世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
555 ~俺たちのJustiφ's~
蒔風を襲った大爆発。
オーガにとどめを刺したと思ったら、その身体が爆発したのだ。
しかし、跡に残ったのはベルトのみ。
以下に大爆発でも、「奴」の体を欠片も残さないわけがない。
「大丈夫か!?」
ファイズ達が駆けより、声をかけてくる。
なぜオーガがファイズアクセルの動きについてきたのか、との疑問。
それに、蒔風が途切れ途切れに応えた。
「オーガは・・・・通常の二倍以上の、フォトンストリームを形成するが・・・・・・いくら「奴」でも・・・・・あの高速移動についてこれるほどの性能は・・・・・無い・・・・・・」
「どういうことだよ」
「あれは「奴」ではなかった・・・・・やられたよ。あれは「奴」の「欠片」だったんだ」
「ご明察だよ」
と、そこに本物の「奴」が降りてきた。
「いやなに、そのベルトを見っけたのは別んとこだったんだけどな、どうにも上級オルフェノクの力で無いと使えないらしいんだよ。だからせっかくだし王様を取り込んで、それで「欠片」に使わせて後はボン!!」
そこまで言って「奴」は顎に手を置き、うまくいったと笑う。
「ここまでのダメージは期待以上だったな」
「ッ!!させるか!!!」
「奴」の視線が落ちているオーガギアに向き、それに気付いた巧がそちらに走り出す。
しかし「奴」の方が早い。
このままでは奪われてしまうことを悟った巧が咆哮を上げる。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
バシュウ!!!!
巧の身体がウルフオルフェノクへと変身し、俊敏な動きでオーガギアを蹴り飛ばし、「奴」にもドロップキックをかます。
「奴」の胸を蹴って一回転し着地したウルフオルフェノクだが、「奴」に勝てるはずもなく、足払いをかわしてジャンプしたところに蹴りを叩きこまれて吹っ飛んでいく。
地面に落ち、人間体に戻ってしまい、腹を押さえて悶絶する巧。
ガチリ
ベルトの装着する音が聞こえ、「奴」が蒔風の方を向く。
三原に担ぎあげられた蒔風が、荒い息で意気込んだ。
「翼人の力があればよ・・・・・《000 standing by》こう言ったもんにも代用が効くだろ(バチン!!)・・・・・・変身」
ガキッ、ガチン!!!《complete》
蒔風の身体を黄金のフォトンストリームが駆け廻り、漆黒の装甲が身を包む。
バシィ!!!
「今の身体じゃこんなもんでも使いたい気分なんだよ・・・・・・おおおおおおおおあああああああ!!!!!」
オーガに変身した蒔風が「奴」に走ってゆく。
だがしかし、「奴」は冷静に蒔風を見据えるばかりだ。
オーガのパンチが放たれるが、「奴」がそれを真正面から握って止める。
そして身体を返し、後ろの方へとオーガの身体を投げる。
基本的な柔法なのだが、今の蒔風にはこれすらも深刻なものだ。
受身も取れず、地面に叩きつけられたオーガに、「奴」の蹴り上げが腹に入り込み、その体が天井近くまで浮く。
その衝撃に変身が解け、装甲が砕け散った。
「が・・・・・ぶ・・・・・・し・・・・・死ぬ?」
(死ぬ?オレが?あーーー何となくわかってたけどねーーーーってか、このまま死んだら巧たちやばいもんなーーーーー。それ以前に痛いのは嫌だし。感覚もう無いけど)
見た目の悲惨さとは裏腹に、蒔風の心象はそんな呑気なものだった。
そしてはずれたオーガギアと蒔風の身体が地面に落ちる。
「そうなんだよなぁ・・・・この・・・まま・・・死ぬわけにはいかないんだよねぇ・・・・・・」
ガクガクと震える腕に全身の力を込めながら立ち上がろうとする蒔風。
三原が巧を起こそうとするが、巧もまた、今すぐに立ち上がれる状況じゃない。
だからと言って三原一人では相手にならない。
最初に手分けして捜索することに蒔風が反対した意味がここで本当にわかった。
ダメなのだ。
巧や三原はもちろん、蒔風ですらもひとりでは危険な相手。
それが―――――「奴」だ
「さて、せっかく使えるんだからこいつは使わせてもらおうかな」
「奴」がオーガギアを手にとる。
そしてベルトを巻き付けコードを入力した。
突如
《battle mode》
ドンドンドンドン!!!!!
キィィィ!!!ドゴオア!!!!!
そして「奴」に向かってミサイルが飛ぶ。
その予期せぬ爆発にオーガギアは再び吹き飛び、見当もつかなくなってしまった。
「まったくよぉ。お前らオレ様がいないとほんっとにだめなー」
「奴」をはじめ、蒔風、巧、三原がミサイルの飛んできた方向を見る。
そこには一つの巨大なシルエット。
大型二足歩行型戦闘メカのバトルモードに変形した、サイドカーの着いたバイク・サイドバッシャーが工場の大きな入口の所に立っていた。
そしてその上部にある操縦桿を握っている人物こそ・・・・・
「まさか・・・・・カイザ!?」
「海堂!!!!!」
「まったく、何やってんだよ。早く立っちまえよ!!!」
そこに現れたのは仮面ライダーカイザに変身した海堂だった。
巧と三原が蒔風に肩を貸してそちらに近づき、カイザを見上げる。
「来てくれたのか」
「んあ?ばっか言っちゃいけねえよ。オレはオレ、海堂様だ。まぁ、このままほっといても死ぬんならよ、派手にいった方が俺様らしいっつーかよ」
「まったく・・・お前らしいよ」
「うーーーーーーあーーーーーーーーーー!!!!!鬱陶しい!!!オーガのベルトもどっか行っちまったじゃねえか!!!!」
「奴」が吠え、全身から波動砲を数十発一気に放ち、周囲を爆破に包み込む。
その衝撃を受け止めようとカイザが前に出るが、あえなく吹き飛ばされてしまう。
「ッ!!ごぁあ・・・・」
「海堂!!!」
「ライダー一人増えたくらいじゃオレには勝てない。大人しく死んでおいてくれ」
「なにもわかってねえな・・・・一人増えるのがどんなことか・・・・それだけで俺たちの意志は・・・願いは大きくなるんだ・・・・・」
蒔風が横転したサイドバッシャーに身体を預けながら立ち上がる。
「なあ・・・このまま終わらせてもいいのかよ!!巧!!三原!!海堂!!」
「そうだよな・・・・あいつの理想は・・・・オレがどうにかしなきゃなんねえんだよなぁ!!」
「オルフェノクとはなんなのか・・・その答えが出ていませんしね」
「そんなことはどーでもいいけどよ・・・ここで負けるなんてこともできねえよなぁ!!!」
「行くぞ・・・三原、海堂!!!オレたちには夢がある・・・・・俺には夢が無かった・・・・・でも今なら!胸を張れる夢がある!!!!」
その言葉に呼応したかのようにオートバジンが飛んできて、巧にトランクボックス型トランスジェネレーター・ファイズブラスターを落とす。
《555 standing by complete》
巧がファイズに変身し、さらにファイズブラスターのボタンを押し、コードを入力する。
《555 standing by》
そしてベルトのファイズフォンをブラスターに差し込み、それが起動する!!!!
《Awakening》
バッ!!バシュウ!!!ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
ファイズのスーツ部分が赤く染まり、フォトンブラッドに包まれて行く。
そして仮面ライダーファイズブラスターフォームへと変身を遂げた!!!
《103 Blaster Mode》
ファイズブラスターをフォトンブラスターモードへと切り替え、その光弾を何発も放っていく。
一発であのエラスモテリウムオルフェノクを灰塵にする光弾を魔導八天で弾きながら「奴」が突っ込んでくる。
その砲撃の音をBGMに蒔風が巧に話しかけた。
「巧、このまま「奴」を倒せば、取り込まれた「王」は爆散する。それはおそらく多くのオルフェノクに降りかかって・・・・まあ、崩壊は止まるかもな」
「・・・・そうか」
「そしておそらくオルフェノクは強力になるし、オルフェノクになる者も増えるかもしれない・・・・・それでもいいのか?」
「はっ、上等だ。やってやるよ!!オレの夢を・・・叶えてやる!!!」
「いい願いだ!!!いけ・・・巧ぃ!!!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
【KAMEN RIDER 555】-WORLD LINK- ~WEPON~!!
ボシッ!!!!
「奴」の魔導八天がファイズを捉えようとした瞬間、ファイズが消える。
否、消えたのではなく、飛びあがったのだ。
背中に装着されているマルチユニットで空中飛行に入ったのだが、そのスピードは通常の物とはケタが違う!!!!
《Exceed Charge》《Exceed Charge》
その間にカイザとデルタがエクシードチャージし、銃口にエネルギーを充填する!!!
ドッゴガガガガガガガガガガゴン!!!!!!
目に止まらぬスピードで「奴」を殴り続け、空中に浮かすファイズ。
そしてスピードが最高潮に上がった時、ブラスターのコードを入力する。
《5532 Faiz Pointer Exceed Charge》
【KAMEN RIDER 555】-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~!!
「はあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ババババババババン!!!!
十や二十を軽く超える数のポインターが地面に落ちた「奴」の周囲にバラバラの方向を向いて出現した。
だがしかし外したのではない。
そのポインターを次々と通り、赤い閃光となったファイズが「奴」の周囲を駆け巡る!!!
バシィバシィバシィバシィバシィ!!!!!!
周囲のポインターが次々と無くなっていき、次第に数が絞られてくる。
それでもファイズの姿はとらえられない。捉える事などできはしない!!!!
そして一切のポインターが消える。
「奴」が周囲を見渡し探しているところで、カイザとデルタが動いた。
「はっ!!!」「おりゃあ!!!!」
二人がポインターを放った先を見、「奴」はそれを確認した。
自分の真上。
地面に対して垂直に、デルタ、カイザ、ファイズの順に、ポインターが自分に向かっている!!!!
「魔導八て「おっせええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」」
ドギャウ!!!!!
デルタのポインターを通過し、
バシィ!!!
カイザのポインターを潜り抜け、
ガオン!!!!!
赤い円錐のポインターに踏み砕く勢いで突っ込み、「奴」の胸へと蹴りをぶち込む!!!!
バッ!!ズゴォ!!!!
「奴」とファイズの蹴りの接点からポインターとなったフォトンブラッドが巨大な渦を巻き、周囲のものをなぎ倒していく。
そしてそれが収まり始めると、「奴」の身体から蒼い炎が吹き出、その粒子が風に乗って流されていく。
「があああああああああああああああああああ!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!あああああああああああああああああ!!!!!!」
ズゴン!!!ドォン!!!!!!!!
そしてついにファイズが「奴」を貫き、爆発を起こす。
その後には「Φ」の跡が空中に赤く浮き上がる。
皆が変身を解いて集まる。
そこで蒔風は意識を失った。
プツン、と糸が切れたように、倒れ込んだ。
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「ッ!!は・・・・・ここは?」
「起きたか蒔風」
蒔風が目覚めるとそこは啓太郎の家だった。
額には濡れタオルが置いてあり、身体は包帯で巻かれている。
「大丈夫か?」
「・・・・・問題はないな」
拳をグッグッ、と握りながら蒔風が笑顔で答えた。
「さて・・・オレはもう行くさね」
「その怪我でかよ!!もう少し・・・・」
そこまでいいかけた巧の目の前にズビシと指をさす蒔風。
「そう言うなよ。行かなきゃならないんだ」
[Gate Open---KAMEN RIDER 555]
白いゲートが開き、そこに向かう蒔風。
しかしヨロリと身体がぐらつく。
その体を巧が支えたが、それでも蒔風は進む。
「・・・・・・がんばってこい!」
「おうさ。そうしてくるよ!!!」
グイッ、と巧の肩を押し、蒔風がゲートに踏み込む。
世界は止めない。
彼に戦い続けることを強要する。
どれだけ残酷なことになっても。どれだけ蒔風が傷つこうとも。
それが蒔風の使命なのだから。
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次の世界は魔術の世界。
七人の魔術師。七人のサーヴァント。
かつてこの地で行われた聖杯戦争
今はそれも終わり、おだやかな日々を送る毎日。
そこに降り立つ翼人。
この世界には真の聖剣が存在する。
to be continued
後書き
【KAMEN RIDER 555】
構成:"ライクル"60%
"フォルス"30%
"LOND"10%
最主要人物:乾巧
-WORLD LINK- ~WEPON~:ブラスターフォームでの超高速移動
-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~:ポインターの応用化&他ライダーのポインター使用
原典:原作ライダーの能力
アリス
「これで王の力がまかれ、オルフェノクは滅びなくなったんですね」
でも・・・・
ここ少し設定と違うのがあるんですよ。
アリス
「え?」
「奴」に取り込まれた物は、WORLD LINKの攻撃で跡かたもなく消し飛びます。
アリス
「あ!!」
そうなんです。
アークオルフェノクの因子も、消えちゃうんです。
アリス
「どうするんです!?」
こまけェことは気にすんな!!
と言いたいところですが、完全な取り込みではなくかったため、飛び散って行ったということで。
あーあ、設定に穴が開いちゃったよ(泣)
アリス
「次回、腹ペコ王、なんでさ」
ではまた次回
問おう。あなたが私のマスターか
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