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『Blame』

作者:零那
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『Weak』



ねぇ、気付いてたよね、最初から。
貴女は私が弱いんだって。
本当は見抜いてた。
だから私を拾ったんだよね?
だったら最期迄手放さないで。
勝手に逝かないで。
私を置いて逝かないで。
ねぇ...

いつまでもいつまでも貴女に縋ってきた。
先に逝かれて、何も出来なくて、私は私を責めた。
周りも責めた。
荒れ狂って自棄になって人格崩壊した。

勇気の正しい使用法を知らなかった。
正義の正しい使用法を知らなかった。
憎しみや殺意の捌け口知らなかった。

いつもいつも貴女に教わってきた筈なのに解らなかった。
優しい声が聞けなくて、冷たい頬の感触が蘇る。
血溜まりの姿が鮮明に其処に在る。

此迄の総てが偽物だったら、夢だったら...
そう思ったりもした。
信じられるのは何と何...?

ねぇ、たった今、私はまた歩く術を失った。
だからまた手を差し伸べて?
今度は迷わず真っ直ぐ此の手を差し出すから...

傷付く事なんて怖くない。
貴女を失うことが怖い。

貴女を失ってしまったことを受け入れることが未だに怖い。


 
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