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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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525部分:第七十四話 流星の牙その五


第七十四話 流星の牙その五

「そして最後の封印もだ」
『それでエリス様』
『あの者達は』
「あの者達か」
 エリスの言葉がここですっと笑ったものになった。そのうえで言うのであった。
「そなた達も案ずることはない」
『といいますと』
『再びですか』
「そう、再び立ち上がることができる」
 そこには絶対の確信があった。そのうえで安心しきっている顔で出した言葉だった。
「だからだ。案ずることはないのだ」
『そうですか。そしてそれもまた』
『アーレス様の御手によってですね』
『全てが』
「我等は全てアーレス様の手によるもの」
 まさにそうだというのだった。
「だからこそ。あの者達は再びだ」
『では一刻も早くですね』
『アーレス様を』
「その為にもだ」
 エリスはまた彼等に対して言う。それは変わらなかった。
「よいな。そなた達に戻ってもらう」
『畏まりました。ではその為にも』
『封印の件は御願いします』
「わかっておる。それも近い」 
 エリスと声達の話は戻っていた。それと共に確信も増していた。
 そうして話されるのだった。そして最後にエリスは言った。
「それでじゃ」
『はい、それで』
『何と』
「その時そなた達の封印を解くにあたって」
 その時の話になるのだった。
「四人を向かわせる」
『ほう、あの者達をですか』
『あの四人を』
 それを聞いただけで誰なのか察したらしい。彼等の声は気付いたものであった。
『成程、あの者達と八大公ならば』
『何の問題もありませんな』
『我等のことに関しても』
「左様、だからこそそなた達は案ずることはない」
 また彼等にこう言ってみせたエリスであった。
「わかったな」
『わかりました』
『ではエリス様、その時をです』
『楽しみにしております』
「待っているのだ」
 エリスの今の言葉は静かなものだった。だがその静かさは戦いの嵐を前にして期待している為にあえてそうなっている、そうした静かさであった。
 その静かさの中でだ。彼女は言ったのである。
「それではだ」
『その時まで眠っていましょう』
『暫し間は』
「そうしてもらう。もう暫くな」
 こう話して話を終えるのだった。今の戦いの後の戦いの舞台がもう整えられようとしていた。戦いはまだ終わらないのであった。


第七十四話   完


                  2009・11・30
 
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