聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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526部分:第七十五話 第三の技その一
第七十五話 第三の技その一
第三の技
アイオリアとリゲルは睨み合ったままだ。その中においてだ。
アイオリアからだった。こう言ってきたのだ。
「いいか」
「どうしたというのだ?」
「貴様はまだ仕掛けて来ないようだな」
こう彼に問うてきたのである。
「どうやらな」
「仕掛けて来ると言えばどうだというのだ?」
「どちらにしろ答えは同じだ」
アイオリアは彼を見据えながら告げた。見据えるその目はまさに獅子のそれであった。
「それはだ」
「というとだ」
「こちらからやらせてもらう」
アイオリアは今言った。
「このアイオリアからだ」
「というとだ」
リゲルは今の彼の言葉を受けてそこからすぐにあることを察したのだった。それは何かというとだ。
「貴様の技はまだあるというのだな」
それを彼に問うたのだった。
「そうだな。まだあるのだな」
「このアイオリアの牙は二つではない」
これが彼の返答だった。
「そういうことだ」
「獅子の牙は二つだけではないか」
その言葉を受けてリゲルも呟く様にして述べた。
「そうだというのだな」
「その通りだ。それではだ」
「来るというのか」
「行かせてもらう」
言いながらだった。その小宇宙をさらにみなぎらせてきた。その強さはこれまでより遥かに上であった。
黄金の小宇宙がその場を包み込まんばかりだった。そうしてその中にアイオリアがいた。
「この小宇宙は」
「まさかな」
リゲルだけでなくアイオロスもここで呟いた。
「ここまでの小宇宙を持っているとは」
彼にしても予想外のことだったのだ。
「アイオリアが何時の間に」
「どうやら俺は最高の敵を前にしているようだな」
リゲルが笑った。凄みのある笑みだった。
「レオ、まさにこのアスモデウスのリゲルが全力で闘うのに相応しい相手だ」
「受けよアスモデウス!」
叫ぶと共にだ。その右手を思いきり地面に叩き付けたのだった。
「拳を」
「大地にか」
「ライトニングファング!」
技の名前を叫ぶ。するとだった。
無数の電光が地面を走る。そしてその爪達が一斉にリゲルに襲い掛かるのだった。
「地を雷がか」
「先程牙と言ったがそれは訂正する」
技を放ったアイオリアの言葉は冷静なものだった。右膝を大地に着きそのうえでしゃがんだ姿勢になっていた。そのうえでの言葉だった。
「これは爪だ」
「獅子の爪だというのだな」
「そうだ。その爪をだ」
リゲルに対する言葉だった。
「防げるか、アスモデウスよ」
「見事だ、レオよ」
リゲルは自身に迫るその爪達を見て冷静に言うのだった。
「これだけのものを放てるとはな」
「褒めるというのだな」
「まずはだ」
凄みのある笑みをここでも浮かべる彼だった。
「このアスモデウスが倒すのに相応しい。それはまた言おう」
「そうか」
「ならばだ。こちらもだ」
言いながらだった。その全身に彼の小宇宙をみなぎらせるのだった。
「俺も見せよう、さらなる力を」
「来るというのか、また」
「見よ、これがこのアスモデウスのリゲルの力だ!」
叫びながらであった。その小宇宙を周囲に飛ばすのだった。
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