよ、招待もね」
「しないのね」
「絶対に来ないことがわかっているから」
それでというのです。
「しないわよ」
「まあそうなるわね」
「ええ、ノームは卵が天敵だから」
「当たれば死ぬ位に」
「そうなるから」
「あの人達は招待しないの」
「むしろビリーナ達がノームの国に行ったらね」
ジョージが言うにはです。
「あちらが大変だね」
「うん、もう大騒ぎだよ」
カルロスも言います。
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