聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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547部分:第七十八話 ムウの技その四
第七十八話 ムウの技その四
「それにより目では見えないもの、耳では聞こえないものが」
「見聞きできるんですか」
「凄いんですね、セブンセンシズって」
「他にも色々な力に目覚めます」
さらにあるというのだ。
「そしてそれは正義の為、人々の為、アテナの為にです」
「使われるんですね」
「何かそれも凄いですよね」
青銅の四人はそのセブンセンシズにも驚くばかりだった。そしてそれを隠そうともしない。
「黄金聖闘士って」
「何もかもが」
「いえ、凄くはありません」
しかしムウ本人は微笑んでこう言うのだった。
「別に」
「いえ、全然ですよ」
「そうじゃないですよ」
「まあそうだね」
「それはね」
これについては魔鈴もシャイナも彼女達と同意であった。
「黄金聖闘士のその力はね」
「立派だよ」
「そうですかね」
「あんたのその力がね、ここでは使われるから」
「いいね、それは」
彼女達もムウには絶対の信頼を見せていた。一行はこうした話をしながら先に進んでいた。そして次の日の夜だった。相変わらずのどかな田園の中を進み夜はそれぞれ道の横にテントを設けてだ。そのうえで休んでいた。
ムウは彼のテントの中にいた。しかしふとその中から出た。
「さて」
既に黄金聖衣を着ている。そのうえでの言葉であった。
「おられるのですね。出て来られたらどうでしょうか」
「ふむ、気付いてたのか」
「我等の気配に」
「既にか」
「ええ、それはもう」
気付いていたと返すムウだった。闇夜の中に穏やかな微笑と共に立っている。そのうえには無数の星が煌めきを放ち続けている。
「貴方達には申し訳ありませんが」
「謝る必要はない」
「それはだ」
だが彼等はそれはいいというのである。
「我等もそろそろ姿を現わすつもりだった」
「奇襲を仕掛けるつもりだったがな」
「そうでしたか」
ムウの周り、夜の田園のあちこちから出て来たのだった。
インプ達はそれぞれの手にあの三叉の槍を持っている。そして彼を完全に取り囲んでいた。
「さて、アリエスよ」
「ここで死んでもらう」
「いいな」
「生憎だがね」
「ムウばかりじゃないよ」
そしてここで、であった。魔鈴とシャイナも出て来た。
二人は既に聖衣を身にまとい仮面を着けている。服はズボンからさらに機能性の高いスパッツになっている。その格好で出て来たのである。
「私達も気付いていたよ」
「それだけはっきりと殺気を出していたらね」
「イーグル、それに蛇使いか」
「貴様等もか」
インプ達は二人を見ても言うのだった。
「だからどうだというのだ」
「我等はどのみち貴様等全員をここで倒すつもりだった」
「そうだ、ここでな」
言いながらさらに間合いを詰めようとする。するとだった。
「私達だってね!」
「いるんだから!」
「気付いていたわよ!」
青銅の四人も。彼女達は仮面にズボンでその上から聖衣を身に着けていた。そのうえで、であった。
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