英雄伝説 絆の軌跡
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intermission メルトの歩みpart1
前書き
原作のネタバレを含むので未プレイの方、ネタバレは嫌いという方はブラウザバックを推奨します。
今回の話を読まなくても今後の展開に特に影響はありません。
私、メルト・フォードは少しばかり波瀾万丈な人生を歩んできました。
たまーに自分でも驚くくらいです。万が一にもあり得ませんが私に子供が出来たときに私の歩んできた道を分かりやすく教えるためにここに残そうと思います。
私の生まれはレミフェリア、家族構成はお父さん、お母さん、私、妹の4人家族です。
父は製薬会社の営業、母は専業主婦をしており絵に描いた様な幸せな家族でした。
『でした』と過去形になっていますが決して両親が離婚したとか死別したとかそういう訳ではありません。
では何故、過去形かというと共和国に行ったときに巻き込まれた事件が発端です。
あれは私が15歳ぐらいの時でした。当時世間で話題になっていた誘拐事件に巻き込まれてしまいました。
その事件は10歳前後の子供を誘拐し、非道な実験を行っていたものでした。
私達家族は家族旅行で行きました。ずっと両親と一緒にいれば良かったのですが…1人で買い物に出掛けた時に誘拐されてしまいました。
その誘拐犯は西ゼムリア大陸全土に拠点をもっていて、私が連れて行かれたのはアルタイルロッジと呼ばれる場所でした。
そこではグノーシスという薬物を使用し、人間の霊力の様なものをあげる実験をしていました。
誘拐されてからは毎日毎日その薬品を投与され1人、また1人と子供達が亡くなっていきました。
私も日に日に衰弱していき、身体共に限界が近付いてきた時に1人の少女と出会いました。
名前はティオ・プラトーちゃん。私が住んでいた家の近所に住む子です。
知り合いに会えた安堵感と私と同じ実験をされてしまう絶望感が押し迫りティオちゃんが来てからは嬉しいような悲しいような感じでした。
そんな中、私は別のロッジへ移されることになりました。
そこは人体実験は行っていませんでしたがある意味、それより酷いものでした。
物好きなおじさま達にその…体を使った奉仕をする場所でした。
思春期の私達に耐えきれる訳もなくそこでも亡くなる子供達が絶えませんでした。
私と1人の女の子を除いては。
その子はレンちゃんでした。
レンちゃんはこの環境に上手く適応してたみたいですがやがて限界がやって来たようです。
ある日彼女は騒ぎ始めました。それを聞いた大人たちが特殊な飴…恐らく麻薬の類だと思います。
それを舐めさせ従順な仔猫にしてしまいました。
私はその飴を舐めさせる事はありませんでしたが正直「このまま死んでしまいたい」と思ったことは1度や2度ではありません。
それが延々と続くと思いましたが異変はおきました。
襲撃者(私達にとっては救世主)がやって来てたった2人でロッジを制圧していきました。
その襲撃者はヨシュア君とレオンハルトさん(愛称でレーヴェと呼ぶ人が多いですが、私はレオンさんと呼んでいます)。
ヨシュア君が私達を見てレオンさんの判断の元、結社へ保護されていきました。
結社に保護されてからは様々な裏工作を教えられました。
教えられたと聞くと強制された感じがありますが実際は違い、私の意思を尊重してくれます。
私はレオンさんから剣術と剣を振るうための覚悟を、鉄騎隊のエンネアさんからは弓の扱い方を、ヨシュア君からは偵察や隠密行動の基礎を教わりました。
レオンさんから剣術を学ぶとき、手合わせするときがあるのですが1度もかてたことはありません。
レオンさん曰く「メルトの本質は別の所にある」だそうです。
レンちゃんは私以上に色々と取り込んでおり、結社で開発されていたパテル=マテルと呼ばれる人形兵器との接続に成功させていました。
それからレンちゃんの話題は「パテル=マテルはね…」と言ったものが多くなりました。
これには結社内で大喜びするもの、不安になる人に別れました。
私とレオンさん、エンネアさんの上司のアリアンロードさん(私は本人の希望でリアンさんと呼んでいます)は後者でした。
レンちゃんが心の拠り所を見つけたのはいいのですが、まだ子供なので引き返して欲しいと思っています。
私ですか?私は…両親の所に戻るのは遅すぎます。
正直『会いたい』という気持ちはあるんですけど引き返せない所まで来てしまいましたから…
ティオちゃんも両親と一旦別れたみたいです。
実はティオちゃんとはフォールドという偽名で手紙のやり取りをしていて手紙に書いてありました。
私とレンちゃんが結社について入って数年、リベールで行われる『福音計画』に執行者として参加することになりました。
私の他に参加する人はリーダーとして教授、実行者はブルブランさん、ヴァルターさん、ルシオラさん、レオンさん、レンちゃん、私、見届け役としてカンパネルラさんです。
この計画に参加する人の内、何人かはリベールに因縁のようなものがあるみたいです。
計画に関しては詳細は分かっていません。
教授は色々仄めかしてるんですけどね。
とりあえず今回はここまでにしましょう。次に書くのは計画終了後…ですかね。
「ふう…」
メルトは一通り書き終わると紅茶を口に付けた。リベール女王御用達のシロモノだ。
「お疲れさまです。貴女が書いているのを見て私も書きたくなりました」
「リアンさんも書いたらどうです?書いたものを私と見せ合って交換日記みたいなことをしませんか?」
「それもいいかもしれませんね」
部屋にはメルトの他に『鋼』の称号をもつアリアンロードがいた。結社のなかでも最強クラスの達人である。
それは戦闘の話でメルトと2人でいるときは仲のいい女友達でかなり仲は良い。
「さてと…実はリアンさんが来る前に焼いたクッキーがあるんです。レンちゃんやレオンさんも呼んでちょっとしたお茶会をしましょう」
「ええ。折角なので鉄騎隊のメンバーも呼んできますね」
「はい。それではまた後で会いましょう」
かくして結社内でお茶会が開かれレンやアリアンロードがレーヴェを弄くるのは別の話である。
後書き
以上番外編でした。
結社のなかでもメルトはレーヴェやアリアンロードと一緒で無意味な殺しを良しとしません。
自分の志に従い、人を手にかけるときは確かな信念を自分がもっている時だけです。
次は原作に戻ります。
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